コーチングのビジネスで助言が食い違ったら?取り入れる前に比べたいこと

コーチングのビジネスで助言が食い違ったら?取り入れる前に比べたいこと

ある人には「まず対象を絞りましょう」と言われ、別の人には「もっと広く発信しましょう」と言われた。どちらの説明にも納得できる部分があり、結局、案内文を直せなくなっている。そんなことはありませんか。

助言が違うときは、結論の言葉だけで選ばず、何を改善するための案か、どんな状況を前提にしているか、実行に何が必要かを並べます。そのうえで、不足する説明を確かめ、自分の現在地で何を試すかを選びます。

今回は、本業を続けながらコーチングを仕事として育てる方へ、複数の助言を整理する方法をお伝えします。誰が正しいかを急いで決めるより、今の自分の判断へ使える形にすることから始めましょう。

目次

最初に、同じ問いへの助言かを確認する

二つの助言が同じ問いへの答えかを確かめる図

言葉が反対に見えても、違う問いへ答えている場合があります。「発信を広げる」は知ってもらう入口の話で、「対象を絞る」は一つの商品の案内の話かもしれません。

その場合、両方を同じ場所へ適用すると混乱します。ブログのテーマを広げることと、個別サービスで引き受ける課題を増やすことは、同じ変更ではないからです。

まず、自分が今決めたい問いを一文にします。「集客をよくする」では広いので、「現在の体験セッションの案内で、どの相手に向けて書くかを決める」といった形にします。

次に、助言が何についてのものだったかを確認します。案内文なのか、商品の対象なのか、投稿先なのか。分からなければ、言葉の意味を聞き直す必要があります。

「広げる」「絞る」「増やす」「減らす」といった短い言葉を、実際に変える場所へ戻してください。変更する場所が違うなら、最初から二者択一で考えなくてよい場合があります。

自分が伝えた情報を、助言ごとに確かめる

相談相手ごとに伝えた情報を確かめる図

相談相手によって話した内容が違えば、助言の前提も変わります。一人には商品が完成していると伝え、もう一人には内容が決まらないと相談したなら、違う案が出る可能性があります。

過去のやり取りを見返し、何を共有したかを書きます。目的、現在の商品、実際に出した案内、確認できた反応、使える時間などです。話していないことを、相手は知っていたはずと扱わないようにします。

「反応がありません」と伝えたけれど、実際には募集をまだ出していなかった。その場合は、反応がないのではなく、まだ反応を確かめていない状態です。相談の表現から、違う状況が伝わっていたかもしれません。

新しく分かったことがあれば、助言を聞いた時点との違いも残します。一か月前は商品案だけだったが、今は問い合わせが来ているなら、同じ優先順位でよいかを確かめられます。

これは、助言が合わない責任を相談する側だけに置くためではありません。助言する側にも、必要な情報を聞き、前提を説明する役割があります。双方がどの状況を見ていたかを確かめる作業です。

比べる項目を、一枚に揃える

助言を比べる項目を一枚に揃える図

助言を並べるときは、次の四項目を使う方法があります。目的、前提、具体的な変更、確認したい反応です。

目的には、その助言で何を改善しようとしているかを書きます。商品を分かりやすくするのか、読まれる機会を作るのか、現在のお客様への対応を整えるのか。売上という遠い目的だけで終えず、直接扱う部分を見ます。

前提には、必要な状態を書きます。商品がすでに説明できること、対象者への接点があること、作業の時間が取れることなどです。確認していない条件は、未確認と残します。

具体的な変更には、自分が何をするかを書きます。「発信を頑張る」ではなく、「今の案内の冒頭に、対象が困る場面を一つ書く」といった作業へ落とします。

確認したい反応には、何を見て次を考えるかを書きます。案内を読んだ人が内容をどう受け取ったか、質問にどんな違いが出たかなどです。試す前から、契約が必ず増える前提にはしません。

書けない欄は、情報が足りない場所です。自分の想像で全部を完成させず、そこを相談相手へ聞く問いにしてください。

仮の例:「絞る」と「広げる」を比べ直す

絞る案と広げる案を比べ直す仮の例の図

ここからは整理方法を示す仮の例です。実際の相談者の発言や、成果が確認された施策ではありません。

会社員のコーチが、仕事を抱え込みやすい人へのサービスを準備しているとします。一人目からは「新任リーダーへ対象を絞る」、二人目からは「働く人全体へ広く発信する」という助言を受けました。

本人は、どちらかに従わなければと考え、募集案内の対象を何度も書き換えていました。そこで、何についての助言かを確認しました。

一人目は、商品の案内文が「人生のあらゆる悩みを解決する」と広くなっているため、一つの困る場面を示すよう提案していました。二人目は、その案内を届ける前のブログで、仕事の抱え込みに関する具体的な話を発信するよう提案していたとします。

この二つは、変える場所が違います。商品の対象を明確にしながら、その課題に関係する記事を届けることは、両立する可能性があります。ただし、ブログでも何でも扱えばよいわけではなく、商品との関係を考えます。

一方、確認の結果、二人とも同じ募集案内の対象について違う意見だった、という場合もあります。そのときは、本当に見解が違うと整理します。

新任リーダーに限定する理由は何か。その立場の人が実際に困る場面を聞けているか。働く人全体へ広げた場合、何を共通の課題として説明できるか。こうした前提を比べます。

本人の支援経験や、確認できる相手との接点を踏まえ、まず一つの案内案を作り、想定する相手に内容が伝わるかを確かめる方法が考えられます。どちらが売れるかは、助言だけから確定できません。

この例では、相手の知名度で決める前に、助言の場所と理由を整理しています。違いが残るなら、その違いを消さず、何を確かめて選ぶかを決めます。

相談相手には、違う助言より先に確認したい点を伝える

相談相手に確認したい点を先に伝える図

聞き直すとき、「別の先生には反対のことを言われました。どちらが正しいですか」とだけ伝えると、今の状況より、助言同士の評価へ話が向かいやすくなります。

まず、自分が確認したい点を具体的に伝えます。「対象を絞るというのは、商品の引受範囲を変える意味でしょうか。それとも案内文で取り上げる場面を絞る意味でしょうか」と聞けます。

理由も確認します。「今の私の状況のどの部分から、その変更を先に行うと考えましたか」。相手が見ている材料が分かれば、こちらがまだ伝えていない事情を補えます。

実行に必要な条件があるなら、それも尋ねます。すでに読者がいる人の方法なのか、商品を提供した経験が必要なのか。本業の後に限られた時間で行う場合、どこまでを今回の作業にするかも相談できます。

説明を聞いても分からない部分は、そのまま伝えて構いません。助言への質問は、相手を否定することと同じではありません。一方で、相手に無制限の追加対応を求めず、相談できる範囲に沿って確認します。

助言を混ぜて、元の目的を失わない

助言を混ぜずに元の目的を保つ図

違う助言を両方取り入れようとして、対象は絞るが本文には全員の悩みを書く、発信は増やすが一記事ごとの内容を決めない、といった形になる場合があります。

一見、両方を実行しているようでも、それぞれ何を確認するための変更かが分からなくなるかもしれません。助言の単語を取り入れることより、目的と作業の関係を保つことが大切です。

二つの案が別の順番で行うものなら、先に何を確認すると次へ進めるかを考えます。対象が決まってから案内を届けるのか、今ある案内を見てもらって理解の違いを確かめるのか。自分の準備状況に合う順番を選びます。

同時に進めても負担が少なく、目的がそれぞれ明確なら、両方に取り組める場合もあります。ただ、全部を採用することを、熱心さの証明にしないでください。

今回は採用しない案は、捨てる理由を大きく作らず、「今は前提が揃っていない」「先の確認後に検討する」と残せます。今やらないことと、その助言が常に間違っていることは別です。

試す前に、時間と見直す日を決める

試す前に時間と見直す日を決める図

取り入れる案を決めたら、どこまで実行し、いつ振り返るかを決めます。「反応が出るまで続ける」だけでは、いつまでも判断できない場合があります。

まず、作業する範囲を定めます。案内の一部を直すのか、新しいページまで作るのか。必要な確認と、本業や現在のお客様への対応に使う時間も考えます。

次に、見直す時点を決めます。その日に見るのは、結果の件数だけではありません。予定した作業をできたか、案内を見てもらえたか、どんな質問が出たかも確認します。

見てもらう機会がなかったなら、案内の良し悪しはまだ分かりません。作業に着手できなかったなら、その原因を確認する必要があります。実行前の問題と、実行後の反応を分けてください。

この方法で厳密な効果が証明されるわけではありません。少なくとも、何を試したかを残し、助言を入れ替えるだけで作業が進まない状態を見直すための整理になります。

結果が違ったときは、実際に行ったことを戻す

結果が違ったら行ったことを相談へ戻す図

助言を試して思ったような反応がなかった場合、「この人の方法は駄目だった」と結論を急がないようにします。実際に行った作業と、助言の内容がどう対応していたかを確認します。

同時に、うまくいかなかった理由を全部自分の理解不足や努力不足にしないことです。必要な前提が共有されていなかった、方法が対象に合わなかった、まだ判断できる情報がないなどの可能性もあります。

相談へ戻すなら、変更前と変更後、実施した時期、確認できた反応、まだ不明な点を示します。その情報があれば、同じことを続けるか、調整するか、別の案を考えるかを検討できます。

よい反応があった場合も、一回だけでどんな状況にも使える方法だとは決めません。どんな条件で何が起きたかを残します。別の時期や対象へ使うときに、その条件を確認できます。

私は、助言を使うことは、誰かの答えを持ち帰るだけではなく、理由を理解し、自分の状況で確かめ、次の判断へ戻すことまで含むと考えています。

意見を増やす前に、今の未確認事項を見る

意見を増やす前に未確認事項を見る図

迷うたびに新しい意見を探すと、情報は増えても、前の疑問が残ったままになることがあります。次の人へ聞く前に、今何が分かれば選べるかを一つ書いてみてください。

目的が違うのか、必要条件が分からないのか、実行する時間を決められないのか。その問いが書ければ、既存の相談相手に確認する、自分の記録を見る、範囲を決めて試す、といった方法を選べます。

新しい視点が必要な場合もあります。ただ、不安がなくなるまで賛成の意見を集めることと、判断に足りない情報を得ることは分けて考えます。

助言者の実績は背景の情報になりますが、それだけで現在の自分への適合が確定するわけではありません。説明された根拠と条件を見て、必要な問いを残してください。

まとめ:結論より、目的と前提を比べる

結論より先に目的と前提を比べる図

助言が食い違ったら、同じ問いへの回答かを確認し、共有した情報、目的、前提、具体的な変更、見たい反応を並べます。不明な点を聞き、試す範囲と見直す時点を決めてください。

まず、迷っている二つの助言について「何を変える話か」を一文ずつ書いてみましょう。違う場所への助言なのか、同じ場所で見解が違うのかが分かると、次に確認することも具体的になります。

よくある質問

同じ状況を伝えても、助言が分かれる場合は?

何を優先しているか、どんな条件でその案が合うと考えているかを聞きます。違いを消すために全部を混ぜず、自分の目的と実行条件へ照らして一つの試し方を選びます。判断を保留して追加確認する選択もあります。

選ばなかった助言者へ、必ず説明すべきですか?

継続して支援を受け、進行を共有する関係なら、今回は何を試すかを伝える意味があります。一度意見を聞いただけの相手へ、すべて報告する必要があるとは限りません。相談の約束や関係に合わせて考えます。

助言の通りにできなかったら、相談しにくいです。

どこまで行い、どこで止まったかを具体的に伝えられます。実行できなかったことも、条件や説明を調整する材料です。良く見せるために、未実施の作業を行ったことにしないでください。

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この記事を書いた人

株式会社マインドコーチ 代表取締役 安達慎一

本業を続けながらコーチングを仕事にしたい方に、商品づくりと販売の道筋を支援しています。個別相談800人超・セッション6,000時間超。

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