なぜ、商品が売れないのか——選ばれる理由は商品ではなく、お客様との信頼関係から生まれる

なぜ、商品が売れないのか——選ばれる理由は商品ではなく、お客様との信頼関係から生まれる

なぜ、商品が売れないのか。選ばれる理由がないからです。似た商品がすぐに比べられる今、安くしても、それだけでは選ばれる理由になりません。選ばれる理由は、商品の説明からではなく、お客様との信頼関係から生まれます。

この記事では、Xに書いた投稿の全文、売れないときに起きていること、選ばれる理由が信頼関係から生まれるわけ、信頼関係が積み上がっていく単位、信頼関係ができる順番、そして自分の商品が似ているかの確かめ方を、順番に書きます。

目次

先日、私はXにこう書きました——商品が売れない理由

同じ箱の前で手を止めて迷う人の図

先日、私はXに、次の文章を書きました。そのまま載せます。

なぜ、商品が売れないのか

理由は簡単で「選ばれる理由がない」からです。

あなたの商品はあなた以外の人が売っている商品と似ていませんか?

もし、ライバルが同じような商品を売っているとしたら、ライバルの商品が買われています。

つまり、あなたから買いたいとか、あなたの商品だから買うという人がいないと商品は売れません。

今の時代、すぐに商品を比べられます。

そうして自分に合った商品を選びます。

その自分に合った商品ではない場合、商品が安くても売れません。

これが商品が売れない理由です。

では、どうやったら選ばれる商品にすることができるのでしょうか?

一番簡単なのがお客様との信頼関係を作るということです。

信頼関係が出来上がれば、お客様はあなたの商品を選んでくれます。

これが商品が売れる理由になります。

このことをしっかり理解して、信頼関係の構築を最優先に頑張ってくださいね。

投稿では、言い切る形で書きました。本文では、信頼関係ができれば売れる、とまでは言いません。選ばれやすくなる、説明が短くて済むようになる、という言い方で書きます。

この投稿を、順番にほどきます。先に書いておくと、これは似た商品を作ってしまった人を責める話ではありません。同じことを学べば、同じような商品になるのは自然なことです。値段を下げてみた人を責める話でもありません。売れないときに、手の届くところから直そうとするのは、誰でもすることです。この記事で書きたいのは、その先に、もう一つ見る場所がある、ということです。

売れないのではなく、選ばれていない——比べられる時代に、安さは理由にならない

値札より奥に立つ人の方を見る人の図

投稿の2行目に、私はこう書きました。「理由は簡単で「選ばれる理由がない」からです」。3行目では、読む人に問いかけました。「あなたの商品はあなた以外の人が売っている商品と似ていませんか?」。

商品が売れないとき、私たちは「売れない」と言います。けれど、お客様の側から見ると、起きているのは別のことです。お客様は、並んでいる商品の中から一つを選んでいます。選ばれたのが、自分の商品ではなかった。売れないのではなく、選ばれていないのです。

このことは、なぜ、高額商品が売れないのか(記事052)で書きました。その記事では、お客様は買っていないのではなく、ライバルの商品を選んでいて、値段が上がるほど選ぶ理由はシビアになる、と書いています。ここでは繰り返しません。この記事で見たいのは、比べられたあとに、お客様の手元に何が残るか、です。

投稿の6行目から8行目には、こう書きました。「今の時代、すぐに商品を比べられます」。「そうして自分に合った商品を選びます」。そして、「その自分に合った商品ではない場合、商品が安くても売れません」。

比べることは、お客様にとって当たり前の手間になりました。気になる商品があれば、同じ悩みを扱う商品を、その場でいくつも並べて見られます。並べたときに、内容も、説明の言葉も似ていたら、どうなるか。お客様の手元に残る違いは、値段くらいしかありません。

そこで値段を下げると、確かに、並べたときの違いが一つできます。ただ、それは、もっと安い商品が並んだ時点で消える違いです。そして投稿に書いたとおり、自分に合った商品ではないと思われていれば、安くても選ばれません。お客様が探しているのは、安い商品ではなく、自分に合った商品だからです。

では、比べられたときに、値段のほかに何が残れば選ばれるのか。投稿の10行目で、私はこう問いかけました。「では、どうやったら選ばれる商品にすることができるのでしょうか?」。その答えを、次の章で書きます。

選ばれる理由は、商品の説明ではなく、信頼関係から生まれる——「この人から買いたい」が先

橋の上で封筒を受け取る二人の図

投稿の5行目に、私はこう書きました。「つまり、あなたから買いたいとか、あなたの商品だから買うという人がいないと商品は売れません」。そして11行目で、選ばれる商品にする方法を書きました。「一番簡単なのがお客様との信頼関係を作るということです」。

5行目の言葉を、もう一度見てください。「あなたから買いたい」は、商品の話ではありません。人の話です。「あなたの商品だから買う」も、商品の中身より先に、「あなたの」がついています。お客様が選ぶとき、先に決まっているのは「この人から」で、商品の中身は、そのあとに確かめられます。人が先で、商品の説明は後なのです。

身近な例で考えてみます。近くに病院がいくつもあっても、体調を崩したとき、私たちは前に話をよく聞いてくれた先生のところへ行きます。ほかの病院と設備や診療の説明を並べて比べてから、行く先を決めるわけではありません。家を出る前から、行く先は決まっています。先生の説明を聞くのは、診察室に入ってからです。

商品も同じです。この記事では、選ばれる理由を次の意味で使います。

選ばれる理由とは、商品の説明ではなく、お客様がすでにあなたから受け取ったものの積み重ね、です。

大事なのは、「すでに」というところです。選ばれる理由は、売る場面で説明して作るものではありません。お客様が商品を見る前に、もうできているものです。商品の説明は、選ばれる理由を作るためではなく、すでにできている信頼を、お客様に確かめてもらうためにあります。

このことは、昔から書いています。2019年に書いためんどくさがらず、信頼関係を作ることという記事で、私はこう書きました。「「信頼関係」さえ出来上がれば、「安達が言うんだったら間違いないから買うわ」と説明無しで商品を買ってくれたりします。」その記事では、信頼関係を作ることはとても大変で、ときにはめんどくさいと感じるときもある、とも書いています。

説明無し、と書きましたが、説明が要らなくなる、という意味ではありません。説明を聞く前に、聞く側の気持ちがもう決まっている、ということです。気持ちが決まっていれば、説明は、確かめるための短いもので済むようになります。

商品で選ばれようとする場合と、信頼関係で選ばれる場合を並べると、次のようになります。

比べるところ 商品で選ばれようとする 信頼関係で選ばれる
お客様が見るもの 商品の内容と値段 その商品を、誰が売っているか
比べられたとき 似た商品と並べられ、違いが値段に寄っていく 並べられても、「この人から」が先に決まっている
説明の長さ 違いを分かってもらおうとして、説明が長くなる すでに受け取ってもらったものがあるので、説明が短くて済む

左の列が悪いのではありません。商品の内容も値段も、お客様は見ます。ただ、左の列だけで選ばれようとすると、似た商品が並んだ時点で、違いを説明し続けることになります。右の列は、その説明の大半を、商品を見せる前に済ませている状態です。

個別相談800人超、セッション6,000時間超を重ねてきた今も、選ばれる理由は商品の説明より先に、お客様との信頼関係の側にある、という私の考えは変わっていません。

投稿に「一番簡単なのが」と書いたのは、楽だという意味ではありません。信頼関係を作るには、手間がかかります。ただ、やることははっきりしています。商品を作り直す前に、お客様との間にあるものを見ればいいのです。次の章では、その信頼関係が何で積み上がっていくのかを書きます。

信頼関係は、受け取ってもらった回数で積み上がる——出し惜しみしない

封筒が段になり上に旗が立つ図

信頼関係は、ある日まとめてできるものではありません。お客様があなたから何かを受け取るたびに、一つずつ積み上がります。記事を一つ読んでもらう。書いたことを一つ試してもらう。そのたびに、お客様の中で、この人の言うことは自分の役に立った、という経験が一回増えます。その回数の積み重ねが、信頼関係の高さになります。

買う前に受け取ってもらうものについては、なぜ、お客様が自分の商品を買わないのか(記事046)で書きました。その記事では、ニーズを叶えられる人はたくさんいて、その中から「この人から買おう」と決めてもらえるかどうかは、買う前にその人からどれだけの情報を受け取ったかで決まる、と書いています。ここでは繰り返しません。この記事で見たいのは、量ではなく回数、つまり、受け取ってもらうたびに越えている壁のほうです。

先ほどの記事では、信頼関係ができるまでにある壁を、3つの言葉で書いています。「読まない」「信じない」「行動しない」です。

一つ目は、読まない、という壁です。届けたものは、全部読まれるわけではありません。読まれないのは、お客様が悪いのではなく、まだ読む理由がないからです。この壁を一回越えるのは、お客様が自分のことだと思って、最後まで読んでくれたときです。

二つ目は、信じない、という壁です。読んでもらえても、書いてあることが自分にも当てはまると思ってもらえるとは限りません。この壁を一回越えるのは、読んだことが、お客様自身の経験と重なったときです。

三つ目は、行動しない、という壁です。信じてもらえても、やってみるところまで進むのは、また別のことです。この壁を一回越えるのは、書いたことをお客様が一つ試して、何かが変わったときです。

この3つの壁を、お客様は一度に越えるのではありません。読んで、少し信じて、一つ試して、また読む。それを繰り返すうちに、壁の手前で止まることが減っていきます。信頼関係が積み上がる、というのは、このことです。

だから、出し惜しみはしないことです。先ほどの記事でも、出せるスキルはすべて出す、と書いています。出し惜しみすると、受け取ってもらう一回一回が軽くなります。軽い一回は、壁を越える一回になりにくいのです。何をどこまで出すか迷ったら、お客様が自分で試せるところまで書く。そこまで書いてあれば、三つ目の壁を越える一回になる見込みが残ります。

出し惜しみをしてしまうのは、自然なことでもあります。全部出したら、商品を買ってもらう理由がなくなるのではないか、と考えるからです。けれど、受け取ったものが役に立った人ほど、次も受け取りたいと思うものです。出した分だけ減るのではなく、出した分だけ、次を受け取ってもらう理由が増えていきます。

信頼関係ができる順番——知ってもらう、読んでもらう、返事をもらう、相談を受ける、契約

五つの足跡に順番の印が並ぶ図

受け取ってもらう回数が積み上がっていくとき、信頼関係には順番があります。先ほどの記事では、契約までの流れを、見つけてもらう、もしくは知ってもらう、興味を持ってもらう、必要だと思ってもらう、信頼関係を作る、商品を契約してもらう、の順に書いています。今の言葉で言い直すと、次の5段です。

  1. 知ってもらう
  2. 読んでもらう
  3. 返事をもらう
  4. 相談を受ける
  5. 契約

1段目は、知ってもらうことです。お客様が、あなたの名前や書いたものに、初めて出会う段です。ここで積まれる信頼は、まだ小さなものです。こういう人がいる、と覚えてもらえた、という一回です。

2段目は、読んでもらうことです。一つ読んで、もう一つ読む。ここで積まれるのは、この人の書くものには自分のことが書いてある、という一回です。前の章の、読まない壁と信じない壁を越えた回数は、ここに積み上がります。

3段目は、返事をもらうことです。読んだ人が、感想や質問を送ってくれる。ここは、お客様が初めて、自分からあなたに向かって動く段です。読むだけなら一方通行ですが、返事が来たところで、やり取りになります。積まれるのは、この人に話しかけてもいい、という一回です。

4段目は、相談を受けることです。やり取りが重なると、お客様は、自分の悩みそのものを話してくれるようになります。悩みを話すことは、信じていない相手にはできません。ここで積まれるのは、この人になら話せる、という一回です。

5段目が、契約です。ここまでの段を通ってきたお客様にとって、商品の説明は、最後の確認になります。前の章で書いたとおり、説明が短くて済むのは、ここまでの4段で、すでに受け取ってきたものがあるからです。

この順番で大事なのは、段を飛ばさないことです。知ってもらったばかりの人に、いきなり商品の説明をすると、2段目から4段目が抜けたまま、5段目をお願いすることになります。そのとき、お客様が比べられるのは、商品の内容と値段だけです。先ほどの表の、左の列に戻ってしまうのです。

もう一つは、3段目を軽く見ないことです。返事は、届けたものの数に比べれば、多くはありません。けれど、読んだ人が自分から動いた一回は、読まれただけの一回より、ずっと重いものです。返事をくれた人に、ていねいに返す。その一回一回が、4段目につながっていきます。

自分の商品が「似ている」かを確かめる——説明から名前を抜いても、誰のものか分かるか

名前の欄が空白の説明の紙を持つ人の図

ここまで、信頼関係の側から書いてきました。最後に、商品の側を見ておきます。投稿の3行目に書いた「あなたの商品はあなた以外の人が売っている商品と似ていませんか?」という問いに、自分で答えてみるための確かめ方です。

先に書いておくと、似ていること自体は、悪いことではありません。同じ先生に習い、同じ本を読めば、同じ言葉で説明するようになります。似ていると分かったら、そこから信頼関係の側で違いを積み上げていけばいいのです。確かめるのは、次の3つです。

  • 商品の説明から、自分の名前と肩書きを抜いて読んでみる
  • 同じ言葉で商品を説明している人が、検索でどれだけ出てくるかを見る
  • お客様が「あなただから」と言ってくれた理由を書き出す

1つ目は、説明だけで、誰の商品か分かるかを見ます。名前と肩書きを抜いても、これはあの人の商品だ、と分かるなら、説明の中に、あなたがこれまで書いてきたことや、あなたの考え方が入っています。分からなければ、説明は商品の中身だけでできています。中身だけの説明は、ほかの人も同じ形で書けます。

2つ目は、自分が商品の説明に使っている言葉を、そのまま検索してみます。同じ言葉で説明している人がたくさん出てくるなら、お客様から見ても、その言葉は見慣れた言葉です。見慣れた言葉で説明された商品は、並べたときに見分けがつきません。

3つ目は、すでにお客様になってくれた人の言葉を見ます。なぜ、あなたを選んでくれたのか。そのときの言葉を思い出して、書き出してみてください。そこに商品の中身ではなく、記事を読んでいた、返事をもらった、話を聞いてもらった、という、あなたから受け取ってきたものが出てくるなら、それがあなたの選ばれる理由です。まだお客様がいない場合は、返事をくれた人の言葉で、同じことができます。

3つを確かめて似ていると分かったとき、選ばれる理由を一文にまとめる作り方は、なぜ、あなたの商品は選ばれないのか(記事023)で書きました。その記事では、選ばれる理由とは、同じ未来に連れて行ってくれる人が他にもいる中で、それでもあなたに頼む、とお客様が言える一文のことだと書き、その一文の作り方を書いています。ここでは繰り返しません。この記事で足しておきたいのは、その一文をお客様が信じてくれるのは、信頼関係の順番を通ってきたあとだ、ということです。

投稿の最後に、私は「信頼関係の構築を最優先に」と書きました。商品を直すことより先に、お客様との間に積み上がっているものを見てほしい、という意味です。

よくある質問

信頼関係ができるまで、どれくらいかかりますか。

時間で答えられる話ではありません。見るのは、時間ではなく、回数と順番です。同じ時間がたっても、受け取ってもらった回数が少なければ、信頼関係は積み上がりません。目安にするなら、いま自分とお客様の間が、5段のどこまで来ているかです。読んでくれる人はいるのに返事がないなら、3段目の手前にいます。次は、読んだ人が返事をしやすい書き方を考える番です。

フォロワーが少なくても、信頼関係は作れますか。

作れます。順番は、人数に関係なく同じです。人数が少なければ、一人ひとりから返事をもらい、その一人ひとりにていねいに返すことができます。3段目と4段目は、人数が少ないときのほうが、むしろ積み上げやすい段です。人数を増やすことと、信頼関係を積み上げることは、別のことです。

値下げは、選ばれる理由にならないのですか。

値下げで選ばれることは、あります。ただ、それは値段で選ばれたのであって、信頼関係で選ばれたのではありません。もっと安い商品が出てくれば、そちらが選ばれます。値段と選ぶ理由の関係は、記事052に書いたとおりです。値段を動かす前に、お客様との間に、受け取ってもらったものがどれだけあるかを見てください。

似た商品だと気づいたら、作り直すべきですか。

作り直す前に、説明と順番を見直してください。商品の中身が似ていても、説明の中にあなたの考え方が入り、お客様が5段を通ってきていれば、並べられたときの見え方は変わります。中身を変えるかどうかは、そのあとで決めても遅くありません。

選ばれる理由とは、商品の説明ではなく、お客様がすでにあなたから受け取ったものの積み重ね、です。商品が売れないのは、選ばれていないからで、似た商品がすぐに比べられる今、安さは選ばれる理由として長くは残りません。お客様の中では、この人から買いたい、が先に決まり、商品の説明はそのあとに確かめられます。信頼関係は、受け取ってもらうたびに、読まない、信じない、行動しない、の壁を一つずつ越えて積み上がり、知ってもらう、読んでもらう、返事をもらう、相談を受ける、契約、の順番でできていきます。商品を作り直す前に、自分の説明と、お客様との間にある順番を見てください。私の考え方の全体像は、マインドコーチとしてのコーチングの考え方にまとめています。

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この記事を書いた人

株式会社マインドコーチ 代表取締役 安達慎一

本業を続けながらコーチングを仕事にしたい方に、商品づくりと販売の道筋を支援しています。個別相談800人超・セッション6,000時間超。

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