なぜ、あなたの商品は選ばれないのか——ライバルと同じ商品なら、ライバルが選ばれる

なぜ、あなたの商品は選ばれないのか——ライバルと同じ商品なら、ライバルが選ばれる

なぜ、あなたの商品は選ばれないのか。答えを先に書きます。選ばれる理由がないからです。あなたの商品が、ライバルと同じような商品なら、お客様はライバルを選びます。先に売れている方か、安い方を選ぶからです。あなたの商品でないといけない理由があれば、高い商品でも売れます。エルメスのバーキンも、フェラーリも、エルメスやフェラーリでないと、あの値段では売れません。ここを理解しないと、ライバルと同じような商品を作り、同じような金額で売り、選ぶ理由がないから売れない、という順番に入ってしまいます。前回のなぜ、高額商品が売れないのかで、高額商品が売れない一つ目の理由は、お客様が手に入れる理想の未来が小さすぎるからだ、と書きました。今回は、二つ目の理由です。未来を大きくしても、同じ未来を掲げるライバルがいれば、選ばれません。その未来へ連れて行けるのが、なぜあなたなのか。今回は、ここを書きます。

目次

先日、私はXにこう書きました——あなたの商品が選ばれないのは、「選ばれる理由」がないから

同じ形の箱が三つ並ぶ棚の前で、どれを選べばいいか分からず首をかしげる人の図

先日、私はXとThreadsにこう書きました。なぜ、あなたの商品は選ばれないのか。理由は簡単で、選ばれる理由がないから。あなたの商品は、ライバルと比べて、選ばれる理由があるか。ライバルと同じような商品なら、ライバルが選ばれている。あなたの商品でないといけない理由が必要で、それがあれば、高い商品でも売れる。エルメスのバーキンもフェラーリも、エルメスやフェラーリでないと高く売れない。このことを理解しないと、ライバルと同じような商品を作り、同じような金額で販売してしまう。そうなると、選ぶ理由がないから売れなくなる。だから、高額商品が選ばれる理由を作ってください、と。

短い投稿なので、言葉を定義しておきます。

選ばれる理由とは、お客様が「同じ未来に連れて行ってくれる人が他にもいる中で、それでもあなたに頼む」と言える一文のことです。

大事なのは、「他にもいる中で」というところです。世の中に、あなた一人しかコーチがいないなら、選ばれる理由は要りません。しかし、実際には、同じような未来を掲げるコーチが、検索すれば何人も出てきます。お客様は、その何人かを並べて見ています。並べて見たときに、「この人でも、あの人でもいい」と思われたら、あなたは選ばれません。あなたでも、ライバルでもいいのであれば、あなたから買う理由がないからです。私は2021年に、あなたから買う理由がありますか?という記事で、同じことを書いています。5年経ちましたが、この構造は変わっていません。

個別相談800人超、セッション6,000時間超の記録の中で、「商品はあるのに売れない」という相談に、私は必ず同じ質問をします。「その商品は、ライバルと比べて、どこが違いますか」。すると、多くの場合、商品の説明が返ってきます。何回のセッションで、どんな手法を使い、どんなサポートがついているか。しかし、それは商品の説明であって、選ばれる理由ではありません。同じ説明を、ライバルもしているからです。選ばれる理由とは、「ライバルではなく、あなた」を選ぶ理由です。商品の説明を、どれだけ丁寧にしても、その理由にはなりません。

投稿でエルメスとフェラーリを出したのは、金額の話をしたかったからではありません。順番の話をしたかったからです。バーキンは、物を入れる袋としての機能で見れば、あの値段の説明はつきません。フェラーリも、移動の手段として見れば、あの値段の説明はつきません。それでも売れているのは、「エルメスでないといけない」「フェラーリでないといけない」理由を、売る側が作り、守ってきたからです。理由があるから、高くても売れる。この順番です。高くしたから理由ができたのではありません。私のセッションで、原則の形で書きます。価格を上げることに抵抗のある方に、私はよく「では、フェラーリは誰が買うのですか」と聞きます。買う人がいるから、売っているのです。安くないと売れない、と思い込んでいる間は、価格を上げる前に、「あなたでないといけない理由」を作る作業に、手がつきません。

なぜ、ライバルと同じ商品なら、ライバルが選ばれるのか——同じなら、先に売れている方か、安い方が選ばれる

同じ箱を載せた天秤が、リボンの付いた側(先に売れている方)へわずかに傾く図

ここで、なぜ「同じなら、ライバルが選ばれる」のかを、説明しておきます。

家電で考えると分かりやすいと思います。同じメーカーの、同じ型番のテレビは、どの店で買っても、届くものは同じです。だから、みなさん、少しでも安い店で買います。当たり前のことです。中身が同じなら、比べられる要素は、価格しか残らないからです。私は2020年に、ライバルと違う商品内容ですか?という記事で、この話を書きました。コーチングの商品も、見た目上、同じような商品なら、価格の安い方が選ばれます。もう一つ、先に売れている方も選ばれます。同じ商品なら、レビューが多い方、実績が多く見える方に、お客様は安心して払うからです。後から同じ商品を出したあなたは、価格でも実績でも、先にいるライバルに勝てません。

コーチングの商品で、「同じ商品」とはどういうことか。たとえば、「傾聴と質問で、あなたの目標達成を支援します。月2回、半年で12回のセッションです」という商品です。この説明で、あなたの商品だと分かる人はいません。同じ説明の商品が、検索すれば何十件も出てきます。お客様から見ると、これは、同じ型番のテレビです。だから、価格と実績で比べられ、先に売れているライバルか、安いライバルが選ばれます。

私のセッションで、原則の形で書きます。「誰から教えても同じに見える内容」を売っていると、お客様は、値段の安い方を選びます。そのとき、お客様の頭の中で起きているのは、「この人に、この金額を払う価値があるか」という問いです。誰から教えても同じなら、その人に払う理由がないので、安い方に流れます。だから、価格を決める前に、まず、その金額を払う価値を用意しなければなりません。その価値とは、ここまでの連載で書いてきた、お客様の理想の未来を叶えることです。そして今回の話は、その一段先です。同じ未来を叶える人が他にもいるときに、なぜあなたなのか。ここが用意できていないと、未来が大きくても、価格で比べられます。

もう一つ、売れていない時期に起きやすいことがあります。売れている商品を真似して、商品を作ることです。真似すること自体は、悪くありません。売れている商品を参考にするのは、正攻法です。しかし、そのまま同じにしてしまうと、真似された側が選ばれます。先にいて、先に売れているからです。参考にするところまではよくて、中身は変えなければなりません。中身が同じなら、真似した瞬間に、「先に売れている方が選ばれる」構造の中に、自分から入ることになります。

前回、理想の未来を大きくする話を書きました。あれは、売れるための一つ目の条件です。ただ、未来を大きくすれば、それで選ばれるわけではありません。「コーチングで生活できるようになる」という未来を掲げているのは、私だけではないからです。同じ未来を掲げる人が複数いれば、お客様はその中から選びます。そのときに、「なぜあなたなのか」が一文で言えなければ、選ばれません。未来の大きさと、選ばれる理由。この二つは、別のものです。両方が要ります。

「差別化」の誤解——詳しく書く・機能を足す・安くする・資格を並べるは、違いにならない

部品を積み上げてぐらつく箱と、土台のある飾りのない箱の対比図

「選ばれる理由を作ってください」と言うと、多くの方が、差別化という言葉を思い浮かべます。そして、差別化のつもりで、違いにならないことをやってしまいます。ここは、私が繰り返し見てきたところなので、先に整理しておきます。

一つ目は、詳しく書くことです。私のセッションで、原則の形で書きます。ある方が、自分の専門分野について、発信を続けていました。中身は分かっているので、いくらでも詳しく書けます。しかし、私は「詳しく書いても、差別化にはならない」と伝えました。詳しく書けば書くほど、読んだ人は「これは、どこかで読んだ」と感じるからです。情報は、すでに溢れています。詳しさで勝負すると、本や、動画の定額サービスと比べられます。そうなると、「それなら安い方でいい」になります。中身を深く、詳しくするほど、かえって違いがなくなる、ということが起きます。

二つ目は、機能を足すことです。セッションの回数を増やす、チャットのサポートをつける、資料を増やす、特典を足す。私自身も、売れない時代に、サービスを手厚くしました。売れませんでした。手厚さは、ライバルも同じように足せるからです。足した分だけ、こちらの手間は増えますが、お客様から見た違いは増えません。

三つ目は、安くすることです。売れないから値段を下げる。これは、いちばんやってはいけないことです。値段を下げると、商品の価値が、お客様の目にはどんどん低く映ります。そうなると、ますます選ばれなくなります。2021年のあなたから買う理由がありますか?にも書きましたが、やるべきことは、値段を下げることではなく、付加価値をつけることです。

四つ目は、資格を並べることです。認定資格、受講歴、学んだ流派。これも、お客様から見ると、ライバルのプロフィールに並んでいるものと同じです。資格は、あなたがコーチであることの証明にはなりますが、「ライバルではなく、あなた」を選ぶ理由にはなりません。

表にしておきます。左の列は、やること自体が悪いのではありません。左だけでは、違いにならない、という表です。

見るところ 違いにならないもの 違いになるもの
やること 詳しく書く・機能を足す・安くする・資格を並べる 誰の・どの場面の専門家かを決める・自分が通った道を添える・約束する到達点を絞る
お客様の目にどう映るか 「どこかで読んだ」「あの人と同じ」「量が多い」 「私のための人だ」「この人は、私の場面を分かっている」
ライバルが真似できるか できる。足せば同じになる しにくい。その人の通った道と、選んだ場面からしか出てこない
比べられる要素 価格と実績の数 「私の場面に合っているか」。価格は二の次になる
価格への影響 下がる。同じ商品なら安い方が選ばれる 上がる。その場面の専門家として、金額に理由がつく
こちらの手間 足すほど増える 絞るほど減る。書くこと、やることが決まる

左と右の違いは、量ではなく、向きです。左は、自分の商品を大きく見せようとしています。右は、お客様の側に立って、「この人は、私のための人か」という問いに答えようとしています。お客様が見ているのは、商品の量ではなく、自分のための人かどうかです。ここが分かると、詳しく書いたり、機能を足したりする手が、止まります。

違いの作り方——「誰の・どの場面の専門家か」を1枚かぶせて、「通った道」を添える

同じ形の鍵のうち、一枚かぶせた一本だけが錠前に合う図

では、違いはどうやって作るのか。私が受講生に伝えている作り方は、二つの部品でできています。一つ目は、「誰の・どの場面の専門家か」を、今の商品の上に1枚かぶせることです。二つ目は、「自分がその未来に連れて行った経験」、つまり自分が通った道を添えることです。

一つ目から書きます。私のセッションで、原則の形で書きます。英語のコーチをしている方がいました。英語のコーチは、世の中にたくさんいます。「英語コーチです」では、選ばれる理由がありません。その方のお客様には、医師が多かった。そこで私は、「医師向けの英語コーチ」という専門性を、1枚かぶせるように伝えました。中身の英語は、同じです。教えることも、大きくは変わりません。それでも、「ただの英語コーチ」と「医師向けの英語コーチ」では、医師から見た選ぶ理由が、まるで違います。医師が買っているのは、英語そのものではなく、「診察室で、患者さんにこう言うとき、英語でどう言うか」だからです。その場面を分かっている人に、頼みたいのです。専門性を1枚かぶせるだけで、同じ英語でも、選ばれる理由が生まれます。

なぜ、絞ると選ばれるのか。理由は、お客様の側にあります。お客様は、自分と同じ職業の人、自分の場面を理解している専門家に、分かってもらいたいのです。場面を知らない人に頼むと、まず自分の状況を説明するところから始めなければなりません。その労力を、お客様は払いたくありません。だから、「私の場面を、最初から分かっている人」を選びます。将来的には、どんな人にも教えられるようになるかもしれません。しかし、生活が安定するまでは、絞った方が、お客様に伝わりますし、自分も話しやすいのです。

他の業種でも、同じ順序で違いが作られています。原則の形で書きます。あるお店は、コーヒー豆を焙煎して売っていました。焙煎して売る店は、たくさんあります。そのお店は、次に、産地を専門にしました。地域ごとの味を全部語れて、お客様の好みを聞けば「あなたなら、これです」と提案できる。当たれば、その人は通い続けます。その先に、自分の店だけのブレンドがあります。焙煎、産地の専門、自分だけのブレンド。この順序で、少しずつ、「この店でないといけない理由」が積み上がっていきます。最初から、自分だけのブレンドを作ろうとしなくていいのです。まず、誰の・どの場面の専門家かを決める。そこからです。

もう一つ、原則の形で書きます。ある施術をしている方は、施術だけを売っていました。施術だけなら、同じ技術を持っている人なら、誰がやっても同じに見えます。私が伝えたのは、施術の前に、30分のヒアリングを足すことでした。相談を聞き、体の状態だけでなく、その人の生活まで聞いてから施術する。施術で楽になり、そのうえで一つ加わる。これだけで、違いが一段できます。価格は、それまでの3倍ほどになりました。技術を変えたわけではありません。誰の、どの場面に向けた商品かが、一段はっきりしただけです。

二つ目の部品が、通った道です。「医師向けの英語コーチ」と名乗るだけでは、まだ足りません。「なぜ、あなたが医師を英語で連れて行けるのか」に答えられなければ、お客様は安心して払えません。ここに、自分が通った道を添えます。医師と長く仕事をしてきた、自分が医療の現場にいた、医師のお客様を何人も教えてきた。どれでもいいのですが、その場面を、自分が通ってきたことが要ります。私の場合で言えば、私は、コーチングで稼げなかった時代から、稼げるようになるまでの道を、自分で通ってきました。だから、「稼げていないコーチが、コーチングで生活できるようになる」ことの専門家だと名乗れますし、「なぜあなたなのか」と聞かれたら、通った道を話せます。選ばれる理由の後ろ半分は、いつも、この通った道です。

ここまでを、名乗り、つまりポジションの一文にどう写すかは、集客を始める前に決めるべき「ポジション」に書きました。あちらは、決めた商品をお客様の言葉に翻訳する、言葉の側の話です。今回は、その手前の、商品そのものの側の話です。商品に、「誰の・どの場面の専門家か」と「通った道」が入っていなければ、翻訳しても、旗に書くことがありません。

選ばれる理由を一文にする手順——「同じ未来に連れて行く人が他にもいる中で、それでもあなたに頼む」の一文を作る

並んだ人型の中から自分だけを丸で囲み、連れて行く先への一本道を描くノートの図

では、実務です。私の講座で受講生にお願いしている順番を、原則の形で書きます。紙とペンと、検索できるものがあれば、1時間ほどでできます。

  1. 今の商品の到達点(理想の未来)を、一文で書く。前回の理想の未来を大きくする手順で書いた一文です。まだなら、先にそちらを書きます。「コーチングで生活できるようになる」のように、生活や仕事の変化まで書けているものが、ここでの出発点です
  2. 同じ未来を掲げているライバルを、3人書き出す。検索して、実際にいる人を出します。「自分と同じことを言っている人は、いない」と思っている方ほど、ここで何人も見つかります。見つかることが、悪いのではありません。それが普通です
  3. その3人と、自分の商品を、並べて読む。到達点、回数、手法、サポート、価格。並べてみて、違いが「詳しさ」「回数」「価格」にしかないなら、まだ、同じ商品です。ここで正直に認めることが、いちばん大事です
  4. 「誰の・どの場面」を、1枚かぶせる。自分が、いちばん力になれる人は誰か。その人が、どんな場面で困っているか。自分が通ってきた道の上にいる人を選びます。「稼げていないコーチ」ではなく、「本業を続けながら、初めての有料契約がまだ取れていないコーチ」のように、場面まで書きます
  5. 到達点の一文を、その人の場面の言葉で書き直す。1で書いた未来を、4で決めた人が、自分の言葉で言うとどうなるか。「コーチングで生活できる」を、その人の場面に置き直します
  6. 「なぜ、私がその未来に連れて行けるのか」を、通った道で一文にする。「私も、その場面にいた」「その道を、こう通ってきた」。実績の数ではなく、通った道を書きます
  7. 一文に組んで、確かめる。「(誰)が(未来)を手に入れるなら、私です。なぜなら、(通った道)だからです」。この一文を、理想のお客様に近い人に見せて、「他にもいるけれど、あなたに頼む」という反応が返ってくるかを確かめます。返ってこなければ、4か6が弱いので、戻ります
  8. ここまで決まってから、価格を決める。本業化の手順で書いた、3番目の手順です。ライバルと同じような金額にしないでください。選ばれる理由があるなら、同じ金額にする理由がありません

この手順で大事なのは、2と3を、飛ばさないことです。ライバルを見るのは、気が進まないものです。見ると、自分の商品が同じに見えて、落ち込みます。しかし、お客様は、あなたが見ようと見まいと、並べて見ています。こちらが先に並べて見ておけば、どこを変えれば違いになるかが、はっきりします。

私のセッションで、原則の形で書きます。ある方は、自分の専門分野で、「続かないなら、スクールに行きましょう」「先生をつけましょう」といった内容を発信していました。本人も、「調べると同じ情報が溢れていて、自分の記事は差別化できていない」と気づいていました。私が伝えたのは、もっと詳しく書くことではありません。その人が通ってきた道からしか見えない、新しい提案に変えることです。「しんどいなら、やめて、こちらに来た方がいい」と言えるのは、その道を通った人だけです。同じ情報を詳しく書くのではなく、気づいていない可能性を、通った道から見せる。それが、その人でないといけない理由になります。

差別化ができていても、稼げないことがある——選ばれる理由は、順番の中の一段

一枚だけ磨かれた歯車があっても、欠けた歯車があれば全体が回らない図

最後に、一つ、書いておかなければならないことがあります。選ばれる理由ができれば、それで売れる、というわけではありません。差別化はできているのに、稼げていない人がいます。

私のセッションで、原則の形で書きます。ある方は、体の一部分に専門を絞って、施術をしていました。その部分の専門家として、やることも絞っている。差別化は、できています。それでも、稼げていませんでした。理由は、選ばれる理由の側にはありませんでした。価格を上げられない、お金のブレーキがあったのです。選ばれる理由があるのに、ライバルと同じような金額で売っていた。これでは、選ばれる理由が、価格に反映されません。この方に必要だったのは、差別化をやり直すことではなく、選ばれる理由に見合う価格をつけ、そこに一つ加えることでした。

ここまでの連載を、順番で並べると、こうなります。毎月、計画的に利益が出る形を持っていること。いつまでにプロになると決めて、価格を決めること。お客様が高額を払ってでも欲しい理想の未来を商品にしていること。そして今回の、その未来へ連れて行くのが、なぜあなたなのか、が一文で言えること。この四つは、足し算ではなく、掛け算です。どれか一つがゼロなら、他が揃っていても、売上はゼロに近くなります。差別化ができているのに稼げていない人は、今回の一段はできていて、別の一段がゼロなのです。逆に、毎月の形も覚悟も未来もあるのに売れない人は、今回の一段がゼロです。自分が、どの一段で止まっているか。ここを見るために、連載を順番に書いています。

だから、選ばれる理由ができていない方を、責めるつもりはありません。ここまで来ている人は、すでに商品を持ち、未来を書き、価格を決めようとしています。その先に、もう一段あった、というだけです。逆に、選ばれる理由ができている方も、それで終わりではありません。掛け算の他の項を、見てください。

まとめます。なぜ、あなたの商品は選ばれないのか。選ばれる理由がないからです。選ばれる理由とは、お客様が「同じ未来に連れて行ってくれる人が他にもいる中で、それでもあなたに頼む」と言える一文のことです。ライバルと同じような商品なら、先に売れている方か、安い方が選ばれます。詳しく書く、機能を足す、安くする、資格を並べる、は違いになりません。違いになるのは、「誰の・どの場面の専門家か」を1枚かぶせることと、自分が通った道を添えることです。エルメスもフェラーリも、「そこでないといけない理由」があるから、高くても売れています。もしいま、あなたの商品の説明が、ライバルの商品の説明と入れ替えても通じるなら、今日、同じ未来を掲げているライバルを3人、検索して並べてみてください。並べたときに見える「同じところ」が、あなたが1枚かぶせる場所です。

よくある質問

ライバルと商品がかぶっています。今の商品を、一から作り直す必要がありますか。

ありません。中身を捨てる必要はなく、上に1枚かぶせるだけです。医師向けの英語コーチの例で言えば、英語の中身は変えていません。変えたのは、「誰の・どの場面」だけです。今の商品の到達点はそのままに、自分がいちばん力になれる人と、その人の場面を決め、到達点をその人の言葉で書き直す。それで、同じ中身でも、別の商品に見えます。作り直すより、絞る方が、早くて、確実です。

「誰の・どの場面」を絞ると、お客様が減りませんか。

減るのは、「比べる人」です。絞る前に集まっていたのは、あなたとライバルを並べて、価格で比べる人でした。その人たちは、もともと、あなたを選んでいません。絞ると、「私の場面を分かっている人だ」と感じた人が、比べずに来ます。人数は減るように見えて、契約になる人は増えます。生活が安定してから、対象を広げることは、いつでもできます。最初から広く構えると、誰からも「私のための人」と思ってもらえません。

実績がまだ少ないのに、「私でないといけない」と言っていいのですか。

言ってかまいません。選ばれる理由の後ろ半分は、実績の数ではなく、通った道だからです。「何人を連れて行きました」と言えなくても、「私は、その場面にいて、この道を通ってきました」は言えます。お客様が知りたいのは、人数より、「この人は、私の場面を本当に知っているか」です。通った道を、正直に、具体的に書いてください。盛る必要はありません。盛ると、来た人が、途中で気づきます。

同じ商品なら安い方が選ばれるのですから、安くした方がいいのではないですか。

同じ商品なら安い方が選ばれる、というのは事実です。だからこそ、同じ商品のままでいてはいけない、というのが、この記事の話です。安くすると、その場では選ばれるかもしれません。しかし、価値が低く映り、次はもっと安い人に流れます。安さで選ばれた人は、安さで離れます。やるべきことは、値段を下げることではなく、「あなたでないといけない理由」を作って、その理由に見合う価格をつけることです。ライバルと違う商品なら、価格で比べられません。

選ばれる理由と、ポジション(名乗り)は、何が違うのですか。

選ばれる理由は、商品の側にあります。「誰の・どの場面の専門家か」と「通った道」が、商品の中に入っていることです。ポジションは、それをお客様が見つける言葉に翻訳した、旗の側です。順番は、商品に選ばれる理由を入れるのが先で、名乗りはその翻訳です。商品に理由がないまま名乗りだけを工夫しても、旗の下に案内する商品が、ライバルと同じに見えます。名乗りの決め方は、集客を始める前に決めるべき「ポジション」に書きました。今回の記事で商品の側を決めてから、あちらで言葉に写してください。

この記事の内容を、あなたのビジネスに当てはめて実践したい方へ。メールで課題を出し、私が直接添削する無料講座をやっています。読むだけの講座ではないので、本気の方だけどうぞ。
コーチングを本気で仕事にするメルマガ講座(各回メールコンサル付き)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

株式会社マインドコーチ 代表取締役 安達慎一

本業を続けながらコーチングを仕事にしたい方に、商品づくりと販売の道筋を支援しています。個別相談800人超・セッション6,000時間超。

目次