コーチングの紹介はどう頼む?本業を続けながら、必要な人に届く案内を整える

コーチングの紹介はどう頼む?本業を続けながら、必要な人に届く案内を整える

コーチングを仕事として育てたいけれど、発信だけでは相談につながらない。知人やセッションを受けた方に「誰かいたら紹介してください」と伝えても、その後の話が来ない。そんなとき、人脈が少ないことを原因にしていませんか。

紹介をお願いするときに整えたいのは、知り合いの数だけではありません。誰のどんな状況に役立つ支援なのか、何を渡せばよいのか、その後に何が起きるのか。この三つを、紹介する人が迷わず説明できる形にすることです。

紹介は、相手の人間関係を使って契約を取る仕組みではありません。必要かもしれない人に情報を届け、本人が相談するかどうかを選べる入口です。今回は、本業を続けながらコーチングを提供する方に向けて、その入口の作り方をお伝えします。

目次

「誰か紹介してください」では、相手が判断を引き受けることになる

「誰か紹介して」と言われ、誰を指せばいいか分からず大勢を思い浮かべて迷う人の図

あなたを応援している人でも、「誰か」と言われただけでは、誰に声をかければよいか分からないことがあります。「コーチングに興味がある人」という説明も、コーチングを知らない人には想像しにくいかもしれません。

紹介する側は、知人に合うか、どこまで説明すればよいか、後から強く勧められないか、といった点を気にすることもあるでしょう。単に名前をつなげば終わりとは考えていない場合があります。

そこで必要なのは、紹介を頼む回数を増やすことより、判断に必要な情報を渡すことです。「誰でも相談できます」よりも、相談が役立ちそうな場面を具体的に示します。

例えば、「自分を変えたい人」では広すぎても、「仕事を引き受けすぎて、自分が優先したいことを整理できずにいる人」なら、どんな場面を扱うかが見えます。これは対象の表現例であり、実際には自分が支援できる範囲に合わせてください。

対象を具体化することは、紹介する人に知人の悩みを診断してもらうことではありません。該当しそうだと思ったら、本人が案内を読んで判断できるようにするためです。

紹介してほしい人を、属性だけで説明しない

同じ服装でも、抱えている状況(書類の山・分かれ道・話したいこと)が違う三人の図

「四十代の会社員」「子育て中の人」といった属性は、対象を考える材料になります。しかし、それだけでは、なぜ今コーチングの案内を届けるのかが分かりません。

同じ会社員でも、仕事の進め方に困っている人、今後の働き方を考えている人、特に相談を求めていない人がいます。属性が合うことと、支援が必要なことは別です。

紹介用の説明では、今いる状況と、整理できることを組み合わせます。「転職すべきかを決められない人へ」と言う場合も、転職の正解を教える支援なのか、判断するときに大切にしたい条件を整理する支援なのかで、内容は違います。

実際には提供していない助言まで期待されないよう、何をする時間なのかを添えてください。望む未来を伝えることと、その結果を保証することも区別します。

また、紹介してほしくない相談を人の価値で表現しないことです。「本気ではない人は不要」ではなく、「このテーマは扱っていない」「この時間帯には対応できない」と、提供条件として説明できます。

相手を選別する強い言葉よりも、合う支援と合わない支援が分かる情報を用意する。その方が、紹介する人も無理な約束をせずに済みます。

渡してもらうものを、一つに決める

たくさんの資料を渡して困らせる手と、一枚の案内だけを渡す手の対比図

紹介を頼むとき、プロフィール、ブログ、募集ページ、SNSなど、いくつものリンクを送っていませんか。資料が多いと、どれを知人に見せればよいかを相手に決めてもらうことになります。

まずは、紹介された本人が最初に読む案内を一つ決めます。そこで、誰向けか、何を提供するか、費用や時間、次に何をすればよいかを確認できるようにします。

最初の入口がメール講座なら、何が届くか、課題への取り組みがあるか、その先に有料の案内があるかを説明します。体験セッションなら、その時間で行うことと、申し込み条件を示します。

大切なのは、紹介した人が、あなたの代わりに詳しい営業説明をしなくてもよいことです。詳しい内容は案内先で確認でき、分からない点は本人からあなたへ聞ける形にします。

紹介用の短い文章と、詳細の案内先を組み合わせてもよいでしょう。文章は、あなたが提供していることを事実として書きます。まだ受けたことがない知人に、「この人のコーチングで人生が変わりました」といった推薦文を言ってもらうものではありません。

依頼文は、紹介しない選択ができる形にする

封筒を受け取った人の前に、渡す道とそのままの道の二つの扉が開いている図

紹介をお願いすること自体を、悪いことだと思う必要はありません。ただ、断りにくい関係を利用すると、本人が望んでいないつながりを作ってしまうことがあります。

依頼文には、対象と案内先に加え、「思い当たる人がいて、無理がなければ」という余地を残します。何人紹介してほしいかを一方的に割り当てたり、断られた理由を何度も尋ねたりしないことです。

例えば、次のような文面が考えられます。これは依頼文の仮の例です。

「仕事を抱え込みやすく、優先順位を整理したい方へ、対話を通じて取り組むことを考える支援をしています。もし身近に、こうした相談先を探している方がいれば、無理のない範囲でこちらの案内をお渡しいただけると助かります。ご本人から連絡いただく形なので、連絡先を教えていただく必要はありません。思い当たる方がいなければ、そのままで大丈夫です。」

実際に使う際は、支援内容と案内先を自分のものに置き換えます。この文面なら紹介が増えるという保証ではなく、相手が何をすればよいか、何をしなくてもよいかを明確にするための例です。

既存のお客様へ依頼する場合も、紹介の有無で今の支援が変わらないようにします。感謝しているなら紹介して当然、という関係にしないことが大切です。

仮の例:知人が説明を抱え込まなくてよい形に変える

知人が重い荷物を下ろし、本人が一枚の案内を読んでいる図

ここからは、案内の整え方を示す仮の例です。実際のお客様や、紹介が成功した事例ではありません。

本業を続けるコーチが、知人に「コーチングを受けたい人がいたら紹介して」と頼んでいたとします。知人から「何に困っている人なら合うの?」と聞かれても、「どんな悩みでも」と答えていました。

知人は、相談に困っている人を思い浮かべても、何を勧めることになるのか分かりません。そこで、このコーチは自分の支援の範囲を整理し、「頼まれた仕事を抱え込み、優先順位や引き受け方を考えたい人」と説明を具体化しました。

次に、案内ページへ、面談で整理すること、扱わないこと、時間と料金、申し込み方法をまとめます。知人には、そのページと短い説明文だけを渡します。

誰かに案内が届いても、その人が読むだけで終わることもあります。相談したいと思えば本人が連絡する。今回は必要ないと思えば、連絡しなくてもよい。その進み方まで知人に伝えておきます。

この例で変えたのは、知人へのお願いの強さではありません。誰に何を渡すかと、その後に知人が責任を負わなくてもよい仕組みです。紹介を考える前に、商品の説明が曖昧だったことに気づく場合もあるのです。

紹介された後も、本人の希望から始める

紹介者からの細い矢印より、本人の大きな吹き出しから話が始まる図

紹介された方から連絡があったとき、「紹介者から話は聞いています」と、支援内容を決めつけてしまわないようにします。紹介者が理解している悩みと、本人が相談したいことが同じとは限りません。

まずは、本人が案内のどこに関心を持ち、何を相談したいと思ったのかを確認します。紹介経由でも、提供内容や料金をあらためて説明し、本人が判断できるようにしてください。

「紹介してもらったから断れない」と感じている可能性にも配慮します。相談を受けたことと、その先の商品を申し込むことは別であり、合わなければ見送れると伝えます。

また、紹介者へのお礼と、相談内容の共有は別です。お礼のために、本人が話した悩みや契約の詳細を伝える必要はありません。何を共有してよいかが不明なまま、進捗を報告しないようにします。

紹介者の信頼は、話を聞いてみるきっかけにはなります。しかし、そこから先は、あなた自身の説明や対応を通じて関係を作っていく部分です。紹介だから説明を省ける、契約が決まっている、と考えないことです。

紹介がないときは、人間関係ではなく案内を点検する

人間関係ではなく、案内の紙を虫眼鏡で点検している図

紹介が来ないと、「応援されていないのか」「自分は信頼されていないのか」と考えてしまうかもしれません。しかし、紹介先が思い当たらないだけのこともあります。理由を確認せず、人間関係の評価に置き換えないでください。

振り返るなら、まず自分で直せる部分を見ます。対象が広すぎないか。何をする支援か分かるか。案内先に料金や手順があるか。紹介する人に、説明や説得を任せていないか。

案内を見てもらった知人に、もし負担でなければ、「どんな人向けか分かりにくいところはある?」と聞く方法もあります。「なぜ紹介してくれないの?」とは、確認することが違います。

本人から問い合わせがあった場合は、どの説明で関心を持ったか、どこが分からなかったかを、必要な範囲で振り返ります。人数だけでなく、案内と相談内容が合っていたかが、次の改善の材料になります。

ただし、数件の紹介がなかっただけで、商品全体が求められていないと結論づける必要はありません。紹介を頼んだ相手の周囲に対象者がいるかも分からないからです。分かったことと推測を分けて記録してください。

紹介は集客の一つ。待つだけの仕組みにしない

紹介・ブログ・募集ページの三つの支流が一本の川に合流する図

紹介は自分だけで発生時期や件数を決められるものではありません。次の売上をすべて紹介待ちにすると、いつ何を改善するかが見えにくくなります。

本業と両立するなら、紹介用に整理した説明を、ブログや募集ページにも生かせます。紹介者がいなくても、初めて読む人が自分に合うかを判断できる情報を持っておくことです。

交流の場に参加する場合も、名刺交換の人数だけを成果にせず、何を目的に参加するのかを考えます。相手も仕事の情報交換や学習など、別の目的で来ているかもしれません。出会った人を全員お客様にしようとしないことです。

私は、集客方法を増やす前に、自分の支援を他の人が説明できるかを確かめることに意味があると考えています。「コーチングをしています」の先を言葉にする作業は、紹介だけでなく、ビジネス全体の土台にもなるからです。

まとめ:紹介をお願いする前に、三つを用意する

短い説明・案内先・連絡の手順の三つの箱を確認している図

用意したいのは、「どんな状況の人に役立つか」という短い説明、「本人が内容を確認できる案内先」、「本人から連絡でき、見送ることもできる手順」の三つです。

三つが揃っていれば、紹介する人があなたの代わりに売り込む必要はありません。相手のつながりに頼りきるのではなく、あなたが説明の責任を持つ形になります。

人脈を増やさなければ、と焦る前に、今の案内を読み返してみてください。誰に、何を、どのように届けてほしいのか。そこを具体化することから始めましょう。

よくある質問

紹介者がまだセッションを受けていなくても、お願いできますか?

案内を渡してもらうことは考えられます。ただし、体験していない効果を推薦してもらう必要はありません。本人が知っている事実と、あなたが提供するサービスの説明を分け、詳細は案内先で確認できるようにします。

紹介された方には、特別な割引を用意した方がよいですか?

必須ではありません。まずは通常の内容と条件で、必要かどうかを判断できる形にします。割引を設けるなら、その目的や対象条件、継続して提供できるかを検討してください。紹介だから安くしなければ失礼、と決める必要はありません。

知人から、紹介したい人の連絡先を渡されたらどうしますか?

本人が連絡を受けることを了承しているか確認できるまでは、営業連絡をしない方針にします。知人に案内を本人へ渡してもらい、本人から連絡してもらう方法もあります。悩みの詳細まで知人経由で集めず、相談の希望は本人に確かめます。

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この記事を書いた人

株式会社マインドコーチ 代表取締役 安達慎一

本業を続けながらコーチングを仕事にしたい方に、商品づくりと販売の道筋を支援しています。個別相談800人超・セッション6,000時間超。

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