なぜ、リストが集まっても商品が売れないのか。客層を決めずに集めたからです。売れる値段は、商品の中身より先に、誰を集めたかで決まります。お金を払ってでも解決したい悩みを持つ人を集めなければ、思った値段では売れません。だから、集める前に、どの客層を集めるかを決めることです。
この記事では、Xに書いた投稿の全文、売れる値段が誰を集めたかで決まるわけ、お金を払ってでも解決したい悩みを見分ける3つの問い、リストの数と質の関係、質と数を両立させる順番、そして客層を決めてから集める手順を、順番に書きます。
先日、私はXにこう書きました——お客様の客層が大事な理由

先日、私はXに、次の文章を書きました。そのまま載せます。
なぜ、お客様の客層が大事なのか
理由は簡単で、客層次第で、安い商品しか売れなかったり、高い商品しか売れなかったりするからです。
わかりやすいのが無料特典をたくさんつけてメルマガ登録させるとお客様の層はお金を出さない層になります。
無料で特典が欲しいから登録するのであって、別に悩みを本気で解決したいわけではないからです。
お医者さんで例えればよくわかりますが、例えばがんなどの重い病気になると高額医療になります。
死にたくなければ高いお金を払うわけです。
これはお金を払ってでもがんを治したいからです。
また車や家を買う人もローンを使うことが多いですが、これは借金してでも手に入れたいからです。
つまり、お金を払ってでも解決したい悩みのお客様を集めることができないと高い商品は売れないということです。
見込み客リストは数ではなく、質です。
質が悪いといくら1万リストあっても高額商品は売れません。
しかし、少なくてもいいかというと少ないとビジネスが安定しないので、それも違います。
つまり、お客様の客層を意識したリストマーケティングをしなければ、思った値段では売れないということです。
このことを理解しなければ、リストが集まったけれど商品が売れないということになってしまいます。
そうならないためにも、どの客層を狙っていくのかを明確にして、お客様を集めてみてください。
投稿では、分かりやすさを優先して、重い例を出しました。本文では、その例を広げることはしません。悩みの重さを見分ける問いに置き換えて書きます。また、投稿では言い切る形で書きましたが、本文では、客層を決めれば売れる、とまでは言いません。思った値段で売れる見込みが残る、集めたあとに売れない、が起きにくくなる、という言い方で書きます。
先に書いておくと、これは特典を受け取るために登録した人を責める話ではありません。読む側から見れば、役に立ちそうな特典があれば受け取ってみるのは、自然なことです。リストを集めてきた人を責める話でもありません。集めること自体は、正しい一歩です。この記事で書きたいのは、集めたい客層と、集めるときの入口が、ずれていないか、ということです。
売れる値段は、商品より先に「誰を集めたか」で決まる——安い層と高い層

投稿の2行目に、私はこう書きました。「理由は簡単で、客層次第で、安い商品しか売れなかったり、高い商品しか売れなかったりするからです」。
商品の値段は、商品の中身で決まる、と考えるのが普通です。準備にかけた手間、内容の濃さ、自分の経験。それを積み上げて、値段をつけます。けれど、実際に売れるかどうかは、その値段を、目の前のお客様が払おうと思うかどうかで決まります。同じ商品でも、誰の前に出すかで、売れる値段は変わるのです。
ここで言う安い層と高い層は、人の上下の話ではありません。持っている悩みの重さの違いです。悩みが軽いうちは、人は安く済む方法を選びます。悩みが重くなると、多少高くても、確かに解決できる方法を選びます。同じ人でも、悩みによって、どちらの層にもなります。
この記事で使う言葉を、ここで決めておきます。
客層とは、お金を払ってでも解決したい悩みを、いま持っているかどうかで分けた、お客様の集まりのことです。
大事なのは、「いま」というところです。同じ悩みでも、いま困っている人と、いつか何とかしたいと思っている人とでは、払おうと思う値段が違います。そして、どちらの人が集まるかは、多くの場合、入口で決まります。
投稿の3行目には、特典をたくさんつけて登録してもらうと、「お客様の層はお金を出さない層になります」と書きました。これも、登録した人が悪いのではありません。特典が欲しくて登録した人にとって、目的は特典を受け取ることです。その時点では、悩みを本気で解決しようとしているわけではありません。入口で約束したものが特典なら、集まるのは、特典を欲しい人です。
身近な例で考えてみます。自転車屋さんが、店先に「空気入れ、ご自由にどうぞ」と書いた紙を出したとします。集まるのは、空気を入れたい人です。その人たちは、空気を入れて、そのまま帰っていきます。同じ店が「パンク、今日のうちに直します」と書いた紙を出せば、来るのは、パンクして困っている人です。この人は、直してもらうためにお金を払うつもりで来ています。店も、店主の腕も同じです。違うのは、入口に出した紙だけです。そして、どちらのお客様も、何も間違ったことはしていません。
このことは、昔から書いています。2018年に書いたお金を出さない人ばかりを集める理由という記事で、私はこう書きました。「「あなたの商品が必要な人」でも「無料であなたの商品が必要な人」を集める結果になってしまいます。」その記事では、そのあとに、クロージングのときに「いりません」と言われる可能性が高くなる、とも書いています。
この一文で見てほしいのは、どちらも「あなたの商品が必要な人」だ、というところです。悩みはある。商品も必要としている。ただ、入口で付いた条件が違うのです。お金を払ってでも、なのか、タダなら、なのか。その条件は、集めた時点で付いてしまいます。
タダの特典で集めたリストについては、なぜ、タダの特典で集めたリストに高額商品は売れないのか(記事030)で書きました。その記事では、タダの特典を目当てに登録した人の名簿に高額商品は売れない、と書き、お客様が欲しい理想の未来を先に理解することを書いています。ここでは繰り返しません。この記事で見たいのは、特典の良し悪しではなく、誰を集めるかを先に決める、という順番のほうです。
お金を払ってでも解決したい悩みかどうか——見分ける3つの問い

では、お金を払ってでも解決したい悩みかどうかは、どう見分ければいいのか。投稿の9行目に、私はこう書きました。「つまり、お金を払ってでも解決したい悩みのお客様を集めることができないと高い商品は売れないということです」。
投稿の5行目から8行目では、二つの例を出しました。どちらの例も、高いお金を払う理由は、商品の側ではなく、悩みの重さの側にあります。払う人は、値段に納得してから払うのではありません。悩みのほうが重いから、払うのです。
コーチの商品でも、同じことが言えます。ただ、コーチが扱う悩みは、外から見ただけでは重さが分かりにくいものです。そこで、次の3つの問いで見分けます。
一つ目は、その悩みは先延ばしにできるか、です。今のままでも、しばらくは困らない悩みなら、人はいまお金を払いません。先に延ばすほど困ることが増えていく悩みなら、いま何とかしたいと思います。
二つ目は、自分で何とかしようとして、どれくらいたったか、です。自分で調べ、試し、それでも変わらないまま時間がたっている。そういう悩みは、自分の力だけでは届かないところに来ています。反対に、まだ自分で試していない悩みなら、人は先に、自分でやってみるほうを選びます。それは自然なことです。
三つ目は、その悩みのために、すでにお金を使ったことがあるか、です。本を買った、講座に出た、誰かに相談した。一度でもお金を使ったことがあるなら、その人の中で、その悩みは、お金を払って解決するものになっています。
3つの問いで分けると、次のようになります。
| 見るところ | 自分で何とかできる悩み | お金を払ってでも解決したい悩み |
|---|---|---|
| 先延ばし | しばらく先に延ばしても困らない | 先に延ばすほど、困ることが増えていく |
| これまでに使ったお金 | まだ使っていない。まず自分で試す | 本や講座、相談などに、すでに使ったことがある |
| 求めるもの | 手軽なヒントや、まとまった情報 | 自分の場合に当てはめた、確かな解決 |
左の列の悩みが、軽くて意味のない悩みだ、ということではありません。左の列の悩みを持つ人に向けた、手軽な商品もあります。ただ、高い商品を届けたいなら、集めるのは右の列の悩みを持つ人です。当てはまる問いが多いほど、右の列に近いと考えてください。
ここで一つ切り分けておきます。なぜ、高額商品が売れないのか(記事022)では、商品を買っても、お客様が手に入れる理想の未来が小さすぎると、高額商品は売れない、と書きました。その記事で見ていたのは、商品が連れて行く先、つまり商品の側です。ここでは繰り返しません。この記事の3つの問いで見ているのは、集める相手の悩みの重さ、つまりお客様の側です。商品の側を整えても、悩みの軽い人ばかりが集まっていれば、思った値段では売れません。
リストは数より質——ただし、少なければいいわけでもない

投稿の10行目に、私は「見込み客リストは数ではなく、質です」と書きました。そして12行目では、続けてこう書きました。「しかし、少なくてもいいかというと少ないとビジネスが安定しないので、それも違います」。
ここで言う質とは、ここまで書いてきた客層のことです。お金を払ってでも解決したい悩みを、いま持っている人が、リストの中にどれだけいるか。名前の数ではなく、その中身です。
数が増えると、安心します。登録が増えていくのは、目に見える手応えです。けれど、客層を決めずに集めたリストでは、次のことが起きます。
- 人は集まったのに、商品の案内に反応がない
- 値段を下げても、やはり売れない
- 値段を下げると、次に集まる人も、値段で選ぶ人になっていく
一つ目は、投稿の14行目に書いた「リストが集まったけれど商品が売れない」状態です。案内を出しても、反応がない。集まった人が悪いのではなく、集まった人の悩みの重さと、商品の値段が合っていないのです。
二つ目は、そこで値段を下げた場合です。値段を下げるのは、売れないときに誰でも考えることで、責められることではありません。ただ、悩みが軽い人にとっては、安くなっても、いま払う理由は生まれません。払わない理由は、値段ではなく、悩みの重さの側にあるからです。
三つ目は、値段を下げたあとに起きることです。安い商品の案内に反応するのは、値段で選ぶ人です。その人たちが次のリストになり、次の商品も、また値段で選ばれる。こうして、集まる客層が、だんだん値段で選ぶ側に寄っていきます。
個別相談800人超、セッション6,000時間超を重ねてきた今も、リストは数より質、という私の考えは変わっていません。同時に、少なければいい、とも考えていません。投稿の12行目に書いたとおり、少ないとビジネスが安定しないからです。
客層の合う人が少しいれば、そのときは売れることもあります。けれど、その人たちがお客様になり、やがて契約が終われば、次に案内する相手がいなくなります。質だけでは、続きません。数だけでも、売れません。だから、どちらか一方ではなく、両方が要ります。問題は、どうやって両方をそろえるか、です。
質と数は、順番で両立する——客層を先に決めて、その層が集まる場所と言葉で増やす

投稿の13行目に、私はこう書きました。「つまり、お客様の客層を意識したリストマーケティングをしなければ、思った値段では売れないということです」。
質と数を両立させるのは、順番です。先に質を決める。そのあとで、数を増やす。質を決めるとは、どの客層を集めるかを決めることです。数を増やすとは、その客層が集まる場所で、その客層が反応する言葉を使って、集める人を増やすことです。
この順番だと、数を増やすほど、決めた客層の人が増えていきます。数を増やすことが、質を下げることになりません。質と数がぶつかるのは、順番が逆のときです。
順番が逆になると、何が起きるのか。先に数を集めようとすると、誰にでも喜ばれる特典を用意し、人の多い場所で、誰にでも届く言葉を使います。数は増えます。けれど、集まった人の悩みは、軽い人も重い人も混ざったままです。そこに商品を案内しても、反応するのは、ごく一部です。そして、売れないので、さらに数を集める。投稿の14行目に書いた「リストが集まったけれど商品が売れない」は、この形で起きます。
先ほどの自転車屋さんで言えば、先に決めるのは、パンクして困っている人を集める、ということです。それが決まれば、紙に書く言葉が決まり、紙を貼る場所も決まります。人通りが多いかどうかより、自転車に乗る人がよく通る道かどうかで選びます。そういう場所に貼る紙を増やせば、数は増えます。増えた分だけ、パンクして困っている人に届くのです。
ここで言う場所と言葉は、どちらも、決めた客層の側から選びます。場所は、その悩みを持つ人が、悩みについて調べたり、話したりしているところです。言葉は、その人が自分の悩みを説明するときに使う言葉です。自分が言いたい言葉ではなく、お客様が使う言葉で書くと、その悩みを持つ人が、自分のことだと気づいてくれます。
数を増やすのは、その後です。客層を先に決めておけば、集めたあとに売れない、ということが起きにくくなります。思った値段で売れる見込みが、集める前の段階で残せているからです。
客層を決めてから集める手順——商品で解決できる悩みから、入口の言葉まで

最後に、客層を決めてから集める手順を書きます。投稿の最後に書いた「どの客層を狙っていくのかを明確にして」を、具体的な段に分けたものです。
- 自分の商品で解決できる悩みを書く
- その悩みに「お金を払ってでも」が付く人の状況を書く
- その人が集まる場所と、その人が読む言葉を選ぶ
- 集める前に、特典と入口の言葉を見直す
1段目は、悩みを書くことです。商品の内容ではなく、その商品で解決できる悩みを書きます。「こういうことができる商品です」ではなく、「こういうことで困っている人の商品です」と言える形にします。書き出す悩みは、一つでなくて構いません。
2段目は、その悩みに「お金を払ってでも」が付く人の状況を書くことです。同じ悩みでも、軽く持っている人と、重く持っている人がいます。ここで、先ほどの3つの問いを使います。先に延ばすほど困ることが増えている。自分で試しても変わらないまま、時間がたっている。すでにお金を使ったことがある。そういう人は、どんな毎日を送っていて、どんな場面でその悩みに困っているのか。人の肩書きではなく、状況を書くのがコツです。状況が書ければ、その人がどこにいて、何を読んでいるかが見えてきます。
3段目は、場所と言葉を選ぶことです。2段目で書いた人が、悩みについて調べるとき、どこで、どんな言葉で調べるか。その場所で、その言葉を使って発信します。人が多い場所かどうかより、2段目で書いた人がいる場所かどうかで選びます。
4段目は、集める前に、特典と入口の言葉を見直すことです。特典をつけること自体は、悪いことではありません。見直すのは、その特典を欲しがるのは誰か、です。特典が、2段目で書いた人の悩みに直接つながっていれば、その悩みを持つ人が集まります。誰にでも喜ばれる特典なら、誰にでも喜ばれる形で、いろいろな人が集まります。入口の言葉も同じで、悩みの言葉で書かれていれば、その悩みを持つ人が反応します。
この4段は、集める前にやることです。集めてから客層を変えるのは、手間がかかります。集める前なら、入口の言葉を書き直すだけで済みます。
投稿の最後に、私は「どの客層を狙っていくのかを明確にして、お客様を集めてみてください」と書きました。集めることを止める必要はありません。集める前に、誰を集めるかを一度書き出してから、集めてください。
よくある質問
今のリストが、お金を出さない客層だったら、手放すべきですか。
手放す必要はありません。今のリストにいる人たちも、あなたの発信を受け取ってくれた人です。そのリストには、今の客層に合った値段のものを届ければいいのです。そのうえで、次から集める分の入口と言葉を、決めた客層に向けて変えていきます。今のリストを責めるのではなく、次の入口を変える、という順番です。
お金を払える人だけを集めるのは、感じが悪くないですか。
分けているのは、お金があるかどうかではありません。悩みの重さです。お金を持っている人でも、悩みが軽ければ払いません。お金を払ってでも解決したい悩みを持つ人を集めるのは、その悩みに本気で向き合おうとしている人に、商品を届けるためです。悩みが軽い人に、高い商品を勧めずに済む、ということでもあります。
客層を絞ると、数が減って不安です。
減るのは、決めた客層ではない人です。そして、絞ることは、数を増やさないことではありません。先に客層を決めて、その客層が集まる場所と言葉で、数を増やしていきます。集まった人に、買う前に何を受け取ってもらうかは、なぜ、お客様が自分の商品を買わないのか(記事046)で書きました。その記事では、「この人から買おう」と決めてもらえるかどうかは、買う前にその人からどれだけの情報を受け取ったかで決まる、と書いています。
客層が合っているかは、どうやって分かりますか。
集まった人から届く言葉を見ます。質問や感想、相談の申し込みに書かれていることが、悩みの話から始まっているか。それとも、特典や値段の話から始まっているか。悩みの話が多くなってきたら、客層は合ってきています。値段を伝えたときに、値段だけを聞いて終わるのか、自分の場合に当てはまるかを聞いてくるのか、も見てください。
客層とは、お金を払ってでも解決したい悩みを、いま持っているかどうかで分けた、お客様の集まりのことです。売れる値段は、商品の中身より先に、誰を集めたかで決まります。お金を払ってでも解決したい悩みかどうかは、先延ばしにできるか、自分で何とかしようとしてどれくらいたったか、すでにお金を使ったことがあるか、の3つの問いで見分けられます。リストは数より質ですが、少なければいいわけでもありません。質と数は、客層を先に決めて、その客層が集まる場所と言葉で増やす、という順番で両立します。集める前に、商品で解決できる悩みから入口の言葉までを、一度見直してください。私の考え方の全体像は、マインドコーチとしてのコーチングの考え方にまとめています。
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