継続コーチングの最終回は何をする?振り返りと終了後の進め方を整理する方法

継続コーチングの最終回は何をする?振り返りと終了後の進め方を整理する方法

継続コーチングの終わりが近づいたとき、最後に何を話せばよいか迷うことはないでしょうか。「受けてみてどうでしたか」と感想を聞き、次も続けるかを確認して終わる。それでは、期間中に得たものを本人が持ち帰りにくいかもしれません。

最終回では、最初に扱うと決めたテーマ、実際に試したこと、現在できていること、まだ残ることを整理します。そのうえで、終了後に本人が試すことと、必要になったときの相談の仕方を確認します。

更新するかどうかは、その整理とは分けて扱います。続けてもらうために課題を増やすのではなく、今回の支援を区切ったうえで、次の支援が必要かを考える順番です。

今回は、本業と両立しながらコーチングを提供する方へ、最終回の準備、当日の問い、持ち帰るメモの作り方をお伝えします。

目次

最終回を、更新の返事をもらう時間だけにしない

最終回を更新の返事だけの時間にしない図

提供者にとって、契約が続くかどうかは気になることです。しかし、その気持ちだけで最終回を組み立てると、今まで何に取り組んだかを確認する前に、次の商品を説明してしまうことがあります。

お客様が今回の支援で得たものと、次も支援を受けたいかは、関係していても同じ問いではありません。役立ったから一区切りにしたい人もいれば、別の課題について相談したい人もいます。

また、更新しなかったことだけで支援に価値がなかったとは言えません。反対に、更新してもらえたことだけで、支援の内容を振り返らなくてよいわけでもありません。

最終回の目的を「今回の取り組みを整理し、次に自分で判断できる材料を残す」と置いてみてください。その目的があれば、更新の有無にかかわらず必要な話ができます。

新しい契約の説明が必要なら、その時間も分けます。振り返りのつもりで話した不安が、すぐに契約を勧める理由にならないよう、話の役割を明確にしておきます。

準備では、開始時の目標と途中の変更を取り出す

開始時の目標と途中の変更を記録から取り出す図

最後に振り返ろうとしても、最初の目標が分からなければ、今の印象だけで判断することになります。まず、開始時に何を扱うと合意したのかを記録から確認してください。

その際、最初の言葉だけを固定して使わないことです。途中で本人の希望が具体的になったり、取り組むテーマを相談して変更したりしている場合があります。

開始時のテーマ、途中で変えたこと、その理由を分けておくと、変化の経緯を確認できます。「最初と違う話になった」ことを、すぐに失敗とも成功とも決める必要はありません。

次に、本人が試したことと、面談で話したことを分けます。「やってみようと決めた」記録だけを集めて、すべて実行したように振り返らないでください。

資料は多ければよいわけではありません。本業後に準備する場合も、すべての会話を書き直すのではなく、当初の目的、主な取り組み、現在の確認事項が見える程度にまとめます。推測で埋めず、分からないところは当日に尋ねる項目として残します。

事前の問いは、長い反省文にしない

事前の問いを長い反省文にせず短く尋ねる図

事前に振り返りをお願いするなら、「期間中の成果をすべて書いてください」といった大きな問いより、思い出せる場面を尋ねる方法があります。

例えば、「始める前と比べて、対応が変わった場面はありますか」「今も迷う場面はありますか」「終わった後、続けてみたいことはありますか」という問いです。

変化があったことを前提にせず、特に思い当たらなければ、そのまま答えてよいと伝えます。きれいな成果報告を作ってもらうことが目的ではないからです。

忙しくて書けない人には、当日話す形も考えられます。長い提出物がないと振り返れない設計にせず、本人が今の状況を言葉にできる機会を用意してください。

提供者側の準備だけで結論を作らないことも大切です。記録には進展があるように見えても、本人はまだ困っているかもしれません。事前の回答と自分の見立てが違うところこそ、当日に確認したい部分です。

当日は、評価より先に具体的な出来事を聞く

評価より先に具体的な出来事を聞く図

「成長しましたか」「満足していますか」と聞くだけでは、具体的に何が変わったのか分かりにくい場合があります。まず、期間中の出来事を取り上げます。

例えば、「以前なら迷っていた場面で、今回はどうしましたか」と尋ねます。本人が判断したこと、実行したこと、周囲の反応を順に確かめると、同じ『できた』でも中身が見えてきます。

反対に、試さなかったことがあれば、そのまま確認します。機会がなかったのか、方法が合わなかったのか、途中で必要がなくなったのか。実行していないことを、すぐ本人の意欲の問題にしないでください。

変化があった場合も、すべてをコーチングの効果として回収しないことです。職場の体制変更や、他の人の助言、本人が別に学んだことなどが関係している場合があります。

本人が今回の支援で役立ったと感じる関わりは、あらためて聞けます。「どの整理や問いを、その場面で使いましたか」と尋ねると、日常へ持ち帰れた部分を振り返れます。

私は、最終回では提供者が成果を説明することより、本人が何を使えるようになったかを、自分の言葉で確かめることを大切にしたいと考えています。

残っている課題を、三つに分ける

残っている課題を三つに分けて整理する図

最後の面談でも、課題が一つもなくなるとは限りません。残っているものを全部まとめて「まだ終われない」としないために、三つに分けて考えます。

一つ目は、今回のテーマに関係し、本人が次に試せることです。進め方が整理できていて、まだ実行の機会が来ていないなら、その機会と振り返り方を確認できます。

二つ目は、今回のテーマに関係し、追加の支援が必要か検討することです。何が分からず、どんな関わりがあれば進められそうかを具体化します。支援の必要性が整理できてから、本人の希望を聞きます。

三つ目は、今回の範囲とは別のことです。新しいテーマ、他の専門性が必要なこと、コーチだけでは判断できないことなどを区別します。すべてを自分の商品に含めようとしないでください。

この分類は、お客様を振り分ける診断ではありません。一つの悩みに見えていたものを、どう扱うか考えるための整理です。本人と話し合い、合っていなければ変えます。

残るものを隠して「全部解決しました」と終わらせることも、不安を増やして契約を延ばすことも避けます。今、何が確認できていて、何がまだ分からないかを共有してください。

仮の例:仕事の任せ方を扱った最終回

仕事を任せた場面を具体的に振り返る図

ここからは進め方を示す仮の例です。実際のお客様の成果や、特定の期間で得られる効果を示すものではありません。

会社員として働くコーチが、仕事を抱え込みやすい管理職に、仕事の任せ方を整理する支援をしてきたとします。開始時のテーマは「任せる前に、相手に何を伝えるかを整理すること」でした。

最終回では、実際に仕事を任せた場面を聞きます。本人から、目的と期限を先に伝え、途中で確認する日も決めたという話が出たとします。

ここで「部下との関係が改善した」と広げず、何を伝え、どう確認したかを振り返ります。相手の反応はどうだったか、本人がどの部分を自分で決められたかも聞きます。

一方、急な依頼が来た場面では、また自分で抱え込んだという話が出るかもしれません。それは、できたことがすべて無意味になったということではありません。準備する時間がある場面と、急ぐ場面で対応が違ったと整理できます。

本人が次に試したいのは、依頼を引き受ける前に、期限と役割を確認することだとします。終了後のメモには、その確認を行う場面と、うまく聞けなかったときに何を記録するかを残します。

さらに別部署との調整が課題になったとしても、今回のテーマの未達成と一括りにしません。別の相談として扱う必要があるか、本人の希望とこちらの対応範囲を確かめます。

このように、できたこと、まだ試すこと、別の課題を分けると、「続けますか」の一言では見えなかった次の進め方が残ります。

終了後のメモは、本人が使う一枚にする

終了後に本人が使える一枚のメモを残す図

最終回の記録は、提供者の保管用だけでなく、本人が後から使える形を考えます。長い面談記録よりも、必要な場面で読み返せる一枚が役立つ場合があります。

書く項目は、「今使える考え方や手順」「次に試す場面」「止まったときに確認すること」「自分で振り返る時期」「必要なときの相談先」です。どれも今回の話から、本人が必要とする範囲で選びます。

例えば「自信を持つ」だけでなく、「依頼を受けたら、その場で返答する前に期限を確認する」と書けば、使う場面が分かります。専門用語ではなく、本人が日常で思い出せる表現にします。

コーチが正しい答えとして渡すのではなく、本人に読んでもらい、違うところや使いにくいところを直します。「これを見て、次に何をするか分かりますか」と確認する方法もあります。

ただし、メモに書いた行動をすべて実行することを、終了の条件にしないでください。生活の事情が変われば、本人が選び直せます。自分で判断するための材料として残すのです。

終了後の連絡は、曖昧な善意で約束しない

終了後の連絡を曖昧に約束せず条件を伝える図

最後に「何かあったら、いつでも連絡してください」と言いたくなることがあります。その言葉が、いつまでも無料で相談できるという意味に受け取られないかを確認してください。

事務的な問い合わせを受ける窓口なのか、終了後の振り返りを一度行うのか、新しい相談は別の申込みになるのか。実際に提供する条件に合わせて伝えます。

本業を続けながら複数人を支援する場合、終了した方への対応が曖昧なまま積み重なると、現在のお客様への時間にも影響する可能性があります。親切でいたい気持ちと、約束できる範囲を分けることです。

後日連絡する予定があるなら、目的や時期を相談しておきます。終了後も反応があるか確かめたいという提供者の都合だけで、連絡を増やさないでください。

また、再相談の窓口があることと、いつでも予約を受けられることは別です。受付状況を確認してから案内するなど、自分が守れる説明にします。

更新を案内するなら、新しい目的と条件を確認する

更新の前に新しい目的と条件を確認する図

振り返りの後、本人が引き続き支援を希望するなら、次は何を扱うのかをあらためて確認します。「今までと同じで続けましょう」だけでは、次の期間の目的が曖昧になる場合があります。

今回の残りを扱うのか、新しいテーマなのか。どんな支援を、どのような条件で提供するのか。これまで関係がある相手でも、分かる形で説明します。

希望していても、こちらの専門や対応範囲と合わない場合はあります。また、支援の時間を確保できるかも確認が必要です。更新だから無条件で引き受けられるとは考えないでください。

本人がいったん自分で進めたいと話したなら、その選択も尊重します。「やめたら元に戻ります」と未確認の不安で引き止めるのではなく、困ったときの確認方法を残します。

更新を提案することも、区切って終えることも、相手が必要とする支援から考えます。売上の都合と、お客様にとっての必要性を混ぜないことが大切です。

まとめ:最終回で、これから使えるものを残す

最終回でこれから使えるものを残す図

継続コーチングの最終回では、開始時のテーマ、試したこと、今できること、残っていることを具体的に確認します。感想や更新の返事だけで終わらず、本人が次に使えるメモと、連絡の条件を残してください。

終了したことだけを失敗にせず、継続したことだけを成功にしない。その視点があれば、次の商品を提案する前に、今回の支援を丁寧に振り返れます。

まず、いま提供している商品の最終回で、何を持ち帰ってもらいたいかを書いてみてください。終わり方を考えることは、自分が何を支援する商品を提供しているかを確かめることでもあります。

よくある質問

最初の目標を達成していなくても、最終回の振り返りはできますか?

できます。達成できなかったことを隠さず、何を試し、どこで止まり、何がまだ分からないかを確認します。提供者側の説明や支援に不足がなかったかも振り返り、未達成を自動的に追加契約の理由にしないことです。

お客様と自分で、変化の受け止め方が違うときはどうしますか?

評価を一致させようと説得する前に、どの出来事を見てそう感じたかを互いに確認します。一つの場面ではできたが、普段はまだ困っているという違いかもしれません。本人の実感を消さず、両方の見方を記録できます。

最終回で感想の掲載や紹介をお願いしてもよいですか?

依頼する場合も、支援の振り返りとは分け、断れる形にします。感想を話したことを公開への許可と扱わず、掲載内容や場所は別に確認してください。紹介する人がいないことも、支援への不満とは限りません。

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この記事を書いた人

株式会社マインドコーチ 代表取締役 安達慎一

本業を続けながらコーチングを仕事にしたい方に、商品づくりと販売の道筋を支援しています。個別相談800人超・セッション6,000時間超。

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