対象を絞った方がよいと聞いて、誰に届けたいかを決めた。それなのに、ブログを書いても相談の申込みがない。「やはり対象を狭くしすぎたのでは」と、誰でも相談できる案内へ戻したくなっていませんか。
ターゲットが狭すぎるかどうかは、申込みの件数だけでは判断できません。対象にした人が実際にいるか、その人へ案内が届いているか、扱う悩みと提供する支援が合っているかを分けて確かめます。
広げる必要がある場合もあります。ただし、反応がない理由を確認せずに対象だけを広げると、何を直した結果なのか分からなくなります。今回は、本業を続けながらコーチングを育てる方へ、対象の絞り方を見直す順番をお伝えします。
「絞った」とは、どの条件を決めたことなのか

まず、今の対象を一文で書いてみてください。年齢、職業、住んでいる場所だけを書いているのか、困っている場面まで書いているのかで、見直す場所が変わります。
例えば、「三十代の会社員」という対象には、多様な人が含まれます。転職を考える人、初めて部下を持つ人、本業のほかに活動を始めたい人では、相談したいことが違います。
一方、「初めて部下を持ち、仕事を任せられず自分で抱えている会社員」なら、支援が必要になる場面を想像できます。年齢を細かく決めなくても、話しかける相手は具体的になります。
絞るとは、条件をたくさん付けることではありません。今回の商品を必要とする理由が共通する人を、分かる言葉で示すことです。不要な条件まで加えると、同じ支援が役立つ人を対象外にしてしまう場合があります。
今の一文に入っている条件を一つずつ見て、「この条件が変わると、必要な支援も変わるだろうか」と考えてください。説明できない条件は、思い込みで付けている可能性があります。
年齢や職業より、支援に関係する条件を残す

条件には、商品の中身に関わるものと、人物像を思い浮かべるために置いただけのものがあります。この二つを混ぜないことが大切です。
仮の例として、オンラインで仕事の任せ方を整理する商品を考えます。実際に仕事を任せる相手がいることは、取り組みを試すうえで関係します。一方、特定の市に住んでいることが必要かどうかは、提供方法によります。
対面で地域の職場事情も扱うなら、地域の条件に意味があるかもしれません。オンラインで場所に左右されない支援なら、その条件を外す余地があります。狭いか広いかではなく、必要な理由で判断します。
本人が使える時間も同じです。課題に取り組む時間が必要なら事前に伝えますが、「毎日必ず一時間取れる人」といった条件を、理由なく追加する必要はありません。
対象者像を詳しく作る作業と、申込みの条件を決める作業は別です。人物像に書いた家族構成や趣味まで、実際のお客様に当てはまらなければいけないわけではありません。
反応がないときに、最初に確かめる三つのこと

一つ目は、想定した状況の人がいるかです。自分の頭の中だけで作った悩みではなく、その状況を本人がどう説明するかを確認します。過去の相談や、協力を得た会話が材料になります。
二つ目は、その人に案内を見てもらえているかです。記事の閲覧数があっても、読んだ人が想定した対象かは分からないことがあります。反対に、まだほとんど見られていなければ、対象の良し悪しを評価する材料が足りません。
三つ目は、案内を読んで何を受けられるか伝わっているかです。「自分らしさを取り戻す」だけでは、今回の困りごとを相談してよいか判断しにくいかもしれません。
この三つを飛ばして「狭すぎる」と結論づけないでください。対象がいないこと、接点がないこと、説明が伝わらないことは、違う問題です。必要な対応もそれぞれ異なります。
また、申込みがない原因は、この三つだけではありません。条件や価格、時期が合わない場合もあります。原因を一つに決めつけず、今どこまで確認できているかを整理するための順番として使います。
一つの案内文を見せて、受け取られ方を聞く

対象に近い人と話せるなら、説明の途中で説得するのではなく、短い案内文を見てもらいます。相手の時間を借りる目的を伝え、協力してもらえる範囲で確認してください。
聞きたいのは、「この商品は売れると思いますか」よりも、「どんな人が、どんなときに使うものだと読みましたか」ということです。提供者が意図した内容と、相手が受け取った内容を比べます。
さらに、「自分に関係があると感じた部分はありますか」「相談するか考えるとき、足りない情報は何ですか」と尋ねられます。分かりにくいという答えも、直す材料になります。
「仕事を任せる支援」と書いたのに、管理職研修や業務の代行だと受け取られたなら、対象を変える前に支援内容の説明を直す余地があります。
ただし、一人に分かりやすいと言われても、購入されるとは限りません。理解されたこと、関心を持たれたこと、お金を払って利用されたことは分けて記録します。好意的な感想を、需要の証明に置き換えないことです。
仮の例:対象を広げず、余計な条件を外す

ある副業コーチが、「三十五歳から三十九歳、首都圏在住、部下が三人以上いる管理職」へ、仕事の任せ方を考える支援を提供したいとします。これは説明用の仮の例であり、実際の受講者事例ではありません。
この案では、なぜ三十四歳や四十歳は対象外なのか、部下が二人では役立たないのかが分かりません。条件を加えた理由が「具体的に絞るように教わったから」だけなら、商品との関係を確認します。
一方で、本人が抱えている仕事を整理し、実際に誰かへ任せ、結果を振り返る商品なら、「任せる相手と仕事がある」という条件には意味があります。
そこで、「初めて部下を持ち、任せたい仕事まで自分で抱えている会社員」に案内を変えることが考えられます。年齢や居住地の条件を外しても、扱う場面はぼやけていません。
ここで「仕事に悩むすべての人」へ変えると、転職、職場での人間関係、独立準備など、別の支援が必要な人まで含まれます。今の商品で対応できるかを、あらためて考えなければなりません。
広げ方には、不要な条件を外すことと、扱う悩みそのものを増やすことがあります。この違いを意識すれば、対象を見直すたびに商品全体を作り直す事態を減らせます。
対象を変えたら、商品や案内のつながりも確認する

一文だけ変更して終わりにしないでください。新しい対象に対して、商品の進め方、課題、時間帯、メール講座の説明が合っているかを見ます。
先ほどの例で、部下を持たない人も対象に加えるなら、「部下へ仕事を任せて振り返る」という課題は、そのままでは取り組めません。対象を増やすことで、商品の前提まで変わるのです。
また、ブログでは会社員向けなのに、登録後の案内がすべて独立済みの経営者を前提としていれば、読者は自分のための講座か迷うかもしれません。入口だけを広くしても、その後が合わなければ期待に応えにくくなります。
発信、登録案内、メール、相談で話すことを並べ、同じ人の状況を前提にしているかを確認します。すべてを書き換える前に、どの箇所がずれるかを見つけてください。
対象の見直しは、単なる言葉の工夫ではありません。誰に何を提供するかを変える可能性のある判断です。だからこそ、申込みを増やしたい気持ちだけで決めず、提供後まで考えます。
比べるときは、一度にすべてを変えない

反応がないと、対象も、タイトルも、価格も、特典も変えたくなります。しかし同時に変えるほど、何が相手の判断に関係したのかが分かりにくくなります。
まず、「地域の条件を外すと、同じ悩みを持つ人にも伝わるか」など、確かめたいことを一つ決めます。変更前の案内と、変更する箇所を残しておいてください。
記録には、案内を見せた相手の状況、どんな質問が出たか、相談や申込みに進んだかを書きます。個人を特定する情報は必要以上に残さず、実際の発言と自分の解釈も分けます。
反応を見る日も決めます。ただし、一週間たったから正解が分かるという意味ではありません。どのくらい対象に届いたかを見て、まだ判断できないなら、その理由を残します。
本業と両立していると、使える時間には限りがあります。だからこそ、すべてを作り直すより、何を確かめる作業なのかを決める方が、次の判断につながります。
絞り直すか、届け方を変えるかの判断

想定した状況の人に会うと、悩みも支援への関心も確認できる。それなのに普段の発信ではその人たちと接点がない。この場合は、対象を広げる前に、届ける場所や紹介される経路を検討できます。
案内は読まれているけれど、別の支援だと受け取られる。この場合は、対象の説明や商品の中身を伝える言葉が、先に見直す候補です。
似た状況の人はいるのに、細かい条件だけで対象外にしている。この場合は、条件を外しても支援の質を保てるかを確認し、広げる余地があります。
反対に、想定した悩みを持つ人が見つからず、話せた人にも必要性が伝わらないなら、対象と商品の仮説へ戻ります。自分が助けたいと思うことと、相手が今取り組みたいことが違う可能性もあります。
どの場合も、わずかな反応だけで断定はできません。「対象が悪い」「自分の能力が足りない」という評価ではなく、今ある材料から次に何を確認するかを決めてください。
「対象外の人が来た」を、失敗と決めない

想定とは違う人から相談が来ることもあります。そのとき、すぐに対象を変える必要も、一律に断る必要もありません。何を見て相談しようと思い、何を希望しているかを確認します。
同じ支援が役立つなら、案内の条件が余計だった可能性があります。一方、全く違う依頼なら、今の商品では対応できないことを説明する場合もあるでしょう。
対象外から一件申込みがあっただけで、すべての発信をその人向けに変えると、判断が揺れやすくなります。個別に受けられることと、今後の主対象として継続して届けることを分けます。
私は、対象を絞ることは、人を選別して優劣を付けることではないと考えています。限られた時間と提供できる支援を、必要とする人へ分かるように伝えるための判断です。
まとめ:広げる前に、どの条件を変えるか決める

ターゲットを絞っても反応がないときは、まず想定した人がいるか、案内が届いているか、支援内容が伝わっているかを分けて確認します。申込みゼロという結果だけで、絞りすぎとは決められません。
次に、今の対象に付けた条件を見直します。外しても支援が変わらない条件と、商品に必要な条件を区別してください。広げるなら、どの条件を何のために変えるかを説明できるようにします。
今日、今の対象を一文にして、その下に「この条件が必要な理由」を書いてみてください。説明できないところが、最初に確かめる場所になります。
よくある質問
対象を二つに分けて発信してもよいですか?
可能ですが、悩みや商品が異なるなら、案内を分けた方が伝わりやすい場合があります。本業と両立する中で二つの発信と支援を続けられるかも確認してください。まず一つの対象で確かめ、理由があって二つ目を扱う進め方もあります。
過去の自分をターゲットにすれば間違いありませんか?
経験を材料にできますが、間違いないとは言えません。同じ悩みに見えても、生活条件や希望は違います。自分が役立った方法をそのまま当てはめず、今その状況にいる人の話を聞き、提供できる支援と照らし合わせます。
絞った対象から申込みがなければ、いつ変更すべきですか?
日数だけでは決められません。どれだけ対象へ届き、何が伝わり、どこで判断が止まったかを確認します。接点が少なければ材料不足です。支援と必要性のずれが見えたら、変更する理由を記録し、対象か商品か、見直す箇所を決めます。
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