なぜ、タダの特典で集めたリストに高額商品は売れないのか——お客様が欲しい「理想の未来」を、先に理解する

なぜ、タダの特典で集めたリストに高額商品は売れないのか——お客様が欲しい「理想の未来」を、先に理解する

なぜ、タダの特典で集めたリストに高額商品は売れないのか。答えは、タダの特典が、お金を払わずに済ませたい客層を集めてしまうからです。高額商品が売れるかどうかは、リストの数ではなく、お客様が欲しい理想の未来をあなたが先に理解し、その未来を本気で欲しい人を集めているかで決まります。理想の未来が大きいほど価値は高くなり、その未来を欲しがっていない冷たいリストは、いくら集めても時間の無駄になります。

この記事では、理想の未来とは何か、商品が手段にすぎない理由、未来の大きさと価値の関係、タダの特典が集めてしまう客層、温かいリストと冷たいリストの違い、そして助けてあげたいお客様に商品が届く順番を、順番に書きます。

目次

先日、私はXにこう書きました——お客様が欲しい理想の未来を、まず理解する

相手の吹き出しを覗き、欲しい理想の未来を理解する図

先日、私はXとThreadsに、次の文章を書きました。そのまま載せます。

お客様が欲しい理想の未来は何なのか

まずは理解することです。

お客様は、欲しい理想の未来が手に入れば、方法はなんでもいいわけです。

もちろん、真っ当な方法に限りますが、商品として販売しているなら、どんな商品でも構いません。

あとは、その商品を欲しい人を見つけて、理想の未来に連れていくだけです。

そして、理想の未来が大きければ大きいほど、価値は高くなります。

これが高額商品を売る基本です。

その上で、高額商品を売りたければ、お金のない客層を集めないこと。

特に、無料の特典を配ると、お金のない客層を集めてしまいます。

この客層を見込み客リストと勘違いしている人がいますが、そんなリストがあっても高額商品は売れません。

つまり、冷たいリストをいくら集めても無駄だということです。

このことを理解しないと、SNSでフォロワーを集めるのと同じで、売れない人たちのリストを集めてしまうことになります。

この時間の無駄遣いが、ビジネスがうまくいかない理由に直結します。

このことをしっかり理解して、助けてあげたいお客様に商品が届くように頑張ってください。

短い投稿なので、一番大事な言葉を定義しておきます。

理想の未来とは、お客様がお金を払ってでも手に入れたい状態のことです。

大事なのは、「お金を払ってでも」のところです。あったらいいな、ではありません。お客様が、自分のお金や時間を差し出してでも手に入れたいと思っている状態。それが、ここで言う理想の未来です。「もう少し前向きになりたい」くらいの願いなら、多くの人が持っています。しかし、そのためにお金を払う人は多くありません。願いがあることと、お金を払ってでも欲しいことは、別の話なのです。

投稿の2行目に「まずは理解することです」と書きました。ここは順番の話です。多くの人は、先に商品を作ります。コーチングのメニューを作り、セッションの回数を決め、それから「誰に売ろうか」と考えます。しかし、それは逆です。先に理解するのは、お客様が欲しい理想の未来です。商品は、その後です。

そして、理解するとは、自分で想像することではありません。お客様が今何に困っていて、どうなりたいと思っていて、そのためなら何を差し出してもいいと思っているのか。それを、お客様の言葉で知ることです。自分の頭の中で「きっとこうだろう」と決めた未来は、お客様が本当に欲しい未来と、ずれていることが少なくありません。ずれた未来に向けて商品を作っても、欲しい人は現れません。

理想の未来が手に入るなら、方法は何でもいい——商品は手段にすぎない

階段・橋・坂の3本の道が、どれも同じ旗に届く図

投稿の次のポイントは、「お客様は、欲しい理想の未来が手に入れば、方法はなんでもいい」ということです。

身近な例で考えてみます。駅まで行きたい人にとって、大事なのは駅に着くことです。歩いて行くか、自転車で行くか、バスに乗るかは、手段にすぎません。急いでいればタクシーを使いますし、時間があれば歩きます。その人が気にしているのは、どの手段なら、自分の都合に合う形で確実に駅に着けるか、だけです。

商品も同じです。お客様は、コーチングが欲しいわけではありません。コーチングを受けた先にある、理想の未来が欲しいのです。そこへ連れていってくれるなら、コーチングでも、講座でも、コンサルティングでも構いません。

もちろん、投稿にも書いたとおり、真っ当な方法に限ります。お客様をだますような方法や、その場しのぎで結果があるように見せる方法は論外です。そのうえで、商品として販売しているものなら、どんな形でもいいのです。

ここに、コーチングを仕事にしたい人がはまりやすい落とし穴があります。コーチングという手段に、固執してしまうことです。せっかく学んだのだから、コーチングで役に立ちたい。身につけた傾聴や質問のスキルを使いたい。その気持ちは、よく分かります。しかし、お客様から見ると、それは作り手の都合です。手段に固執している商品には、次のような特徴があります。

  • 「コーチングセッション全6回」のように、回数と手段だけが書かれている
  • 「傾聴と質問で、あなたの本当の答えを引き出します」のように、やり方の説明が中心になっている
  • 終わったあと、お客様がどうなっているのかが、一言も書かれていない

こういう商品は、手段を売っています。手段を売っている間は、「それで、私はどうなれるのですか」というお客様の問いに答えられません。だから、売れないのです。

商品の真ん中に置くべきものは、手段ではなく理想の未来です。なぜ、コンセプトが大事なのか——コンセプトとは、お客様が手に入れる「理想の未来」のこと(記事024)で書いたとおり、コンセプトとは、お客様が手に入れる理想の未来のことです。コーチングは、そこへ連れていくための手段の一つにすぎません。手段は、お客様にとって一番確実なものを、あとから選べばいいのです。

理想の未来が大きいほど、価値は高くなる——これが高額商品を売る基本

旗が大きいほど硬貨が高く積まれる、未来と価値の比例図

理想の未来が分かったら、あとは投稿に書いたとおり、「その商品を欲しい人を見つけて、理想の未来に連れていくだけ」です。そして、ここからが高額商品の話になります。

理想の未来が大きければ大きいほど、価値は高くなります。これが、高額商品を売る基本です。

電車の切符で考えると、分かりやすいと思います。隣の駅までの切符と、遠くの街まで行く切符では、値段が違います。乗る車両が同じでも、連れていってもらう距離が違うからです。商品の価格も同じです。価格の根拠は、あなたがかけた準備の時間でも、持っている資格の数でもありません。お客様を、どこまで連れていくか。その未来の大きさが、価格の根拠になります。

逆に言えば、理想の未来が小さい商品は、高くは売れません。なぜ、高額商品が売れないのか——お客様が手に入れる「理想の未来」が小さすぎるから(記事022)で書いたとおり、お客様が自分で解決できてしまう程度の未来を到達点にしていると、いくら中身のいい商品でも、高い値段を払う理由がお客様の側にありません。

私は個別相談800人超、セッション6,000時間超の記録を持っていますが、「高額商品が売れない」という相談で話を聞いていくと、商品の内容はとても丁寧に説明できるのに、「その商品で、お客様はどこまで行けるのか」を一言で言えない方が少なくありません。未来を言えない商品に、お客様は大きなお金を払えません。

自分の商品の未来の大きさを確かめるには、次の三つを問いかけてみてください。

  1. お客様は今、どんな状態で困っているか(出発点)
  2. 商品を終えたとき、お客様はどんな状態になっているか(到着点)
  3. その差は、お客様がお金を払ってでも埋めたいと思うほど大きいか

三つ目に自信を持って「はい」と言えないなら、手を入れるべきは値段ではなく、未来の大きさです。

ここで値段を下げてしまう人が多いのですが、それは逆効果です。コーチングの価格設定の考え方——なぜ、安い商品ほど売れないのか(記事003)で書いたとおり、安い価格は謙虚さとしてではなく、「この商品は価値が低い」というメッセージとしてお客様に伝わります。そして安い価格は、次の章で書くように、お金を払うつもりのない客層を呼び寄せます。商品の中身とは別のところにある売れない理由、つまり自分の価格への自信のなさや、提案の場面での余計なひと言については、コーチングの高額商品が売れない本当の理由(記事002)にまとめました。あわせて読んでみてください。

高額商品を売りたければ、お金のない客層を集めない——タダの特典が集めるもの

タダの札の箱から、空の財布を持った人の列が出てくる図

投稿では、この基本の上で、「高額商品を売りたければ、お金のない客層を集めないこと」と書きました。

誤解のないように書いておきます。これは、お金のない人を見下す話ではありません。誰にでも、お金を使う順番や時期があります。今はお金をかけずに情報を集めたい、という時期の人もいます。それ自体は、何も悪いことではありません。ただ、高額商品を売りたいあなたにとって、その時期の人は、今のお客様ではない。それだけのことです。

では、なぜ、タダの特典はお金のない客層を集めてしまうのか。理由は単純で、タダで集まる人の多くは、タダで済ませたい人だからです。

「PDFを無料でプレゼント」「動画を無料で公開」。こうした特典に集まってくるのは、特典そのものが欲しい人です。特典を受け取った時点で、その人の目的は果たされています。その人の頭の中にあるのは「タダで何がもらえるか」であって、「お金を払ってでも手に入れたい未来」ではありません。入口で「タダ」を約束した相手に、あとから「お金を払ってください」と言うのは、とても難しいのです。

なぜ、タダで手に入る情報に価値がないのか(記事025)では、誰でも拾える河原の石ころに値段はつかない、と書きました。タダで配る特典も、受け取る側から見れば同じです。タダで配られたものを、人はあまり大事にしません。そして、タダのものを集めることに慣れた人は、次もタダのものを探します。

さらにやっかいなのは、配る側の考え方です。2年ほど前のお金がない人にはお金がない人が集まるという記事で、お金がない人は「お客様もお金がないと想像してしまいます」と書きました。自分にお金がないと、お客様もお金がないと思い込み、値段を下げ、タダの特典を配る。すると、1,000円なら払える人が集まる、とも書きました。その人たちには喜んでもらえます。しかし、高額商品を買う人は、そこにはいません。同じ記事で、理想の未来が大きいほど価値が高いのは当たり前だ、とも書いています。今回の投稿は、この話の続きです。

そして、ここに一番の勘違いがあります。タダの特典で集まった人の名簿を、「見込み客リスト」だと思ってしまうことです。

見込み客とは、本来、あなたの商品が連れていく理想の未来を欲しがっていて、そのためにお金を払うつもりのある人のことです。名簿に名前とメールアドレスが載っていることと、見込み客であることは、全く別の話です。特典をダウンロードした人は、特典の見込み客ではあっても、あなたの商品の見込み客とは限りません。

それでも勘違いしてしまうのは、数が目に見えるからです。登録者が増えていくと、努力が形になったような気がします。しかし、その数が増えるほど高額商品が売れるわけではありません。投稿に書いたとおり、そんなリストがあっても、高額商品は売れないのです。

冷たいリストをいくら集めても無駄——SNSのフォロワーを集めるのと同じ

冷たい人の群れを抱える人と、温かい2人と握手する人の対比図

投稿では、こうした名簿を「冷たいリスト」と呼びました。

冷たいリストとは、あなたの商品が連れていく理想の未来を、欲しがっていない人の名簿のことです。

反対に、温かいリストとは、その未来を本気で欲しがっていて、あなたの考え方を知ったうえで登録した人の名簿です。二つの違いを表にします。

観点 温かいリスト 冷たいリスト
登録したきっかけ 記事や発信を読み、この人から学びたいと思った タダの特典が欲しかった
欲しいもの 理想の未来 特典そのもの
あなたのこと 考え方を知ったうえで登録している ほとんど知らない
お金の考え方 未来のためなら、お金を払う できれば、お金を払わずに済ませたい
メールを送ったときの反応 読んで、返事や行動が返ってくる 開かれない、すぐに解除される
相談や高額商品へ進むか 自然に相談を申し込む人が出る 誘っても、ほとんど進まない
数が増えたときの意味 助けられる人が増える メールを送る手間が増えるだけ

冷たいリストの人も、人として何か悪いわけではありません。ただ、あなたの商品が連れていく未来を、欲しがっていない。それだけです。欲しがっていない人に何度メールを送っても、高額商品は売れません。

数が多いことの安心は、錯覚です。見込み客は「どこから来たか」で決まる(記事012)で書いたとおり、見込み客の質は、その人が「どこから来たか」で決まります。同じ講座に登録してもらっても、記事を読み込んで信頼してから来た人と、その場で初めて私を知って登録した人とでは、契約に至る割合がはっきり違いました。リストの温度は、集めたあとからでは変えにくい。入口で、ほとんど決まってしまうのです。

投稿に「SNSでフォロワーを集めるのと同じ」と書いたのは、このためです。フォロワーの数も、リストの数も、増えていくと安心します。しかし、なぜ、SNSを頑張っても毎月の利益は安定しないのか——ビジネスと「ビジネスごっこ」の違い(記事020)で書いたとおり、SNSは認知の入口であって、フォロワーを増やすだけで毎月の利益が出るわけではありません。フォロワーがどれだけ多くても、その中に理想の未来を欲しがっている人がいなければ、商品は売れません。リストも同じです。何千人の冷たいリストに一斉にメールを送るより、数人の温かい人ときちんと向き合う方が、高額商品は売れていきます。

時間の無駄遣いが、うまくいかない理由に直結する——助けてあげたいお客様に商品が届く順番

砂時計の横で、未来・場所・入口・商品を順につなぐ図

投稿の終わりに、「この時間の無駄遣いが、ビジネスがうまくいかない理由に直結します」と書きました。

冷たいリストを集めることは、お金よりも先に、時間を奪います。特典を作る時間。投稿や広告で特典を配る時間。集まった人に向けて、毎日メールを書く時間。反応がないので特典を増やし、また配る時間。本業を続けながらコーチングを仕事にしたい人にとって、使える時間は一日のうちのわずかです。そのわずかな時間を、あなたの商品を欲しがっていない人のために使い続けている。これが、頑張っているのにうまくいかない理由の一つです。

前回のなぜ、正しいことをやり続けているのにうまくいかないのか——ゴールは掛け算(記事029)で、お客様と出会ってから契約するまでを6つの項目に分けました。冷たいリストを集め続けている状態は、その中の「出会う場所」と「登録」が0になっている形です。出会う場所に、理想の未来を欲しがっている人がいない。登録の入口が、未来ではなく特典で人を呼んでいる。ここが0のままでは、その先のメールや相談をいくら磨いても、結果は動きません。

では、どうすればいいのか。順番を守ることです。助けてあげたいお客様に商品が届く順番は、次のとおりです。

  1. 理想の未来を理解する: お客様が、お金を払ってでも手に入れたい状態は何か。お客様の言葉で知る。
  2. その未来を欲しい人がいる場所に行く: 人が多い場所ではなく、その未来を欲しがっている人がいる場所で発信する。
  3. その人が反応する入口を用意する: タダの特典で人を呼ぶのではなく、理想の未来に向けて一歩動きたい人が入ってくる入口にする。
  4. 商品を届ける: 入口を通ってきた人に、理想の未来まで連れていく商品を提案する。

多くの人は、この順番を逆から始めます。先に商品を作り、次に特典を作って人を集め、集まった人に売ろうとして、売れない。すると「集客が足りない」と考えて、さらにリストを集める。こうして、冷たいリストが増えるほど、時間が消えていきます。

順番を守ると、集まる人の数は減るかもしれません。しかし、集まった人は、あなたの商品が連れていく未来を欲しがっている人です。助けてあげたいお客様とは、本来こういう人のはずです。数を追うのをやめたときに、はじめて、商品が届くべき人に届き始めます。

理想の未来とは、お客様がお金を払ってでも手に入れたい状態のことです。まずその未来を理解し、未来が大きいほど価値は高くなることを知り、その未来を本気で欲しい人を集める。タダの特典で数を集めても、それは冷たいリストで、いくら集めても高額商品は売れません。このことをしっかり理解して、助けてあげたいお客様に、あなたの商品が届くようにしてください。

よくある質問

無料の特典を配ること自体が、いけないのですか。

配ること自体が悪いのではありません。問題は、受け取った時点で目的が終わる人ばかりを集めてしまうことです。私のメルマガ講座も無料ですが、課題を出し、提出した人だけが先へ進む形にしています。受け取るだけでは終わらない入口にしておくと、理想の未来に向けて本気で動く人が残ります。配るなら、特典の中身より先に、誰が残る入口なのかを考えてください。

すでに集めてしまったリストは、どうすればいいですか。

捨てる必要はありません。ただ、そのリストに高額商品を売り込む時間を、これ以上増やさないでください。代わりに、あなたの商品が連れていく理想の未来について書き、それに反応した人と向き合います。冷たいリストの中にも、その未来を欲しがっている人が混ざっていることはあります。その人が見つかれば十分です。反応しない人のために、時間を使い続けないことです。

お金のない人も助けたいのですが、見捨てることになりませんか。

順番の問題です。まず、理想の未来を本気で欲しい人に商品を届けて、あなたのビジネスが続く形を作ってください。安い価格とタダの特典で全員を助けようとすると、時間もお金も足りなくなり、結局、誰も助けられなくなります。ビジネスが続いていれば、今はお金を払う時期ではない人にも、発信を通して役に立つことはできます。

フォロワーもリストも少ないのですが、それでも大丈夫ですか。

大丈夫です。大事なのは数ではなく、温度です。理想の未来を本気で欲しがっている人が数人いれば、高額商品を提案する相手はいます。数が少ないうちの方が、一人ひとりの言葉をきちんと聞けるので、理想の未来を理解するには、むしろ向いています。

お客様の理想の未来は、どうやって理解すればいいですか。

お客様に聞くことです。今、何に困っているのか。どうなりたいのか。そのために、これまで何にお金や時間を使ってきたのか。特に三つ目が大事です。人は、本気で欲しい未来のためには、すでに何かを差し出しています。その答えの中に、お客様がお金を払ってでも手に入れたい未来が見えてきます。自分の頭の中で想像した未来から始めないでください。

この記事の内容を、あなたのビジネスに当てはめて実践したい方へ。メールで課題を出し、私が直接添削する無料講座をやっています。読むだけの講座ではないので、本気の方だけどうぞ。
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この記事を書いた人

株式会社マインドコーチ 代表取締役 安達慎一

本業を続けながらコーチングを仕事にしたい方に、商品づくりと販売の道筋を支援しています。個別相談800人超・セッション6,000時間超。

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