なぜ、コンセプトが大事なのか。答えを先に書きます。コンセプトとは、お客様が手に入れる理想の未来のことだからです。お客様は、あなたができることにはお金を払いません。理想の未来が手に入る価値と、お金を交換しているだけです。「コーチングします」「占いができます」「カウンセリングができます」は、あなたができることの一覧であって、お客様の理想の未来ではありません。だから、売れません。ただし、理想の未来は大きければいいわけでもありません。お客様の現在地からかけ離れると、本当に手に入るのかと疑われて、やはり払われません。大事なのは、お客様が信じられる範囲の少し外側に商品を置くことです。この記事では、コンセプトの定義、お客様がお金を払う理由、価値を上げるほど信じられなくなる壁、客層が大事な理由、そして商品を置く位置の決め方を、順番に書きます。
先日、私はXにこう書きました——コンセプトとは、お客様が手に入れる理想の未来

先日、私はXとThreadsにこう書きました。なぜ、コンセプトが大事か理解していますか。コンセプトは「お客様が手に入る理想の未来」です。コーチングします、占いができます、カウンセリングできます、はお客様の理想の未来ではなく、あなたができることを並べているだけです。それでは、お客様はお金を払いません。お金を払う理由は、お客様の理想の未来が手に入る価値との対価の交換です。もし、毎月100万円が本当に手に入るとしたら、月々30万円を払っても安いですよね。ただし、本当に手に入るのかどうかが疑われるから払わないだけです。価値が高くなればなるほど、お客様のコンフォートゾーンから離れていくので、信じられなくなります。だから、客層がとても大事だということです。このバランスの中央値に商品を置くことが、利益を最大化できるコツです。
短い投稿なので、言葉を定義しておきます。
コンセプトとは、その商品を買ったお客様が、いつまでに、どんな状態になっているか、を一文で言い切ったもののことです。
コンセプトは、商品名でも、キャッチコピーでも、あなたの資格や手法の一覧でもありません。お客様の側に立って、「この商品を買うと、私はこうなる」と言える一文です。私は個別相談800人超、セッション6,000時間超の記録を持っていますが、売れていないコーチの商品を見ると、ほとんどの場合、この一文がありません。あるのは「私はこれができます」の一覧です。コンセプトが無いのではなく、コンセプトだと思っているものが、できることの一覧になっているのです。
なぜ「コーチングします」ではお金を払わないのか——できることの一覧は、お客様の未来ではない

「コーチングします」と書いても、お客様はお金を払いません。理由は簡単で、お客様は「コーチング」が欲しいわけではないからです。お客様が欲しいのは、コーチングを受けた先にある、自分の変化です。お客様が自分の未来を思い浮かべられない言葉には、お金を払う理由がありません。
できることの一覧と、理想の未来の違いを、表にしておきます。
| できることの一覧(売れない) | 理想の未来(売れる形) |
|---|---|
| コーチングします | 3ヶ月後に、本業を続けながら月10万円の売上が立っている |
| 占いができます | 半年迷っていた転職を、1ヶ月で決めて動き出している |
| カウンセリングできます | 夜に眠れない日が、3ヶ月でほぼ無くなっている |
| 資格を5つ持っています | (資格は手段なので、未来の文には出てこない) |
| セッションを月2回、Zoomで行います | (形式は手段なので、未来の文には出てこない) |
左の列を見てください。全部、主語があなたです。右の列は、主語がお客様です。ここが、コンセプトのあるなしの分かれ目です。お客様がお金を払うのは、右の列だけです。左の列は、右の列を手に入れるための道具にすぎません。道具の名前を並べられても、お客様には、それで自分がどうなるのかが分かりません。分からないものには、お金を払えないのです。
「できること」と「売れること」が違う、という話は、なぜ、好きなこと・できることでは稼げないのか(記事016)で書きました。この記事では、その先の「コンセプトの形」に絞ります。できることの一覧を、お客様の未来の一文に書き換える。これが、コンセプトを作る、ということです。
お客様がお金を払う理由は一つ——理想の未来が手に入る価値との、対価の交換

お客様がお金を払う理由は、一つしかありません。理想の未来が手に入る価値と、お金との交換です。それ以外の理由で払われることはありません。あなたが一生懸命だから、資格をたくさん持っているから、人柄がいいから、では払われません。払われるのは、その未来に、そのお金を払う価値があると、お客様が判断したときだけです。
私の投稿の例で言います。もし、毎月100万円が本当に手に入るとしたら、月々30万円を払っても安いですよね。1年で360万円払って、1年で1,200万円手に入るなら、誰でも払います。逆に、月々3,000円でも、その先に何も手に入らないなら、払いません。安いから払う、高いから払わない、ではないのです。手に入る未来の価値と、払う額の釣り合いで決まります。
この話は、昔の記事ビジネスは物々交換だが・・・にも書きました。価値が高い方が値段が高いのは当たり前で、逆に言えば、値段は、あなたがお客様の未来にどこまで責任を持つかの表れです。価格の決め方そのものは、コーチングの価格設定の考え方(記事003)に書いてあるので、ここでは繰り返しません。
ここで大事なのは、次の一点です。お客様が払わないのは、高いからではありません。「本当に手に入るのか」を疑っているからです。毎月100万円が手に入るなら30万円は安い、と頭では分かっていても、「この人に頼んで、本当に自分が100万円になるのか」が信じられなければ、1円も払いません。値段の問題に見えて、実は、信じられるかどうかの問題なのです。次の章で、ここを掘ります。
価値を上げるほど、信じられなくなる——お客様の「信じられる範囲」という壁

ここが、この記事で一番大事なところです。多くの商品は、価値が高ければ高いほど、値段が高くなります。これは当たり前です。ところが、価値が高くなればなるほど、お客様のコンフォートゾーンから離れていきます。コンフォートゾーンとは、お客様が「自分にも起きる」と自然に思える範囲のことです。その範囲から離れた未来は、いくら魅力的でも、信じられません。信じられない未来には、お金を払えません。
例で言います。今、月に5万円しか売上のない人に、「1年後に月100万円」と言ったら、どう聞こえるでしょうか。嘘に聞こえます。本人の中に、月100万円の自分が、まったく想像できないからです。一方で、同じ人に「3ヶ月後に月15万円」と言ったら、どうでしょうか。これなら、届くかもしれない、と思えます。今の3倍で、やることの見当もつく範囲だからです。同じ人に、同じコーチが提案しても、未来の大きさによって、信じられるかどうかが変わるのです。
つまり、理想の未来は、二つの方向で失敗します。
- 小さすぎる未来。「自信をつけたい」のように、自分で解決できてしまう未来。高額では売れません。これはなぜ、高額商品が売れないのか——理想の未来が小さすぎるから(記事022)で書きました。
- 大きすぎる未来。「月5万円の人に月100万円」のように、お客様の現在地からかけ離れた未来。信じられないので、売れません。この記事の話です。
前回の記事で「理想の未来を大きくしなさい」と書いたので、大きくすればするほどいい、と受け取った方もいると思います。違います。大きくするほど価値は上がりますが、同時に、信じてもらえる人が減ります。価値と、信じられる度合いは、反対方向に動きます。この二つの釣り合いを取るのが、コンセプトを決める、という作業です。
だから、客層が大事——同じコンセプトでも、誰に見せるかで「距離」が変わる

ここまで読むと、気づくことがあります。信じられるかどうかは、未来の大きさだけで決まるのではない、ということです。お客様の現在地で決まります。「1年後に月100万円」は、月5万円の人にはかけ離れた未来ですが、月40万円の人には、少し先の未来です。同じコンセプトでも、誰に見せるかで、距離が変わるのです。だから、客層がとても大事です。
売れないコーチの多くは、コンセプトの問題だと思っている場所で、実は客層の問題を抱えています。「月100万円になる商品」を、月0円の人に見せて、「信じてもらえない」と悩んでいるのです。その商品は、悪くないかもしれません。見せている相手が、遠すぎるだけです。同じ商品を、月30万円の人に見せれば、信じられる範囲に入ります。
逆もあります。安い価格帯で売っていると、その周りには、その価格帯のお客様が集まります。昔の記事お金がない人にはお金がない人が集まるに書いたとおりです。その層に、高い価値の商品を見せても、かけ離れて見えます。コンセプトを大きくしたのに売れなくなった、という人は、商品を変えたのに、見せている客層を変えていないことがほとんどです。
客層を決める、というのは、お客様を選り好みすることではありません。あなたのコンセプトが「信じられる範囲の少し外側」に入る人は誰か、を決めることです。それが決まると、書く言葉も、出す場所も、体験セッションで聞くことも、全部決まります。逆に、客層を決めずにコンセプトだけ立派にすると、届く人には小さすぎ、届かない人には大きすぎる、という宙ぶらりんの商品になります。
利益を最大化する置き場所——「信じられる範囲の少し外側」に商品を置く手順

投稿では「バランスの中央値に商品を置く」と書きました。コンフォートゾーンの内側は、自分でできてしまうので売れません。かけ離れた外側は、信じられないので売れません。売れるのは、その中間、信じられる範囲の少し外側です。ここに商品を置くと、価値は十分に高く、かつ、信じてもらえる人が一番多くなります。だから、利益が最大になります。手順にします。
- お客様の現在地を聞く。今の売上、今の状態、今の困りごと。私はメルマガの最初で、現状と1年後の理想の未来を聞いています(お客様の理想の未来は本当にどこなのか)。現在地を聞かずにコンセプトは決められません。
- お客様が口にする理想の未来を、そのまま書き出す。飾らず、本人の言葉で。「月30万円」「毎日の不安が消える」など。
- 現在地と理想の未来の距離を測る。今の何倍か、何ヶ月先か。ここで「かけ離れているか」「自分でできてしまうか」を見ます。
- 信じられる範囲の少し外側に、到達点を置く。自分ひとりでは届かないが、手伝いがあれば届くと本人が思える位置です。今の2〜3倍、3ヶ月から1年、が目安になることが多いです。
- その到達点を、一文にする。「◯ヶ月後に、◯◯の状態になっている」。これがコンセプトです。主語はお客様です。
- 価格を、その未来の価値から決める。相場からではありません。
- その到達点が「少し外側」に入る客層を確認する。合わないなら、商品を変えるのではなく、見せる相手を変えます。
手順の4で、「少し外側」の位置は、一度で決まりません。体験セッションで話してみて、「それなら、できそう」と言われる位置と、「本当ですか」と疑われる位置の、境目を探します。何人か話すと、境目が見えてきます。その境目の少し内側が、あなたのコンセプトの置き場所です。
そして、置き場所が決まったあとに、もう一つ問題が残ります。同じ未来に連れて行くライバルが他にもいるとき、なぜあなたに頼むのか、です。これはなぜ、あなたの商品は選ばれないのか(記事023)に書きました。順番としては、まずコンセプト(未来と、その置き場所)、次に選ばれる理由、です。未来が決まっていないまま、選ばれる理由を作ることはできません。
コンセプトは、飾りではありません。お客様が手に入れる理想の未来を、信じられる位置に置いたものです。できることを並べるのをやめて、お客様の未来を一文で言い切ってください。そして、その一文を、届く人に見せてください。そうすれば、お客様は自分でお金を払う理由を見つけます。あなたが説得する必要は、ありません。
よくある質問
コンセプトと、記事022の「理想の未来」は、何が違うのですか。
同じものを、違う角度から見ています。記事022では、理想の未来が小さすぎると高額では売れない、と書きました。この記事では、理想の未来を大きくしすぎると信じられなくなる、と書きました。コンセプトとは、その二つの間の、信じられる範囲の少し外側に置いた理想の未来のことです。小さすぎず、かけ離れず、の位置です。
「月100万円」のような数字を、コンセプトに入れていいのですか。
お客様が現在地から信じられる数字なら、入れてかまいません。問題は数字そのものではなく、見せる相手との距離です。月40万円の人に「1年後に月100万円」は届く未来ですが、月0円の人には遠すぎます。数字を入れるなら、その数字が「少し外側」に入る客層に見せてください。合わない相手に見せて信じられないのは、数字のせいではありません。
コンフォートゾーンの外側を扱うのが大事、とも聞きます。矛盾しませんか。
矛盾しません。外側を扱うのは大事です。内側は自分でできてしまうので、商品になりません。ただし、かけ離れると、信じられなくなって、お客様が減ります。少し外側、が答えです。自分ひとりでは届かないが、手伝いがあれば届くと思える位置。その境目は体験セッションで話すと見えてきます。
客層を絞ると、お客様の数が減りませんか。
見せる相手の数は減りますが、払う人の数は増えます。今は、遠すぎる人と近すぎる人の両方に見せて、どちらからも払われていない状態です。信じられる範囲に入る人だけに見せると、見た人のうち払う人の割合が上がります。母数が減っても、契約は増えます。集客の数ではなく、契約の数で考えてください。
コンセプトを決めたら、資格や手法のことは書かなくていいのですか。
書いてもかまいませんが、コンセプトの後ろに置いてください。お客様はまず「自分がどうなるか」を見て、それから「どうやって連れて行くのか」を確かめます。資格や手法は、後半の「どうやって」の答えです。前に出すと、できることの一覧に戻ってしまいます。順番は、未来が先、手段が後です。
この記事の内容を、あなたのビジネスに当てはめて実践したい方へ。メールで課題を出し、私が直接添削する無料講座をやっています。読むだけの講座ではないので、本気の方だけどうぞ。
→ コーチングを本気で仕事にするメルマガ講座(各回メールコンサル付き)


