何を学ぶかより、誰から学ぶか。答えを先に書きます。何を学ぶかは、いまや誰でも教えられるからです。本を読んで要点をまとめれば、あるいは生成AIに中身を作らせれば、どんな教材でも作れる時代になりました。しかし、誰から学ぶかは、その人本人の経験が加わるので、内容の深さがまるで変わります。そして、稼げている人は2種類しかいません。自分のスキルをお金に変えている人と、お金に変える方法を教えている人です。前者から学べることはたくさんありますが、お金に変える方法は教えてくれません。後者は10人に1人ほどで、その1割にも当たり外れがあります。この記事では、その「誰から」を見分けるための5つのチェックポイントを、私自身を検証の対象に含めて書きます。以前にコーチングは怪しいのかで、契約前の確認(実物と実績・「絶対」を言わないか・成約実績の出し方・契約書)を書きました。今回はその先、メンターとしての資格——本人の経験、立ち位置、責任の取り方——の話です。
何を学ぶかは、誰でも教えられる時代になった——教材は本と生成AIで作れる

先日、私はXにこう書きました。何を学ぶかは、誰でも教えられる。本を読んだり、生成AIに中身を作らせたりすれば、どんな教材でもできる。しかし、誰から学ぶかは、その人本人の経験が加わるので、内容がかなり深くなる、と。
言い換えると、「何を学ぶか」の価値は、この数年で大きく下がりました。かつては、集客の方法、セールスの手順、商品の作り方といった「何」を知っているだけで、教える側に立てました。知っている人が少なかったからです。いまは違います。本は何冊でも手に入り、動画は無料で見放題で、生成AIに頼めば、もっともらしい講座の目次が数分で出てきます。教材の中身だけを比べたら、どれも似たようなものになります。同じ本、同じ情報源から作られているのですから、当然です。
では、何が違うのか。教える人の経験です。同じ「集客の方法」を教えるにしても、実際に自分の商品を売って、失敗して、直して、また売ってきた人の言葉には、教材には書けない部分が入ります。うまくいかないときに何が起きるか。どこで手を抜くと、どこで跳ね返ってくるか。そういう部分は、本人が通ってきた道からしか出てきません。ここで、言葉を定義しておきます。
メンターとは、あなたが目指している未来をすでに手に入れていて、その道のりを自分の経験として語れる人のことです。教材を持っている人ではなく、通ってきた道を持っている人です。
この定義に当てはまる人から学ぶのが、一番の近道です。あなたが目指している理想の未来を、まだ手に入れていない人からも、「何」は学べます。しかし、その人は道のりを知りません。地図は描けても、実際に歩いたことがない。道のりを知らない人の地図は、きれいに整っていて、肝心なところが抜けています。抜けている場所は、歩いてみて初めて分かります。そのときには、もう教材の代金を払い終わっています。
私は2020年に何を学ぶかよりも、誰から学ぶかという記事を書きました。当時は、まだ生成AIはありませんでした。それでも同じことを書いていたのは、教材の中身が同質化する流れが、すでに始まっていたからです。あれから6年たって、その流れは、決定的になりました。何を学ぶかで選んでいる人は、いま、いちばん差がつきにくいところで自己投資をしていることになります。
稼げている人は2種類しかいない——お金に変える方法を教えている人は、10人に1人

誰から学ぶか、を考えるときに、私が個別相談で繰り返し伝えてきた原則があります。稼げている人は、2種類しかいない、ということです。
1種類目は、自分のスキルをお金に変えている人です。コーチングが上手い人、デザインが上手い人、文章が上手い人。この人たちからは、そのスキルについて学べることがいっぱいあります。ただし、この人たちは、お金に変える方法は教えてくれません。教えないのではなく、教えられないことが多いのです。本人は、スキルとお金の変換を、いつの間にかできるようになっていて、それを手順として言葉にしたことがないからです。この人たちの講座で学ぶと、スキルは上がります。しかし、稼げるようにはなりません。以前にスキルを増やしても稼げない理由で書いたのは、まさにこの構図です。
2種類目は、お金に変える方法を教えている人です。スキルをどう商品にして、誰に、いくらで、どう売るか。この部分を、自分の経験として教えられる人です。個別相談800人超の記録を振り返っても、相談に来られた方の多くが、それまでに1種類目の人から学んでいました。学んだ内容は立派で、スキルもある。ところが、お金に変える方法だけを、誰からも教わっていない。だから稼げていない。この形が、圧倒的に多いのです。
そして、ここが肝心なのですが、2種類目の人は、10人に1人ぐらいしかいません。しかも、その1割にも、当たり外れがあります。ネット上で探しても、あまりいない。表面的なことを言っている人は、いっぱいいます。「稼ぐ方法を教えます」と看板を出している人の多くが、実は1種類目か、あるいはどちらでもない人です。看板では見分けがつきません。看板は、誰でも出せるからです。教材と同じで、看板もまた、本と生成AIで作れます。
「誰から学ぶか」というのは、この2種類目の、当たりの人を見分ける話です。1種類目の人を否定しているのではありません。スキルを上げたい段階なら、1種類目の人から学ぶのが正解です。ただ、稼げるようになりたいのなら、学ぶ相手は2種類目でなければならない。その見分け方を、次の章で5つに分けて書きます。
誰から学ぶかを見分ける、5つのチェックポイント

私がXに書いたチェックポイントに、理由をつけて並べます。どれも、ホームページとプロフィールを見れば、契約前に確かめられるものです。特別な情報は要りません。
| チェックポイント | 何を見るか | なぜ見るか |
|---|---|---|
| ① 会社にしているか | 株式会社・合同会社などの法人か、個人事業主か | 個人事業主のままなら、多くの場合、年商は1000万円以下の規模です。稼ぎ方を教える人の稼ぎが、その規模で止まっている可能性があります |
| ② 個人名を出しているか | 本名が明記されているか。会社概要に代表者名があるか | 個人名を出せないなら、何らかの理由があります。その理由を明記しているかが重要です。会社概要に個人名が書いてあれば大丈夫です |
| ③ 顔を出しているか | 本人の写真があるか。いまなら、AI画像にしていないか | 顔を出すというのは、自分の名前と顔で結果に責任を持つ、という宣言です。AI画像や後ろ姿だけの人は、その責任を負わない立ち位置を選んでいます |
| ④ 商品に返金保証がついているか | 保証の有無と、返金の条件 | 教え方に責任を持っている人は、結果が出なかったときの引き受け方を決めています。条件は確認してください。現実的に満たせない条件なら、ないのと同じです |
| ⑤ あなたが目指す未来を、すでに手に入れているか | その人の現在の働き方・売上規模・生活が、あなたの目標と重なっているか | あなたが目指している理想の未来を手に入れている人から学ぶのが、一番です。①〜④は足切り、⑤が決め手です |
①と②について、補足します。会社にしているかどうかを見るのは、法人が偉いという話ではありません。稼ぎ方を教える、と言っている人の、実際の稼ぎの規模を推し量る目安です。個人事業主のままなら、多くの場合、年商は1000万円以下の規模でしょう。売上がそれを超えてくると、税金の面で法人にしたほうが有利になりますから、多くの人は会社にします。それをしていないということは、そこまでの規模にまだ達していないか、達していても会社にしない理由がある、ということです。理由があるなら、それが書いてあるかを見てください。
個人名も同じです。個人名を出せないのは、勤め先の副業規定、家庭の事情など、いろいろな理由がありえます。理由があること自体は、問題ではありません。問題は、理由を書かずに隠していることです。会社概要に代表者の個人名が書いてあれば、それで十分です。書いていなければ、なぜ書いていないのかを、一度、聞いてみてください。答え方で分かります。
③の顔は、いま、特に確かめる必要が出てきました。生成AIで、それらしい人物の画像が簡単に作れるからです。本人の写真ではなく、AIで作った画像をプロフィールに使っている人が、実際に増えています。顔を出すというのは、自分の名前と顔で、結果に責任を持つ、という宣言です。その宣言を、AI画像で代用している人は、責任を持たない側に立っている、と私は見ます。教材も看板も、そして顔まで、作れる時代です。だからこそ、本人が出ているかどうかが、以前より重い意味を持つようになりました。
④の返金保証は、責任の取り方が形になっているかどうかです。ただし、保証がある、というだけで安心しないでください。返金の条件を確かめてください。「課題をすべて提出したうえで」「一定の期間内に申請」といった条件が、現実的に満たせるものかどうか。満たせない条件がついている保証は、ないのと同じです。逆に、返金保証という形をとっていなくても、結果が出なかったときにどうするかを、契約の前に自分の言葉で説明できる人は、責任の取り方を持っています。形より、中身を見てください。
⑤は、①〜④とは、種類が違います。①〜④は、その人が「教える側に立つ資格」を持っているかどうかの足切りです。⑤は、その人が「あなたの」メンターとして合っているかどうかです。会社にしていて、名前も顔も出していて、保証もついている。それでも、その人の現在の働き方が、あなたの目指す未来と違うなら、その人から学んでも、その人の未来に近づくだけです。年商1億円を目指す人が、週休5日で年商3000万円の人から学んでも、道が違います。逆も同じです。自分が何を手に入れたいのかを先に決めて、それをすでに持っている人を探す。この順番です。
私は2018年にコーチを付ける際の稼いでいるコーチの見分け方という記事を書きました。あの記事で書いたのは「その人が本当に稼いでいるか」の見分け方でした。今回の5つは、その先です。稼いでいるだけでなく、教える側として責任を負う立ち位置にいるか。そして、あなたの目指す未来を持っているか。8年前の記事に、この2つの軸を足した形になります。
私自身も、この5つで検証してください——会社・個人名・顔・延長保証

ここまで書いた以上、私自身がこのチェックを通るのかを、書いておく必要があります。読者のあなたは、私を含めて検証してよい、というのが、この記事の立場です。自分を例外にした見分け方は、見分け方として信用できません。
①会社。私は株式会社マインドコーチとして、設立から8年、この9月から9期目に入りました。②個人名。安達慎一という本名で、会社概要にも代表者名として出しています。③顔。このブログにも、他の媒体にも、本人の写真を出しています。AI画像ではありません。④保証。ここは、正確に書きます。私の商品には、返金保証はついていません。代わりに、延長保証をつけています。決められた期間で結果が出なければ、期間を延ばして続ける、という形です。
なぜ返金ではなく延長なのか。返金は、結果が出なかったときに、お金を返して関係を終える形です。私の仕事は、稼げるようになってもらうことなので、お金を返して終わりにするのは、責任を果たしたことにならない、と考えています。途中で終わりにせず付き合い続ける、というのが、私の責任の取り方です。もちろん、これは私の考え方であって、返金保証のほうが合う人もいるでしょう。大事なのは、どの形であれ、結果が出なかったときにどうするかを、契約の前に決めて、明記していることです。それが④の中身です。
⑤は、私が答えることではなく、あなたが判断することです。私がいま持っているのは、夫婦二人で経営し、週休5日で年商3000万円という働き方です。これが、あなたの目指す未来と重なるなら、私はあなたのメンターの候補に入ります。重ならないなら、①〜④を満たしていても、別の人を探したほうがいい。それでいいのです。5つのチェックは、私に有利になるように作ったものではありません。実際、⑤で私が外れる人は、たくさんいます。組織を大きくしたい人、年商を桁で上げたい人には、私は合いません。その人たちには、それを持っている人から学んでほしいと、本気で思っています。
「誰から学ぶか」に自己投資すると、ゴールには案外早く着く

最後に、自己投資の配分の話をします。何を学ぶかより、誰から学ぶかを重点的に自己投資すると、案外、ゴールには早く到達します。私が見てきた範囲で、これは、はっきりした傾向です。
理由は、ここまで書いたとおりです。「何」は、いまや安く手に入ります。本、動画、生成AI。ほとんど無料か、それに近い値段です。ここに大きなお金をかけても、同じ「何」を持っている人が周りに大勢いるので、差がつきません。一方で、「誰」は、安くありません。その人の経験を、その人から直接受け取るのですから、値段がつきます。しかし、その経験には、教材には書けない部分が入っています。うまくいかないときの直し方、手を抜いていい場所と抜いてはいけない場所。これは、通ってきた人からしか受け取れません。
自己投資で失敗する人は、たいてい、「何」にお金をかけています。集客の講座、セールスの講座、ライティングの講座。それぞれ立派な内容で、受け終わると、知識は増えます。しかし、稼げるようにはならない。なぜなら、そのどれもが、1種類目の人が教える「スキル」の話か、あるいは誰でも作れる教材の話だからです。講座を3つ受けて、知識が3つ分増えて、売上は変わらない。この形を、私は何度も見てきました。お金に変える方法を、道のりとして知っている人から、まとめて受け取るほうが、結果として、安くつきます。
順番を整理します。まず、自分が目指す未来を決める。次に、その未来をすでに手に入れている人を探す。候補が見つかったら、会社・個人名・顔・保証の4つで足切りをする。残った人に、契約前の確認(実物と実績、「絶対」を言わないか、成約実績の出し方、契約書)をする。ここまで通った人が、あなたのメンターの候補です。この順番なら、看板と教材の見た目に振り回されることは、ほとんどなくなります。
なお、メンターは1人でなくてかまいません。2025年にメンターは1人でなくても良いと書いたとおり、段階や課題によって、学ぶ相手が変わることは自然です。ただし、同時に何人もから学ぶと、教えが食い違ったときに動けなくなります。1つの課題に、1人。これが目安です。
まとめます。何を学ぶかは、誰でも教えられる時代になりました。本と生成AIで、どんな教材でも作れます。しかし、誰から学ぶかは、その人本人の経験が加わるので、内容がまるで違います。稼げている人は2種類しかいません。スキルをお金に変えている人と、お金に変える方法を教えている人。後者は10人に1人で、その1割にも当たり外れがあります。見分けるための5つは、会社にしているか、個人名を出しているか、顔を出しているか、返金保証とその条件、そしてあなたの目指す未来をすでに持っているか。私自身も、この5つで検証してください。何を学ぶかより、誰から学ぶかに自己投資する。それだけで、ゴールへの距離は、案外、縮まります。もしいま、何かの講座に申し込もうとしているなら、その前に一つだけ確かめてみてください。その講座の中身ではなく、教えている人は、あなたの目指す未来を、すでに持っていますか。
よくある質問
個人事業主のコーチから学ぶのは、やめたほうがいいですか?
一律にやめる必要はありません。会社にしているかどうかは、稼ぎの規模を推し量る目安であって、人柄や教える力の判定ではないからです。ただ、「稼ぎ方を教える」と言っている人については、その人自身の稼ぎの規模を確かめる意味があります。個人事業主のままなら、多くの場合、年商1000万円以下の規模です。あなたの目指す売上がそれ以下なら、問題ありません。それ以上を目指すなら、その規模をすでに超えている人を探してください。
本名も顔も出していないけれど、内容が良さそうな人がいます。避けるべきですか?
内容が良さそうに見えるのは、いまの時代、当てになりません。教材の中身は、本と生成AIで誰でも作れるからです。本名と顔を出していないなら、なぜ出していないのかを、契約の前に一度、直接聞いてみてください。勤め先の規定や家庭の事情など、正当な理由があって、それを説明できる人なら、候補に残していいと思います。理由をはぐらかす人、あるいはAI画像で本人のように見せている人は、結果に責任を持たない立ち位置を選んでいる人です。避けたほうがいいでしょう。
返金保証がついていれば、安心して契約していいですか?
保証の有無より、返金の条件を見てください。「課題をすべて提出したうえで」「一定の期間内に申請」といった条件が、現実的に満たせるものかどうかです。満たせない条件がついている保証は、ないのと同じです。逆に、返金保証という形ではなくても、結果が出なかったときにどうするかを、契約の前に自分の言葉で説明できる人は、責任の取り方を持っています。私自身は返金ではなく、期間を延ばして続ける延長保証という形をとっています。形より、中身で判断してください。
「誰から学ぶか」を優先すると、費用が高くなります。それでも優先すべきですか?
優先すべきだと、私は考えています。「何」は安く手に入り、同じ「何」を持っている人が大勢いるので、差がつきません。「誰」は安くありませんが、教材には書けない部分、つまり通ってきた道からしか出てこない部分を受け取れます。講座を3つ受けて知識が3つ分増えても、売上が変わらなければ、その費用は全部が損です。お金に変える方法を知っている人から、まとめて受け取るほうが、結果として安くつく場合が多いのです。ただし、その「誰」が本当に当たりかどうかは、5つのチェックポイントで先に確かめてください。高いから当たり、ではありません。
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