コーチングの体験セッションで断られたら?副業コーチが次の提案に生かす振り返り方

コーチングの体験セッションで断られたら?副業コーチが次の提案に生かす振り返り方

会社の仕事を終え、準備をして臨んだ体験セッション。話は盛り上がったのに、継続サービスを案内すると「今回は見送ります」と言われた。

がっかりするのは自然なことです。限られた時間を使っているからこそ、「自分の伝え方が悪かったのか」「もっと安ければ申し込んでもらえたのか」と考えてしまうかもしれません。

ただ、断られた直後に、価格や商品を全部変える必要はありません。最初にするのは、相手の判断を受け止め、何を案内し、どんな返事があったのかを残すことです。その記録をもとに、次の提案で見直す場所を一つ選びます。

コーチングの体験セッションは、自分の価値を採点してもらう場ではありません。相手が求めている支援と、自分が提供できる支援が合うかを確認する場でもあります。今回は、断られた一件を、次の仕事につなげるための振り返り方をお伝えします。

目次

まず、相手が出した答えを受け止める

見送りを伝えるお客様と、会釈して受け止めるコーチが向かい合う図

「今回は見送ります」と明確に伝えられたら、その意思を受け止めます。そこから相手を説得し続けることと、今後の改善のために振り返ることは、分けて考えてください。

自分ではよい商品だと思っていても、その人にとって今必要なものとは限りません。支援内容が合っていても、時間や費用の条件が合わないこともあります。買うかどうかを決めるのは、お客様です。

例えば、「分かりました。今日はお話しいただき、ありがとうございました」と返して終了することができます。相手が理由を話してくれたなら聞きますが、説明を求め続ける必要はありません。

「今契約しないと、ずっと変われませんよ」と未来を決めつける言い方も不要です。相手のためだと思っていても、確認できていないことを断定すれば、安心して選べる関係から離れてしまいます。

断りを受け入れると、何も改善できないわけではありません。自分が伝えた内容、相手から出た質問、確認しそびれたことは、相手を引き止めなくても振り返れます。まずは、そこから始めます。

「契約にならなかった」だけでは、記録が足りない

×印だけのカレンダーと、相手の希望・案内した内容・相手の反応の3つの欄があるノートの対比の図

予定表に「体験一件、契約なし」とだけ残していると、後から見ても何が起きたのか分かりません。次に同じ場面が来たとき、また感覚で判断することになります。

残しておきたいのは、結果に加えて、相手の希望、案内した内容、相手の反応です。詳しい個人情報を集めることが目的ではありません。商品と提案を見直すために必要な範囲で、短く整理してください。

相手の希望には、「どんな状態を変えたかったか」を書きます。「自信がない」という言葉が出たなら、どんな場面で困り、どうなればよいと話していたのか。会話で確認できた範囲を残します。

案内した内容には、提案した支援の目的、期間、進め方、価格を書きます。同じ商品名でも、その場で説明を変えている場合があります。後から比較するためには、実際に何を伝えたかが必要です。

相手の反応には、質問されたことや、見送りについて伝えられた言葉を残します。正確な表現を覚えていなければ、引用のように書かず、「要旨」と分かる形にします。

録音や個人情報の持ち出しを前提にする必要はありません。手元の記録でも、名前の代わりに管理番号を使い、仕事の改善に不要な事情は残さない方法があります。特に、相談相手や外部のサービスへ共有するときには、誰の話か分かる細部をそのまま渡さないようにしてください。

「高いです」を聞いて、すぐに値下げしない

値札にハサミを入れようとして止まった手と、虫眼鏡で値札を確かめる手の図

価格について断られると、「自分の商品には、その値段の価値がない」と受け取ってしまうことがあります。しかし、「高い」という一言だけでは、どこが合わなかったのかまでは分かりません。

予算を超えているのか。何をしてもらえるか分からないまま金額を聞いたのか。別の商品と比べているのか。支援は理解したけれど、今はそこまでの費用をかけたいと思っていないのか。考えられることは複数あります。

もちろん、本当に価格が合わない場合もあります。「価値が伝われば誰でも払える」と考えるのも違います。必要だと感じることと、無理なく支払えることは別です。

そこで、まず自分が何を説明したかを見ます。回数と時間だけを伝えていたなら、その支援で何を扱うのかを説明できていたか。相手の希望を確認せずに商品説明を始めていたなら、その順番を見直せます。

一方で、説明はできていて予算が合わなかったのなら、毎回値下げして合わせることが、自分の事業として続けられるかも考える必要があります。提供できる範囲を超えて特典を足すことも、同じです。

価格を変える判断は、断られた瞬間の不安を消すためではなく、対象と支援内容、提供に必要な負担を見直したうえで行います。一人の反応を、すべてのお客様の評価として扱わないことです。

「自分でやります」は、一つの理由とは限らない

1つの吹き出しから、考えの整理・必要性・課題のずれ・断る言い方の4方向へ点線が分かれる図

「自分でやってみます」と言われることもあるでしょう。この言葉を聞いて、「支援の必要性を理解していない」と決めつけてしまうと、その後の振り返りが狭くなります。

体験で考えが整理され、まず試すことが決まったのかもしれません。継続して頼むほどの必要性は感じなかったのかもしれません。案内した支援が、今の課題とは違った可能性もあります。断るための簡潔な表現として使ったのかもしれません。

理由を教えてもらっていなければ、分からないまま残して構いません。相手の内心を、自分に都合のよい説明で埋めないことです。

ここで自分に問えるのは、体験で扱ったことと、継続支援で扱うことの違いを説明できたかどうかです。「もっと深くできます」だけでは、次に何を頼むのかが見えにくいかもしれません。

例えば、体験では行動の候補を整理し、継続では実行後の振り返りや計画の修正を支援する、という商品なら、その違いを具体的に伝えられます。ただし、それがあなたの実際の提供内容であることが前提です。

違いを伝えたうえで、自分で進めたいという人がいるのも自然です。体験で役に立てたことと、その場で継続契約にならなかったことは、両立します。役に立つ話を隠して、契約しなければ前に進めないようにする必要はありません。

理由を聞くなら、交渉ではなく任意の質問にする

封筒から小さな吹き出しが1つ出ていて、隣に自由に出入りできる開いた扉がある図

今後の改善のために理由を聞きたい場合は、相手が答えない選択もできる形にします。断った理由まで説明する義務があるかのように扱わないことです。

例えば、「今後の案内を見直す参考に、内容で分かりにくかった点があれば教えていただけますか。回答は不要でも大丈夫です」と、一つだけ聞く方法があります。これは文面の例であり、実際の場面では相手との関係に合わせてください。

「何を変えれば買いますか」と聞くと、商品への意見ではなく、その場で買う条件を出す交渉として伝わる場合があります。今回は改善のために聞くのであれば、その目的をはっきりさせます。

返事がなければ、追いかけて理由を求めません。すでに連絡を望まないと言われているなら、質問自体を送らないことです。

また、答えてくれた意見を、すべて採用する必要もありません。面談の回数を増やしてほしいという希望があっても、支援の目的や自分の提供体制に合うかは別に確認します。相手の意見は大切な材料ですが、そのまま商品の仕様書になるわけではないのです。

仮の例:変えたのは価格ではなく、説明の順番

希望を聞く耳、つながりを示す歯車、回数と料金の値札とカレンダー、の順に並ぶ3つの矢印の図

ここからは、振り返り方を示すための仮の例です。実際のお客様の事例や成約実績ではありません。

会社員として働きながら、休日にコーチングを提供する人がいるとします。体験では、相手が仕事の優先順位に悩んでいると分かりました。継続サービスを案内しましたが、返事は「少し考えます。その後は自分でやってみます」でした。

コーチは最初、「価格を下げなければ」と考えました。しかし、説明した内容を書き出してみると、面談の回数と料金ばかりで、優先順位の悩みに対して何を支援するのかを説明していませんでした。

この時点では、それが見送りの原因だったとは断定できません。それでも、次の案内で改善できる点は見つかります。相手が整理したいことを確認し、その目的と支援内容のつながりを説明してから、回数や料金を伝えることです。

次回は、商品そのものを一度に変えず、説明の順番を変えてみます。そして、どんな質問が出たか、支援内容が伝わったかを振り返ります。申込みの有無だけでなく、説明のどこで理解が進んだかも見るのです。

この例で得たのは、売れる言い回しではありません。価格を変える前に、自分が確かめられることを見つけた、ということです。説明が伝わっても契約に至らないことはあります。その結果も、次に対象や内容を見直す材料になります。

本業と両立するなら、振り返りを小さく続ける

小さなカードに1行だけ書く人と、机の端に積み重なった5枚のカードの図

体験のたびに長い反省文を書く必要はありません。仕事の後でも続けられるよう、記録する項目を決めておきます。

「相手が求めていたこと」「実際に提案したこと」「相手の質問と返答」「まだ分からないこと」「次に変えること」。この五つを短く残すだけでも、後から考え直す材料になります。

数件たまったら、似た質問が続いていないかを見ます。支援の進め方を毎回聞かれるなら、事前の案内に不足があるのかもしれません。対象外の相談が続いているなら、募集文でどんな人に呼びかけているかを見直す余地があります。

ただし、少ない件数で成約率の上下だけを見て、よい商品かどうかを決めないでください。相手の状況や流入元、提案した内容が違えば、単純には比べられません。数字は残しつつ、会話の内容と合わせて考えます。

変えることは、一度に一つを基本にします。価格も対象も期間も話し方も同時に変えると、何が影響したのか分かりにくくなるからです。明らかな誤記や不正確な説明はすぐに直し、そのうえで確かめる項目を絞ります。

使う時間と費用にも区切りをつけます。行動すれば必ず売れるわけではありません。試した内容を振り返っても見通しが立たないなら、回数だけ増やさず、商品の前提を誰かと確認する選択もあります。

自分を責める反省から、仕事を変える振り返りへ

雨雲の下で頭を抱える人と、ノートの1点に印をつけて道が伸びる人の対比の図

「自分はセールスが苦手だ」で終えると、次にすることは、もっと練習するか、別のノウハウを探すかになりがちです。しかし、必要なのは話術ではなく、誰に何を提案するかの整理かもしれません。

反対に、内容は合っていても、説明不足があったのなら伝え方を改善する意味があります。どちらなのかを、自分への評価だけで決めないことです。

私は、ビジネスマインドを育てることには、望んだ結果が出なかったときの受け止め方も含まれると考えています。落ち込まない人になることではありません。落ち込んでも、相手の意思を尊重しながら、自分が変えられるところへ戻ってくることです。

直近の体験を一件だけ思い出し、五つの項目で書いてみてください。次に変えることが一つ決まれば、その一件は「断られて終わり」ではなくなります。

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この記事を書いた人

株式会社マインドコーチ 代表取締役 安達慎一

集客やセールスが苦手な稼げないコーチの方向けに、コーチングビジネスの基本を教えています。起業家を育成しています。

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