なぜ、身内や友人に相談しても「やめとけ」と言われるのか。身内や友人は、あなたのためを思い、自分が見てきたこと、経験してきたことの範囲から答えているからです。ビジネスをやったことがない人の手元にあるのは、うまくいかなかった話が多いのです。だから、気持ちや生活の心配は身内や友人と話し、やり方の相談は、自分が行きたい未来にすでに行っている人にします。
この記事では、「やめとけ」という言葉がどこから出てくるのか、相談の中身によって相談する相手がどう変わるのか、理想の未来にすでに行っている人に相談するときに確かめること、お金がかかっても相談する理由、そして身内や友人に決めたことと期限を伝える手順を、順番に書きます。
先日、私はXにこう書きました——身内や友人に「やめとけ」と言われる理由

先日、私はXに、次の文章を書きました。そのまま載せます。
なぜ、身内や友人に相談しても「やめとけ」と言われるのでしょうか。
理由は簡単で、身内や友人がビジネスをやっていなかったとしたら、騙されたり、借金まみれになったり、失敗したイメージしかないからです。
もちろん、身内や友人は、あなたのためを思って言っています。
しかし、もし、本当にビジネスで人生を変えたいなら、相談すべき人は「ビジネスがうまくいっている人」です。
そして、できれば、自分が理想の未来と思っているところに、すでに行っている人が望ましいです。
なぜなら、その人は、理想の未来に行く方法を知っているからです。
もし、理想の未来に行く方法を知っている人がいるなら、ぜひ相談してみてください。
これは、たとえお金がかかっても、相談するべきです。
相談することで、自分が思ってもいなかったアドバイスをくれる可能性が高いです。
これも、あるあるですが、自分では正しいことをやってきているつもりです。
しかし、なかなか成果が出ないことも多いです。
この正しいことをやっているにもかかわらず成果が出ない場合、大体が、自分が思っていないところに答えがあるからです。
この自分が思ってもいないところに答えがあるから、自分ではその答えを見つけられず、なかなか成果が出ないのです。
このことにさえ気がつけば、意外と早く理想の未来に行けたりします。
あとで振り返って、「あんなところに答えがあったのか」と、結構簡単なことも多いです。
このことを理解して、自分の人生を豊かにしていってくださいね。
投稿は、短く言い切る形で書きました。伝えたかったのは、身内や友人の「やめとけ」が間違っている、ということではありません。その言葉がどこから出てくるのかを知っておくと、受け取り方が変わる、ということです。受け取り方が変わると、次に誰に何を相談すればいいのかも見えてきます。
この記事の中心になる言葉を、先に定義しておきます。
相談する相手を分けるとは、気持ちや生活の心配は身内や友人と話し、やり方の相談は、自分が行きたい未来にすでに行っている人にすることです。
ポイントは、相手を「選ぶ」のではなく「分ける」ところです。身内や友人に相談するのをやめる、という話ではありません。気持ちのことや暮らしのことは、これまでどおり身内や友人と話します。そのうえで、やり方の相談だけは、別の人にもする。相談する相手を一人に決めるのではなく、相談の中身ごとに、相手を分けるのです。
先に書いておくと、身内や友人に相談するのは、とても自然なことです。いちばん近くにいて、あなたのことをよく知っている人だからです。もし「やめとけ」と言われて迷ったことがあっても、それは相談したことが悪かったのではありません。相談の中身と、相談した相手が、合っていなかっただけです。
「やめとけ」は、あなたのためを思って出る言葉

投稿の3行目に、私は「もちろん、身内や友人は、あなたのためを思って言っています。」と書きました。この記事で、いちばん大事にしたいのは、この一文です。
人は、誰かに相談されたとき、自分が見たこと、経験したことの範囲から答えます。これは身内や友人に限った話ではなく、誰でも同じです。自分がやったことのない話を相談されたら、手元にある材料は、人から聞いた話や、どこかで見聞きした話になります。
ビジネスをやったことがない人の手元にあるビジネスの話は、うまくいかなかった話が多いものです。うまくいった人の道のりは、外からはなかなか見えません。一方で、近くの誰かがやめた話や、困っている人の話は、耳に入りやすいのです。投稿で、身内や友人の頭に浮かぶのは「失敗したイメージしかないからです」と書いたのは、このことです。
そう考えると、「やめとけ」は、「あなたに苦しんでほしくない」という気持ちを、その人が知っている言葉で言い換えたものです。反対しているように聞こえても、中身は心配です。そして、その心配は、あなたの暮らしを近くで見ている人だからこそ出てくるものです。
だから、「やめとけ」と言われたときに、相手を責める必要はありません。心配してくれたことは、そのまま受け取っていいのです。ただ、その心配は、その人の経験の範囲から出たものです。やり方まで、その一言で決めてしまう前に、相談の中身を一度分けてみてください。
このことは、2025年に書いたなぜ、家族や友人にビジネスを反対されるのか、反対される本当の理由という記事でも取り上げていました。その記事で、私のところに来る人の言葉として、こう書いています。「体験セッションでやる気になったけれど、旦那さんに相談したらやめとけと言われたから契約はなしにしてください。」
そして、その続きに「この場合は、仕方がないので契約は白紙に戻します。」と書きました。
ここで考えたいのは、そのとき何を相談していたのか、ということです。こうした場面では、一つの相談の中に、二つの中身が混ざっていることがあります。一つは、暮らしやお金への心配。もう一つは、やり方の話です。身内が答えられるのは、主に一つ目です。二つ目について聞かれても、やったことがなければ、心配の言葉で答えるしかありません。
個別相談800人超、セッション6,000時間超の中で、私自身、2025年の記事に書いたような連絡を受けてきました。そのたびに思うのは、身内に相談したこと自体は、何も間違っていない、ということです。心配の相談と、やり方の相談が、一つの会話の中で混ざっていた。それだけのことなのです。
相談の中身で、相談する相手は変わる

相談したいことは、大きく分けると二つあります。
一つは、気持ちや生活の心配です。始めたら、家族と過ごす時間はどうなるのか。暮らしのお金は回るのか。自分は、本当にやりたいのか。こうしたことは、あなたの暮らしを一番よく知っている人と話すのが合っています。
もう一つは、やり方の相談です。何から始めればいいのか。どこでつまずきやすいのか。今やっていることは、行きたい場所に向かっているのか。こうしたことは、実際にその道を歩いて、結果を見てきた人でなければ、答えにくいものです。
旅行で考えてみてください。初めての国に行くと家族に話せば、「治安は大丈夫?」「体には気をつけて」と心配してくれます。その心配は、ありがたいものです。けれど、現地でどの道を通ればいいのか、どの季節が過ごしやすいのかは、その国に実際に行ってきた人に聞く方が確かです。行ったことのない家族に道順を聞いても、答えようがありません。家族が悪いのではなく、聞いた中身が、家族の経験の外にあっただけです。
相談したいことと、相談する相手を並べると、次のようになります。
| 相談したいこと | 相談する相手 | その人が答えられる理由 |
|---|---|---|
| 気持ちのこと、生活への影響 | 身内や友人 | あなたの暮らしを、一番よく知っている |
| やり方、進め方 | その道でうまくいっている人 | 実際にやって、結果を見ている |
| 自分が行きたい未来への道順 | そこにすでに行っている人 | その道を、自分で歩いた |
1行目の相談を、身内や友人にするのは、まったく正しいことです。むしろ、この相談は、身内や友人にしかできません。やり方を知っている人でも、あなたの家族の事情までは分からないからです。
迷いが生まれるのは、2行目や3行目の相談を、1行目の相手にしたときです。やり方を聞いたのに、返ってきたのは心配だった。それで「やっぱり無理なのかな」と、やり方の判断まで心配に引っぱられてしまう。これは、相談した人が悪いのでも、答えた人が悪いのでもありません。相談の中身と相手が、合っていなかっただけです。
2行目と3行目の違いにも、触れておきます。2行目は、やり方を知っている人です。3行目は、その中でも、あなたが行きたい場所に実際にたどり着いている人です。次の章では、この3行目の相手について書きます。
理想の未来に、すでに行っている人に相談する

投稿では、相談すべき人を「ビジネスがうまくいっている人」と書きました。そして、続けて「できれば、自分が理想の未来と思っているところに、すでに行っている人が望ましいです」と書いています。理由は、「その人は、理想の未来に行く方法を知っているからです」。
ここで大事なのは、「うまくいっている人」なら誰でもいいわけではない、ということです。先ほどの旅行の話でいえば、旅慣れた人でも、行ってきた国が違えば、教えてくれる道順も違います。たくさんの国に行った人より、あなたが行きたい国に行ってきた人の方が、その国への行き方は確かです。
ビジネスも同じです。たとえば、あなたが家族との時間を大事にしながら、自分のペースで続けられる形をつくりたいとします。そのとき、休みなく働いて大きくしてきた人に相談すると、返ってくるのは、その人が歩いてきた道です。その道も、一つの正解です。けれど、あなたの行きたい場所への道順とは、違うかもしれません。
学ぶ相手をどう見分けるのかは、なぜ、何を学ぶかより「誰から学ぶか」なのか(記事014)で、5つのチェックポイントとして書きました。ここでは繰り返しません。この記事では、相談する前に、自分の側で確かめておくことを書きます。
相談する前に、次の3つを確かめてください。
- その人が今いる場所は、自分が行きたい場所か
- その人は、そこまでの道を自分で歩いたか
- 自分の今の状況を、具体的に話せる準備があるか
1つ目は、相手の今の働き方や暮らし方を見ることです。肩書きや有名かどうかではなく、その人が今いる場所が、あなたの行きたい場所と重なっているかどうかです。そのためには、先に、自分がどこに行きたいのかを言葉にしておく必要があります。
2つ目は、その道を、人から聞いた話ではなく、自分の経験として話せるかどうかです。自分で歩いた人は、途中のどこで迷いやすいのか、どこで引き返したくなるのかを知っています。本で読んだ道順と、歩いてきた人の道順は、細かいところが違います。
3つ目は、自分の側の準備です。相談される側が答えられるのは、話してもらったことに対してだけです。「なんとなく、うまくいかない」だけでは、相手も心配の言葉で返すしかありません。何に困っているのか、今どこまで来ているのかを、事実で話せるようにしておく。そうすると、返ってくる答えも、あなたの状況に合ったものになります。
お金がかかっても、相談する理由

投稿には、「これは、たとえお金がかかっても、相談するべきです」と書きました。
ここでいう「お金がかかっても」は、特定の何かを指しているわけではありません。本でも、講座でも、個別の相談でも構いません。大事なのは形ではなく、自分が行きたい未来にすでに行っている人の経験に、触れられるかどうかです。その人の時間と経験を使ってもらうのですから、お金がかかるのは自然なことです。
ただし、お金を払えば答えが手に入る、という意味ではありません。払うのは、答えそのものではなく、自分だけでは出会えなかった見方に触れる機会です。投稿では、相談することで「自分が思ってもいなかったアドバイス」が返ってくる、と書きました。思ってもいなかった、というところが大事です。
なぜ、思ってもいなかったアドバイスが要るのか。投稿では、正しいことをやっているのに成果が出ないのは、「自分が思っていないところに答えがあるからです」と書きました。なぜ、正しいことをやり続けているのにうまくいかないのか——ゴールは掛け算、一つでも0があれば0点になる(記事029)で書いたとおり、ビジネスのゴールは掛け算で、一つでも0があれば結果は0になります。そしてその0は、自分が正しいと思っている場所に隠れているので、自分では見つけられません。
自分では見つけにくいところに答えがある、という話は、なぜ、我流がうまくいかないのか——答えは、自分が選んでいないところにある(記事040)でも書きました。ここでは繰り返しません。
もう一つ、自分で考えた方法には限りがあります。なぜ、ブレイクスルーが起きないのか——自分が考えた方法では、コンフォートゾーンから出られない(記事033)で書いたとおり、コンフォートゾーンとは、自分が慣れていて、居心地がいいと感じる範囲のことです。自分で思いつける方法は、この範囲の中から出てきます。その記事では、自分が嫌だと思う情報を届けてくれるコーチやメンターをつけることを、一番の近道として書きました。思ってもいなかったアドバイスは、この範囲の外から届くものです。
身内や友人の答えも、相談した自分の考えも、それぞれの経験の範囲から出てきます。どちらも、悪いものではありません。けれど、その範囲の外にある答えに触れるには、範囲の外を歩いてきた人に相談するしかないのです。投稿の終わりに、あとで振り返って「あんなところに答えがあったのか」と思う、と書いたのは、このことです。
お金をかけて相談するときに、先に決めておくこともあります。なぜ、高額商品を買うと「損した」と言うのか——どうやって回収するのかを、買う前に決めていないから(記事038)では、回収の設計を、買ったものを使って、誰に、何を、いくらで売るのかを、買う前に決めておくこと、と書きました。相談も同じです。相談して得たものを、自分のビジネスのどこに使うのか。それを先に決めておくと、相談の中身もはっきりします。
身内や友人には、決めたことと期限を伝える

ここまで読んで、「では、身内や友人には何も言わずに始めればいいのか」と思った方もいるかもしれません。そうではありません。
家族の暮らしやお金に関わることは、身内と話して決めることです。使う時間が増えれば、家族と過ごす時間が変わります。使うお金があれば、家計に関わります。ここを話さずに進めるのは、相談する相手を分けることとは別の話です。
分けたいのは、話し合いの形です。身内や友人との話し合いには、二つの形があります。
一つは、許可をもらう相談です。「やっていいかな」と聞いて、やるかどうかを相手に決めてもらう形です。この形だと、相手は、自分の経験の範囲から答えるしかありません。やったことがなければ、答えは心配の言葉、つまり「やめとけ」になりやすいのです。
もう一つは、決めたことと範囲を伝える話し合いです。「こう決めた。この範囲でやる。期限が来たら、結果を話す」と、決めたことを先に出して、その範囲について話し合う形です。範囲が見えると、心配する側も、何を心配すればいいのかが分かります。範囲そのものは、話し合って変えてかまいません。時間を減らす、期限を短くする。そうやって、家族と一緒に決めればいいのです。
2025年の同じ記事では、反対されたときに「半年だけはやらせてほしい」と、期限を区切って伝える話を書きました。言葉はお願いの形ですが、中身は、期限を決めて伝えることです。期限があると、家族も、いつまで見守ればいいのかが分かります。
伝えるときは、次の順番で話してみてください。
- 心配してくれたことに、まず礼を言う
- 使う時間とお金の範囲、期限を先に決めて伝える
- 期限が来たら、結果をそのまま報告する
1つ目は、「やめとけ」の中身が心配だったことを、受け取ったと伝えることです。心配してくれたことに礼を言うと、話し合いが、言い合いではなく、相談の続きになります。
2つ目は、自分の中で先に決めてから話すことです。どれだけの時間を使うのか、どこまでのお金を使うのか、いつまでやるのか。決めないまま話すと、相手は、どこまで広がるのか分からない不安に答えることになります。決めてから話せば、相手は、その範囲について考えられます。
3つ目は、期限が来たときの約束です。うまくいったことも、いかなかったことも、そのまま報告します。結果を隠さずに話すことが、次に何かを決めるときの信頼になります。
期限を決めて伝えるのは、身内や友人との約束であると同時に、自分との約束でもあります。覚悟とは、お金を使う約束まで含めた「自分との約束」(記事028)で書いたとおり、覚悟とは、何があってもやり遂げると自分と交わした約束のことです。その記事では、いつまでやるのかを決めて、紙に書いておくことも書きました。身内や友人に伝えた期限は、そのまま、自分との約束の期限になります。
投稿の最後に、私は「このことを理解して、自分の人生を豊かにしていってくださいね。」と書きました。身内や友人の心配を受け取りながら、やり方の相談は、行きたい未来にすでに行っている人にする。どちらの相手も大事にしたまま進むことが、ここでいう「豊かに」だと、私は考えています。
よくある質問
身内や友人には、もう相談しない方がいいのですか。
いいえ、相談してください。気持ちのことや、生活への影響は、あなたの暮らしを一番よく知っている身内や友人と話すのが合っています。分けるのは、相談の中身です。やり方の相談だけは、その道を歩いてきた人にもする、ということです。
理想の未来に行っている人が、身近にいないときはどうすればいいですか。
身近にいなくても構いません。本や講座、個別の相談など、その人の経験に触れられる形はいくつもあります。先に、自分がどこに行きたいのかを言葉にしてください。行き先が決まると、そこにすでに行っている人を探せるようになります。
相談する相手が、本当にうまくいっている人かどうかは、どう確かめればいいですか。
その人が今いる場所と、そこまでの道を自分で歩いたかどうかを見てください。人から聞いた話ではなく、自分の経験として道のりを話せるかどうかです。見分け方は、記事014の5つのチェックポイントも参考になります。
反対されたまま、始めてもいいのですか。
家族の暮らしやお金に関わることなら、話し合いを続けてください。そのとき、「やっていいか」と許可をもらう形ではなく、決めたこと、使う時間とお金の範囲、期限を先に伝える形で話してみてください。それでも心配が残るなら、範囲を小さくする、期限を短くするなど、身内と話して決めていきます。
相談する相手を分けるとは、気持ちや生活の心配は身内や友人と話し、やり方の相談は、自分が行きたい未来にすでに行っている人にすることです。身内や友人の「やめとけ」は、あなたのためを思い、その人の経験の範囲から出てくる言葉です。心配は心配として受け取り、やり方の相談は、その道を歩いてきた人にする。お金がかかっても、自分では思ってもいなかった見方に触れる機会をつくる。そして身内や友人には、許可をもらうのではなく、決めたことと範囲、期限を伝えて、期限が来たら結果を報告する。私の考え方の全体像は、マインドコーチとしてのコーチングの考え方にまとめています。
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