なぜ、正しいことをやり続けているのにうまくいかないのか。答えは、自分が正しいと思っていることのどこかに、間違いがあるからです。ビジネスのゴールは掛け算なので、ほかの項目がどれだけ100点でも、一つでも0があれば結果は0点になります。そしてその0は、自分が正しいと思っている場所に隠れているので、自分では見つけられません。
この記事では、「間違い」とは何か、半年や1年で辿り着かないことがなぜ証拠になるのか、ビジネスのゴールが掛け算である理由、0が隠れやすい二つの場所、自分では見つけられない理由、そして0を見つける最短の手段を、順番に書きます。
先日、私はXにこう書きました——正しいことをやり続けているのにうまくいかないのは、自分が正しいと思っていることのどこかに間違いがあるから

先日、私はXとThreadsに、次の文章を書きました。そのまま載せます。
なぜ、正しいことをやり続けているのにうまくいかないのか
理由は簡単で、自分が正しいと思っていることのどこかに間違いがあるからです。
もし、本当に正しいことをやり続ければ、必ずゴールに辿り着きます。
しかし、半年やっても1年やっても辿り着かないとすれば、それはどこかが間違っている証拠です。
その間違いは、スキルかもしれないし、考え方かもしれない。
ゴールするのに100点の点数が必要だとすると、たとえ99点でも辿り着けません。
理由は、ビジネスのゴールは掛け算で、一つでも0があると0点になるからです。
この、どこに間違いがあるかわからないから、成功している人はメンターをつけています。
この間違いを自分では見つけられないからです。
すでにゴールしている人に間違いを見つけてもらうことが、最短でゴールできる唯一の手段です。
もしかしたら、メンターをつけていないことがゴールできない理由かもしれませんね。
あなたが間違いを見つけようと思っても、コンフォートゾーンの外側に間違いがあるので、直せません。
このことを理解して、他人に頼ることもしてみてくださいね。
短い投稿なので、一番大事な言葉を定義しておきます。
間違いとは、ゴールまでの掛け算の中で0になっている項目のことです。
「間違い」と聞くと、大きな失敗や、明らかに悪いやり方を想像するかもしれません。しかし、ここで言う間違いは、そういうものではありません。本人は正しいと思っている。毎日きちんとやっている。人から見ても、頑張っているように見える。その中の、たった一つの項目が0になっている。それが、この記事で言う間違いです。
だから、やっかいなのです。明らかな失敗なら、誰でも気づいて直します。しかし、0になっている項目は、本人の中では「ここは大丈夫」の箱に入っています。大丈夫な箱の中は、誰も探しません。本業を続けながらコーチングを仕事にしたい人は、使える時間が限られています。その限られた時間を、0ではない場所を磨くことに使い続けている。これが、正しいことをやっているのにうまくいかない、の正体です。
本当に正しいことをやり続ければ、必ずゴールに辿り着く——半年やっても1年やっても辿り着かないなら、それが証拠

投稿に「必ずゴールに辿り着きます」と書きました。言い過ぎに聞こえたかもしれませんが、ここには前提が二つあります。
一つ目は、ゴールを決めていることです。なぜ、ゴールを決めた人から結果が出るのか(記事015)で書いたとおり、「行けるといいな」と思っているだけの人は、そもそもゴールに向かって歩いていません。行き先の決まっていない人に、「辿り着く」も「辿り着かない」もないのです。二つ目は、やり続けていることです。途中でやめた人も、辿り着きません。この二つがそろっていて、それでも辿り着かないなら、残る理由は一つしかありません。やっていることのどこかが、正しくないのです。
ここで分けておきたいのが、「正しいと思っている」と「本当に正しい」の違いです。正しいと思っている、は自分の採点です。本当に正しい、は結果の採点です。自分の採点では、毎日発信しているから正しい、講座で習ったとおりにやっているから正しい、となります。しかし、結果の採点は一つしかありません。ゴールに近づいているかどうか、です。
期間の目安は、投稿に書いたとおり、半年と1年です。半年やって、手応えが何もない。1年やって、ゴールが近づいている実感がない。どちらかに当てはまるなら、それは努力が足りない証拠ではなく、どこかが間違っている証拠です。ここを読み違えると、多くの人は「もっと頑張ろう」と量を増やします。発信を2倍にする。睡眠を削る。しかし、掛け算の中に0があれば、量を2倍にしても答えは0のままです。0に何を掛けても、0です。
私は個別相談800人超、セッション6,000時間超の記録を持っていますが、「正しいことをやっているのに、うまくいかない」という相談は、形を変えて何度も聞いてきました。そして話を聞いていくと、本人が「ここは大丈夫です」と言った場所に0があることが、珍しくありません。本人が大丈夫だと思っている場所だからこそ、半年も1年も、そこだけ手つかずで残っていたのです。
ビジネスのゴールは掛け算——99点でも辿り着けない理由

「99点でも辿り着けない」と書くと、厳しく聞こえるかもしれません。学校のテストなら、99点はほぼ満点です。しかし、それは学校のテストが足し算だからです。各問題の点を足していくので、1問落としても、ほかで取り返せます。
ビジネスは、そうなっていません。各項目の点を、掛けていきます。だから、ほかの項目がすべて満点でも、一つが0なら、答えは0です。この違いを表にします。
| 観点 | 足し算の発想 | 掛け算の発想 |
|---|---|---|
| 点数の出し方 | 各項目の点を足す | 各項目の点を掛ける |
| 一つの項目が0のとき | ほかで取り返せる(99点になる) | 全体が0になる |
| 努力の向け先 | 得意なところを、さらに伸ばす | 0になっている場所を、先に埋める |
| うまくいかないときの考え方 | 「もっと頑張れば届く」 | 「どこかに0がある」 |
| 結果の出方 | 頑張った分だけ、少しずつ増える | 0が一つでも残っている間は、0のまま |
正しいことをやっているのにうまくいかない人の多くは、足し算の発想のまま、掛け算のゲームをしています。得意なところを伸ばせば全体の点が上がると思っている。しかし、掛け算では、得意なところをどれだけ伸ばしても、0の項目がある限り、全体は動きません。
コーチングを仕事にする流れで、具体的に見てみます。お客様と出会ってから契約するまでを、大きく6つの項目に分けると、次のようになります。それぞれ、0になっているときによくある姿を並べます。
- 商品: 誰の、何を、どう変えるのかが決まっていない。あるいは、決まっていても値段を自分で言えない。
- 出会う場所: 毎日発信しているが、その場所に、自分の商品を必要とする人がいない。
- 登録: 出会った人が、メルマガやLINEに登録する入口がない。読んで終わりになっている。
- 教育: 登録してもらっても、何も届けていない。届けていても、役に立つ情報を配るだけで、なぜ自分から学ぶ意味があるのかが伝わっていない。
- 相談: 教育まではできているのに、個別相談に誘っていない。
- 契約: 相談はするが、提案しない。断られるのが怖くて、値段を口に出せない。
たとえば、発信は毎日続けていて、読者も増えていて、メルマガも週に数回書いている。ここまでは、どれも正しいことです。しかし、相談に誘っていなければ、5番目が0です。この人の答えは、0です。いくら発信を増やしても、メルマガを増やしても、変わりません。逆に言えば、この人がやるべきことは、たった一つです。相談に誘うこと。そこが埋まれば、止まっていた掛け算が動き始めます。
この掛け算の考え方は、なぜ、高額塾に入っても稼げるようにならないのか——ビジネスは10個の器の掛け算(記事019)で先に書きました。そちらでは10個の器で分けましたが、今回の6項目は、同じ考え方を、お客様と出会ってから契約するまでの流れで切り直したものです。どちらで切っても、大事なことは同じです。どこか一つが0なら、全部が0になります。
その間違いは、スキルかもしれないし、考え方かもしれない——0が隠れやすい場所

0は、どこに隠れているのか。投稿に書いたとおり、大きく分けて二つの場所があります。スキルと、考え方です。
- スキルの0: やり方を知らない、またはやってみてもできない。文章が書けない、相談の組み立て方が分からない、提案の言葉が出てこない、など。
- 考え方の0: やり方は知っているのに、やらない。やっても、途中で止まる。自分の値段を上げられない、学ぶことにお金を使えない、など。
スキルの0は、比較的見つけやすい方です。できないことは、結果にそのまま出るからです。文章が書けなければ、発信が止まります。止まっていることは、本人にも分かります。
見つけにくいのは、考え方の0です。一つ目は、知っているのにやらない、という0です。なぜ、知っているのにできないのか(記事018)で書いたとおり、「知っている」と「できる」は全く違います。知っている人は、自分はできると思っています。だから、そこに0があるとは考えません。
二つ目は、器の0です。なぜ、稼げるスキルを学んでもうまくいかないのか——受け取る器(記事027)で書いたように、スキルを学んでも、受け取る器が小さければ、教わったことを最後まで実行できません。スキルの項目は埋まっているように見えて、実は器のところで0になっている。
三つ目は、お金の考え方の0です。自分の商品に値段をつけるのが怖い。学ぶことにお金を使えない。お客様からお金をいただくことに、どこか後ろめたさがある。これは本人の中では「謙虚さ」や「慎重さ」として、むしろ正しいことの箱に入っていることが多いのです。
そして、ここが一番大事なところですが、考え方の0は、たいていスキルの0の顔をして現れます。たとえば、相談で提案ができない人がいたとします。本人は「セールスのスキルが足りない」と考えて、セールスの講座を探します。しかし、本当の0は、お金をいただくことへの後ろめたさ、つまり考え方にあった。この場合、セールスをいくら学んでも、提案の場面になると、また言葉が止まります。スキルを足しても、考え方の0は埋まらないのです。自分で見立てた0と、本当の0が違う。これが、次の話につながります。
なぜ、自分では見つけられないのか——0はコンフォートゾーンの外側にある

ここまで読んで、「では、自分の0を探してみよう」と思った方もいるかもしれません。その気持ちは正しいのですが、残念ながら、自分では見つけられません。理由は、0がコンフォートゾーンの外側にあるからです。
コンフォートゾーンとは、自分が慣れていて、「これが正しい」と思っている考え方ややり方の範囲のことです。人は、この範囲の中で、この範囲の物差しを使って探し物をします。ところが、0を0だと見抜く物差しは、範囲の外側にあります。自分の物差しで測ると、0の項目も「ここは大丈夫」と出てしまうのです。正しいと思っているから、疑わない。疑わないから、探さない。探さないから、見つからない。0がコンフォートゾーンの外側にある、とはこういうことです。自分の顔についた汚れが、鏡を見ないと分からないのと同じです。
2年ほど前のなぜ、ブレイクスルーが起きないのかという記事で、「自分のコンフォートゾーンの中の正しいことしか行動しない」と書きました。今回の投稿は、この話の続きです。コンフォートゾーンの中で正しいことを積み重ねても、外側にある0には手が届きません。
本や情報で探しても、同じです。去年のなぜ、本を読んでも成功できないのかという記事では、「自分の考えている外側に答えがある」「本を選んでいる時点で自分の都合のいいものを選んでいる」と書きました。本を選ぶのも、講座を選ぶのも、自分です。自分で選んでいる限り、選ぶ基準は、自分のコンフォートゾーンの中にあります。だから、どれだけ多くの本を読んでも、自分の外側には出られないのです。
この「自分で探して、外れる」を繰り返すと、どうなるか。なぜ、ノウハウコレクターになってしまうのか(記事026)で書いたとおりです。自分で見つけた問題を埋めるノウハウを買い、結果が出ないので、また別の問題を自分で探して、また買う。問題の見つけ方が、最初から間違っているのです。見つけ方が自分の見立てである限り、何周回っても、本当の0には辿り着きません。
すでにゴールしている人に見つけてもらう——それが最短で、唯一の手段

自分では見つけられない。では、どうするか。投稿に書いたとおり、すでにゴールしている人に見つけてもらうことです。これが、最短で、唯一の手段です。
なぜ「すでにゴールしている人」なのか。ゴールまでの掛け算を、全部の項目で0ではない状態にして、実際に辿り着いた人だからです。その人は、どの項目が0になりやすいかを、自分の経験で知っています。そして、あなたのコンフォートゾーンの外側に立っているので、あなたが正しいと思っている場所を、そのまま疑うことができます。まだゴールしていない人同士で見せ合っても、同じ場所に0を持っていることがあるので、見つけにくいのです。
2年ほど前の「なぜ、ブレイクスルーが起きないのか」という記事では、「成功者は、全員と言っていいほどメンターをつけている」とも書きました。稼げている人ほど、自分の0は自分では見つけられないことを知っています。だから、見つけてもらう人をそばに置いているのです。そう考えると、投稿に書いたとおり、メンターをつけていないこと自体が、あなたの掛け算の中の0なのかもしれません。
最後に、「他人に頼る」の意味を書いておきます。他人に頼るとは、全部を人任せにすることではありません。自分の採点を、いったん脇に置くことです。
- 今やっていることを、良いところも悪いところも、すべて見せる。自分で「ここは大丈夫」と思っている場所も隠さない。0はたいてい、そこにあります。
- 指された場所を、自分の見立てで言い換えない。「そこではなく、こっちが問題だと思います」と返した時点で、また自分のコンフォートゾーンの中に戻っています。
- 指された0を一つ埋めて、同じことをもう一度やる。ほかの項目は触らない。
- 結果が動かなければ、また見てもらう。0が二つあることもあります。一つずつです。
誰に頼るかも、大事です。すでにゴールしている人かどうか、その人から学ぶ価値があるかどうか。見分け方はなぜ、何を学ぶかより「誰から学ぶか」なのか——メンター選び5つのチェックポイント(記事014)にまとめたので、ここでは繰り返しません。
間違いとは、ゴールまでの掛け算の中で0になっている項目のことです。その0は、あなたが「ここは大丈夫」と思っている場所に隠れていて、それを見抜く物差しはコンフォートゾーンの外側にあるので、自分では見つけられません。半年やっても1年やっても辿り着かないなら、それは努力が足りないのではなく、どこかに0がある証拠です。このことを理解して、他人に頼ることもしてみてください。それが、正しいことを、本当に正しいことに変える一番の近道です。
よくある質問
まだ半年もやっていません。それでも0を探すべきですか。
探すべきです。半年と1年は、「どこかが間違っている」と判定するための目安であって、それまで待つ期間ではありません。0は、早く見つかるほど、無駄にする時間が短くなります。本業を続けながら取り組んでいる人ほど、時間が限られているので、最初から見てもらう方が早く着きます。
自分で0を見つける方法は、本当にないのですか。
スキルの0なら、自分で気づけることもあります。できないことは、結果にそのまま出るからです。しかし、考え方の0は、自分が正しいと思っている場所にあるので、自分では見つけられません。そして、うまくいかない人の0の多くは、考え方の側にあります。自分で探すほど、自分のコンフォートゾーンの中を探すことになります。
0が一つではなく、いくつもある気がします。どうすればいいですか。
一つずつ埋めてください。いくつもあると感じるときほど、全部を同時に直そうとして、どれも中途半端になります。すでにゴールしている人に、どれから埋めるかの順番を決めてもらい、一つ埋めたら、同じことをもう一度やる。結果が動かなければ、次の0を見てもらう。この繰り返しが、結局一番早いです。
メンターをつけているのに、うまくいきません。
確かめてほしいことが二つあります。一つは、そのメンターが、あなたの目指すゴールにすでに辿り着いている人かどうか。もう一つは、指された場所を、あなたが自分の見立てで言い換えていないかどうかです。「言われたことは分かるけれど、自分の場合は違う」と思った瞬間に、0は元の場所に残ります。
掛け算なら、0ではない項目もすべて100点にしないといけないのですか。
いいえ。まず大事なのは、0をなくすことです。すべてを100点にしようとすると、得意なところばかり磨いてしまい、0の項目が後回しになります。0が一つもない状態になれば、掛け算は動き始めます。そこから先に、点の低い項目を上げていけばいいのです。順番を間違えないでください。
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