なぜ、講座についていけなくなるのか——学ぶ順番が、逆になっている

なぜ、講座についていけなくなるのか——学ぶ順番が、逆になっている

なぜ、講座についていけなくなるのか。いちばんの理由は、学ぶ順番が逆になっているからです。講座は、動画や生成AIを使えることを前提に進みます。その前提を、講座に入ってから覚えようとすると、覚えている間に講座の本題は先へ進み、その遅れは取り戻しにくくなります。だから、講座が前提にしているものは、入る前に身につけておくのです。

この記事では、Xに書いた投稿の全文、講座で教えてもらえるのはどこまでか、講師の仕事と払った額の話、講座が前提のスキルを持つ人向けに進むこと、覚えている間に講座が進んでしまうこと、そして先に学んでから入るという学ぶ順番を、順番に書きます。

目次

先日、私はXにこう書きました——なぜ、高額塾に行くと稼げると勘違いするのか

机で投稿を書き横に教科書がある図

先日、私はXに、次の文章を書きました。そのまま載せます。

なぜ、高額塾に行くと稼げると勘違いするのか。

理由は簡単で、お金を出して稼ぎ方を教えてもらえると勘違いしているからです。

当然、稼ぐ方法は全て教えてもらえます。

しかし、それを全て実践できるかどうかは別の問題です。

いつも書いている通り、小学生の学力しかないのに、東大生の問題を教えてもらっても解けるはずがありません。

これと同じで、ビジネスのスキル全てを教えてもらっても、全てできる人は1割以下でしょう。

つまり、残りの9割がどこかでつまずいてしまい、行き詰まるのです。

さらに、もう一つ大事な勘違いがあります。

それは、教えてもらったら稼がせてもらえるという考え方です。

教えてもらっても、全てできなければ稼げませんから、教えてもらっても稼げるとは限りません。

しかも、稼がせてもらうのではなく、生徒が自身で稼ぐ力を身につけるだけです。

講師が売り上げを作ってくれるわけでもなく、集客を手伝ってくれるわけでもありません。

50万払ったから、100万払ったからというのは全く関係ありません。

本人が稼ぎたいかどうかです。

ここを勘違いしてしまうと、6か月受けてみたけれど、結果が出なかった、ということになります。

当たり前の話です。

本人が稼ぐまで行けなかっただけで、講座を見極める目がなかったのか、それとも実力が足りなかったのか。

どちらかは分かりませんが、稼げなかったのは当たり前の結果です。

さらにいうと、例えば、ビジネスで成功するためには、今は動画のスキルや生成AIのスキルは必須です。

もし、動画のスキルや生成AIのスキルがない場合は、高額塾に入っても間違いなく結果は出ないでしょう。

これらのスキルは当たり前のようにある前提で、話が進んでいきます。

もちろん、使い方はさらっと教えてはもらえますが、教えてもらってスラスラ使えますか?

覚えるのに1か月かかったとしたら、6か月コースならあと5か月で終わってしまうわけです。

この1か月の遅れを取り戻せるスキルは、多分ないでしょう。

ということは、勉強で落ちこぼれるのと同じで、講座についていけないイコール結果が出ない、ということになります。

こんな方がいた場合は、高額塾に稼げると言われても、先に動画のスキルや生成AIのスキルを学んでからの方が確率は上がるでしょう。

つまり、学ぶ順番も正しい順番でなければうまくいかないということです。

このことを理解していないと、高額塾にお金を払ったからうまくいくなんて思っていても、ほぼうまくいきません。

このことをしっかり理解して、お金を有効に使ってくださいね。

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先に、2つ断っておきます。

1つ目。投稿は短く言い切っているので、きつく読めるところがあります。この記事は、講座に入った人や、お金を払った人、講座についていけなくなった人を責めるためのものではありません。書くのは、なぜ学ぶ順番が大事なのか、です。それを順番に書いていきます。

2つ目。投稿の中にある金額や期間などの数字は、投稿の言葉としてそのまま載せています。この記事の地の文では、そうした数字は使いません。

教えてもらえるのは「方法」まで——できるかどうかは、別の問題

長い巻物を抱えきれずにいる人の図

投稿には、まとまったお金を払って講座に入れば、お金になるやり方を教えてもらえる、と考えてしまう、という趣旨のことを書きました。そして、方法そのものは全部教えてもらえる、とも書いています。ここに、うそはありません。講座は、方法を渡す場です。

ただ、投稿はこう続けました。「しかし、それを全て実践できるかどうかは別の問題です。」方法を全部教えてもらえることと、それをその場で全部できることは、別のことです。全部をその場でできる人は、多くありません。それは当たり前のことで、本人の能力の話ではありません。

全部を受け取れる人が少ない理由と、どこでつまずいたかが本人には分かりにくい、という話は、なぜ、同じ講座を受けても、うまくいく人とそうでない人に分かれるのか(記事067)で書きました。ここでは繰り返しません。この記事で見ておきたいのは、つまずく場所が、講座の本題に入る前、つまり講座が「できる前提」にしているところにある場合のことです。

講師は、売上も集客も作らない——払った額と、結果は関係がない

教える人と手を動かす人が分かれた図

投稿には、もう一つの勘違いとして、教えてもらえば結果を出させてもらえる、という考え方を書きました。講座で身につけるのは、生徒が自分で結果を出す力です。生徒の売上を作ったり、集客を代わりにしたりするのは、講師の仕事ではありません。講座は、生徒が自分の手で結果を出せるようになるための場です。

だから、払った額と、結果は関係がありません。投稿には、払った額は全く関係なく、本人が本気で結果を出したいかどうかだ、という趣旨のことを書きました。まとまった額を払っても、講座の期間が終わったときに、思うような結果が出ていないことはあります。それは、払った人が悪いという話でも、講座が悪いという話でもありません。結果が出なかった人を責める話ではないのです。

教えた人がうまくいったときと、自分が今やるときとで条件が違う、という話は、なぜ、高額商品を買っても結果が出ないのか(記事047)で書きました。その記事では、時間軸・行動量・やれている精度のどれかがずれていると、同じ方法から同じ結果は出にくい、と書いています。ここでは繰り返しません。この記事では、投稿の後半に書いた、講座の進み方と、学ぶ順番の話に絞ります。

講座は、前提のスキルがある人向けに進む——動画と生成AIは、さらっとしか教わらない

道具が最初から机に置かれた教室の図

投稿には、今は動画のスキルや生成AIのスキルが欠かせなくなっている、という趣旨のことを書きました。そして、「これらのスキルは当たり前のようにある前提で、話が進んでいきます。」と続けました。

コーチングを仕事にするための講座で本題になるのは、誰のどんな悩みに応えるのか、それをどう届けるのか、どう話して申し込んでもらうのか、といったことです。講座の時間は、その本題に使われます。発信に動画を使う、文章や画像づくりを生成AIに頼む、といった手の作業は、本題を進めるための道具として扱われます。道具の使い方そのものは、講座の中心ではありません。

だから、投稿に書いたとおり、「もちろん、使い方はさらっと教えてはもらえますが、教えてもらってスラスラ使えますか?」ということになります。使い方の説明は、あります。ただ、それは、ある程度使える人が、講座の進め方に合わせるための説明です。初めて触る人が、そこから使えるようになるところまでは、講座の時間の中に入っていないことがあります。

これは、講座が不親切だという話ではありません。限られた講座の時間を本題に使うために、道具は使える前提にしておく。講座を作る側としては、自然な組み立て方です。

講座で「ある前提」とされやすいものを並べると、次のようになります。

講座で「ある前提」とされやすいもの 講座の中で教わるか 先に身につけられるか
動画を撮って出す 撮り方や出し方の説明はあるが、短いことがある 撮る・切る・出すを、講座の前に何度か試しておける
生成AIに文章や画像を頼む 頼み方の例は見せてもらえるが、使いこなすところまでは扱わないことがある 今の仕事や日々の文章づくりで、使ってみておける
SNSに毎日出す 何を出すかは教わるが、続ける手順は本人に任されることがある 講座の前から、短い文章を出す習慣をつけておける
オンラインで話す 使える前提で、相談や面談の練習が進む 家族や知人と、画面越しに話す練習をしておける

表の右の列を見てください。どれも、講座に入る前に、自分の手で身につけられるものです。講座の中でなければ学べない、というものではありません。真ん中の列のとおり、講座の中では、さらっと扱われることがある。だからこそ、右の列のように、先に身につけておく意味があります。

私は個別相談800人超、セッション6,000時間超の仕事をしてきました。それでも、何が講座の前提になるのかは、時期によって変わっていくものだと考えています。今、前提になっているのが動画と生成AIだ、というのは、今の話です。だから、入ろうとしている講座が、今、何を前提にしているのかを、そのつど確かめる必要があります。

覚えている間に、講座は進む——その遅れは、取り戻せない

楽譜をのぞき込み一人止まる合奏の図

投稿には、前提のスキルを覚えるのに時間がかかったら、その分だけ、講座の残りの期間が短くなる、という趣旨のことを書きました。そして、その遅れを取り戻せるスキルは、多分ない、とも書いています。

講座には、期間があります。始まりと終わりが決まっていて、その中で本題が順番に進んでいきます。前提のスキルが無いまま入ると、最初のうちは、そのスキルを覚えることに時間を使います。その間にも、講座の本題は先へ進みます。覚え終わって追いつこうとする間にも、次の本題が来ます。大勢が同じ期間で進む以上、講座が一人の都合に合わせて止まらないのは、当然のことです。

楽譜が読めないまま、合奏に入ったところを思い浮かべてみてください。周りの人は、楽譜が読める前提で練習を進めます。自分は、楽譜を読むのに手いっぱいで、音を出すところまで行けません。ようやく数小節を読み終えたころには、曲はずっと先へ進んでいます。追いかけて読み進める間にも、曲は次へ行きます。楽譜が読めるようになってから入っていれば、同じ練習が、そのまま身になったはずです。

講座で起きるのも、これと同じです。前提を覚えている間に、本題は先へ行く。本題を聞いても、それを試す道具がまだ手に馴染んでいないので、その場で試せない。試せないまま次の本題が来るので、遅れが積もっていく。投稿に書いた、講座についていけないことが、そのまま結果が出ないことにつながる、という話は、この積もり方のことです。

ここで、はっきり書いておきます。ついていけなくなるのは、本人の能力の話ではありません。順番の問題です。楽譜が読めない人が、音楽に向いていないわけではないのと同じです。読めるようになってから入る、という順番を踏まなかった。それだけのことです。

順番を入れ替えると、次のようになります。

  1. 講座の前提を確かめる
  2. 無いものを先に学ぶ
  3. 講座に入る
  4. 教わったことをその場で試す

1つ目は、講座の前提を確かめることです。その講座が、何を使える前提で進むのかを、入る前に知っておきます。

2つ目は、無いものを先に学ぶことです。確かめた前提のうち、自分がまだ使えないものを、講座に入る前に身につけます。

3つ目は、講座に入ることです。前提が手元に揃ってから入ると、最初のうちから、本題に時間を使えます。

4つ目は、教わったことをその場で試すことです。道具がすでに手に馴染んでいるので、本題を聞いたあと、すぐに自分のビジネスで試せます。試したものを見ながら、次の本題を聞けます。

楽譜が読めるようになってから、合奏に入る。それと同じ順番です。

先に学んでから、入る——学ぶ順番が合うと、払ったお金が生きる

階段の一段目の道具箱に手を伸ばす図

投稿には、先に動画のスキルや生成AIのスキルを学んでから入る方がいい、という趣旨のことを書き、続けて「つまり、学ぶ順番も正しい順番でなければうまくいかないということです。」と書きました。

この記事で使う、学ぶ順番という言葉を、ここで定義しておきます。

学ぶ順番とは、講座で教わる内容そのものより先に、講座が「できる前提」にしているものを身につけておく、という順番のことです。

先に身につけてから入った人は、覚えている間に講座が進む、という遅れが小さくなります。それで結果が出る、とは言えません。手を動かすのは本人で、講座の本題をどう使うかは、その先の話です。それでも、順番が逆のまま入るよりは、教わったことを、その場で試せます。

払ったお金が生きる、というのは、この意味です。まとまった額を払っても、最初の時間を、前提のスキルを覚えることに使うと、本題に使える時間が減ります。払った額は同じでも、本題を受け取れる時間が違ってくる。払った額の大きさではなく、学ぶ順番が、払ったお金をどれだけ本題に使えるかを左右します。

では、入る前に何を確かめればいいのか。次の3つです。

  • 募集ページや説明の場で、何ができる前提かを聞く
  • 自分がどこまで使えるかを書き出す
  • 足りないものを学ぶ期間を、講座の前に取る

1つ目は、何ができる前提かを聞くことです。募集ページや説明の場では、講座の中身や進め方が案内されます。そこで、この講座は何が使える前提で進むのか、と聞いてみてください。入る前に聞くのは、失礼なことではありません。講座を作る側にとっても、前提を持って入ってもらえる方が、本題を進めやすいはずです。

2つ目は、自分がどこまで使えるかを書き出すことです。前提として挙がったものについて、触ったことがない、触ったことはある、今の仕事で使っている、のどこにいるのかを書き出します。書き出すと、足りないものが見えてきます。

3つ目は、足りないものを学ぶ期間を、講座の前に取ることです。講座の期間の中で覚えようとすると、前の章で書いた遅れが起きます。講座とは別に、先に時間を取っておきます。

足りないスキルを、自分で覚えるのか、人に頼むのか、という分け方は、なぜ、私はクライアントを選ぶのか(記事058)で書きました。その記事では、最低限のスキルが足りないところは、自分でやるか、外注に出すかを、教わる前に分けておく、と書いています。ここでは繰り返しません。この記事で言いたいのは、どちらにするにしても、講座が始まる前に済ませておく、という順番のことです。

講座に入ることは、悪いことではありません。講座は、本題を教わるための大事な場です。だからこそ、本題を受け取れる状態で入ってほしい。投稿に書いた学ぶ順番の話は、そういうことです。

よくある質問

動画や生成AIが苦手でも、講座に入っていいですか。

入ってはいけない、ということではありません。苦手なものがあるのは、自然なことです。ただ、入る前に、その講座が何をできる前提にしているかを確かめてください。前提になっているものが苦手なら、それを先に学ぶ期間を取ってから入る方が、講座の本題に時間を使えます。前提になっていないものなら、苦手なままでも、講座の進み方には響きにくいはずです。

先に学ぶのに、どれくらいかかりますか。

この記事では、期間は書きません。今どこまで使えるかが、人によって違うからです。目安は、講座が始まるまでに、教わったことをその場で試せる程度まで、です。上手に使いこなせるところまでは要りません。本題を聞いて、自分の手で一度試せる。そこまで身につけておけば、覚えている間に本題が進む、という遅れは小さくなります。

講座に入ってから覚えるのでは、遅いですか。

遅い、とは言い切れません。ただ、覚えている間にも本題は進むので、追いつく負担は大きくなります。入ってから覚えるなら、講座の時間とは別に、覚えるための時間を取る覚悟がいります。本題を聞く時間と、前提を覚える時間を、同じ時間の中で済ませようとしないことです。

まとまった額の講座は、やめた方がいいですか。

額の大小の話ではありません。払った額と結果は関係がない、と書いたのは、額が大きいから悪い、という意味ではありません。額が大きいから結果が出る、という意味でもありません。決めるときに見るのは、額ではなく、自分がその講座の前提を持っているかどうか、学ぶ順番が合っているかどうかです。すでに入っている方も、前提を確かめて、足りないものを講座とは別に学ぶ時間を取ることは、今からでもできます。

学ぶ順番とは、講座で教わる内容そのものより先に、講座が「できる前提」にしているものを身につけておく、という順番のことです。講座で教えてもらえるのは方法までで、その場で全部できる人は多くありません。講座は、講師が売上や集客を作る場ではなく、生徒が自分で結果を出す力をつける場です。そして講座は、動画や生成AIを使える前提で進みます。前提を講座の中で覚えようとすると、覚えている間に本題は先へ進み、遅れが積もっていく。楽譜が読めないまま合奏に入るのと同じです。だから、入る前に前提を確かめ、足りないものを先に学んでから入る。払った額の大きさではなく、学ぶ順番で、お金を有効に使ってください。私の考え方の全体像は、マインドコーチとしてのコーチングの考え方にまとめています。

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この記事を書いた人

株式会社マインドコーチ 代表取締役 安達慎一

本業を続けながらコーチングを仕事にしたい方に、商品づくりと販売の道筋を支援しています。個別相談800人超・セッション6,000時間超。

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