なぜ、同じ塾や講座を受けても、うまくいく人とそうでない人に分かれるのか。理由は、教わったものを全部受け取れる人が少ないからです。同じカリキュラムを受けても、受け取れる量は人によって違い、誰もがどこかでつまずきます。だから、教わるなら、つまずいたところを一人ずつ見てもらえる形を選び、その分の費用はケチらないことです。
この記事では、Xに書いた投稿の全文、全部を受け取れない理由、カリキュラムと受ける人の間にあるずれ、つまずいた場所が本人には見えにくいこと、人数が増えたときに起きること、そして教わる形の選び方を、順番に書きます。
先日、私はXにこう書きました——なぜ、同じ塾を受けても、うまくいかない人が多いのか

先日、私はXに、次の文章を書きました。そのまま載せます。
なぜ、高額塾を受けても9割以上の人がうまくいかないのか。
理由は簡単で、全てを受け取れないからです。
学校の勉強を見れば分かります。
小学校ならともかく、中学校や高校で、ずっと100点でしたか?
同じ授業を受けているのに、テストの点数にばらつきがありますよね。
これと同じで、高額塾もみんな同じカリキュラムを受けます。
全てのスキルが詰め込まれていますが、全てのスキルを受け取ることが難しいわけです。
パソコンのスキルも、ワードができない人や動画の編集が苦手な人、文章を書くことができない人がいます。
様々なスキルを持っていますが、全てができる人が少ないわけです。
だから、どこかでつまずきます。
これが、高額塾でうまくいかない理由です。
個別相談がついているものもありますが、人数が多くなると、大体講師本人ではなく、認定講師と呼ばれる人が教えてくれたりします。
この認定講師は大体稼げていない人がやっているので、教え方もイマイチです。
なぜなら、稼げているなら、そんなところで講師をやる必要がないからです。
自分で稼げばいいだけなので、講師をしなければならない理由があるからです。
このことを理解すると、本当に稼げるようになるには、高くてもマンツーマン指導一択ということがわかると思います。
人数を詰め込むために単価は安く設定されていますが、人数が多くなるとサポートが薄くなるのは当然です。
せっかくお金を払ったら稼げると思ったかもしれませんが、選択ミスをすると、投資しただけで結果が出ないということになります。
このことをしっかり理解して、お金はあまりケチらないようにした方がいいですね。
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先に、2つ断っておきます。
1つ目。この記事は、塾や講座、そこで教えている人を批判する話ではありません。投稿には、講師について強い言い方をしたところがあります。投稿の言葉としてそのまま載せましたが、この記事では、人の良し悪しの話はしません。書くのは、一人の講師が見られる人数と、受ける人が受け取れる量の、構造の話です。塾や講座を受けて、思うようにいかなかった人を責める話でもありません。
2つ目。投稿には、うまくいかない人の数を表した数字が入っています。これも投稿の言葉としてそのまま載せましたが、この記事では数字の話はしません。書くのは、同じものを受けても、受け取れる量は人によって違う、という当たり前のことです。
理由は、全部を受け取れないから——同じ授業を受けても、テストの点にばらつきが出る

投稿には、こう書きました。「理由は簡単で、全てを受け取れないからです。」そして、「学校の勉強を見れば分かります。」と続けました。
中学校や高校の頃を思い出してみてください。同じ教室で、同じ先生の、同じ授業を受けていました。教科書も同じ、授業の時間も同じです。それでも、テストの点は人によって違いました。投稿にも、「同じ授業を受けているのに、テストの点数にばらつきがありますよね。」と書いています。
点がばらつくのは、誰かが授業をさぼっていたからではありません。真面目に聞いていても、点は揃いません。得意な教科と、苦手な教科がある。同じ教科の中でも、すっと入ってくるところと、何度聞いても入ってこないところがある。授業で渡されたものは同じでも、自分の中に残るものは、人によって違います。
塾や講座も、同じです。投稿には、塾ではみんなが同じカリキュラムを受ける、と書きました。同じ内容を、同じ順番で教わります。それでも、受け取れる量は揃いません。
ここで、この記事の中心になる言葉を定義しておきます。
受け取れる量とは、教わった内容のうち、自分で使える形にできた分のことです。
聞いたことがある。ノートに書いてある。それだけでは、受け取れた量には入りません。自分の手で、自分のビジネスの中で使えるようになって、初めて受け取れたと言えます。テストの点が、授業を聞いた時間ではなく、自分で解けた問題で決まるのと同じです。
だから、同じカリキュラムを受けた人の間で結果が分かれるのは、不思議なことではありません。受け取れる量が違えば、使えるものが違います。使えるものが違えば、出てくる結果も違います。これは、受けた人の誰かが悪いのではなく、同じものを渡されたときに、いつでも起きることです。
結果が分かれる理由については、別の角度から書いた記事があります。なぜ、高額商品を買っても結果が出ないのか(記事047)では、教えた人がうまくいったときと、自分が今やるときとでは条件が違う、という話を書きました。あちらは、教える人と教わる人の間にある違いの話です。この記事で書いているのは、同じ条件で、同じものを受けても、受け取れる量が人によって違う、という話です。あちらの中身は、ここでは繰り返しません。
同じ先生から習っても点数が揃わない、という話は、なぜ、高額塾に自己投資してもうまくいかないのか(記事036)でも書きました。あちらは、理解できないところを個別に直してもらえるかどうか、の話です。この記事は、受け取れる量と、人数の話に絞ります。
カリキュラムには、全部が詰まっている——でも、全部できる人は少ない

投稿には、こう書きました。「全てのスキルが詰め込まれていますが、全てのスキルを受け取ることが難しいわけです。」
カリキュラムを作る側は、必要なことを抜けなく入れようとします。コーチングを仕事にするまでには、やることがたくさんあります。発信する。文章を書く。画面を作る。動画を切る。申し込みを受けて、お客様と話す。どれかが欠けると、前に進みにくくなります。だから、カリキュラムには全部が詰まっています。全部を渡そうとするのは、作る側の誠実さです。
ところが、受ける側は、全部を同じようにはできません。投稿には、「パソコンのスキルも、ワードができない人や動画の編集が苦手な人、文章を書くことができない人がいます。」と書きました。文書を整えるのは得意でも、動画は触ったことがない人がいます。動画は好きでも、長い文章になると手が止まる人がいます。人は、それぞれ違う得意と苦手を持って、塾や講座に来ます。
投稿には、「様々なスキルを持っていますが、全てができる人が少ないわけです。」とも書きました。全部ができる人が少ないのは、当たり前のことです。誰にでも、得意な作業と苦手な作業があります。苦手な作業があるのは、力が足りないという意味ではありません。これまで、その作業に触れる機会が少なかった、というだけのことです。
塾や講座の側と、受ける側を並べると、次のようになります。
| 比べるところ | 塾や講座の側 | 受ける側 |
|---|---|---|
| 用意しているもの | 必要な作業を、抜けなく詰め込んだカリキュラム | それぞれ違う得意と苦手を持った、一人ひとりの手 |
| できること | 全員に、同じ内容を同じ順番で渡すこと | 得意な作業は進められるが、全部を同じ速さではこなせない |
| つまずく場所 | 前もっては決められない。受ける人によって違う | 自分の苦手な作業のところで、手が止まる |
| つまずいた後に起きること | 予定どおり、次の内容へ進んでいく | 止まった作業が残ったまま、次の内容が積み重なっていく |
表の左の列も、右の列も、どちらも間違ったことはしていません。カリキュラムは全部を渡そうとしていて、受ける人はそれを受け取ろうとしています。ずれが出るのは、渡すものが一つで、受ける人が一人ひとり違うからです。
そして、このずれは、受ける人がどれだけ真面目でも消えません。苦手な作業は、真面目に取り組んでも、得意な作業と同じ速さでは進みません。表のいちばん下の行のように、止まった作業が残ったまま次の内容が来ると、受け取れなかった分は、そのまま後ろに残っていきます。
足りない作業をどう補うか、という話は、なぜ、私はクライアントを選ぶのか(記事058)で書きました。その記事では、最低限のスキルが足りないところは、自分でやるか、外注に出すかを、教わる前に分けておく、と書いています。ここでは繰り返しません。この章で押さえておきたいのは、全部を同じようにできる人は少なく、それは当たり前のことだ、という一点です。
どこでつまずいたかは、本人には分かりにくい——だから、一人ずつ見てもらう形が要る

投稿には、こう書きました。「だから、どこかでつまずきます。」
全部ができる人が少ないなら、誰もがどこかでつまずきます。つまずくこと自体は、特別なことではありません。困るのは、どこでつまずいたかが、本人には分かりにくいことです。
つまずいたとき、本人が感じるのは、「なんだかうまくいかない」という手応えのなさです。どの作業のどこで止まっているのかまでは、なかなか見えません。文章が書けないのか、書いた文章の向け先がずれているのか。動画の作り方が分からないのか、作った動画が届けたい相手に合っていないのか。本人の中では、それが一つの「なんだかうまくいかない」にまとまってしまいます。
投稿の学校の話で言えば、大人数の教室の後ろの席に座っているようなものです。前に立つ先生の声は、後ろの席まで届きます。黒板の字も見えます。けれど、手元のノートまでは、先生から見えません。どこで手が止まっているのか、どこを書き違えているのかは、ノートを見てもらわない限り、誰にも分かりません。本人も、どこが違うのか分からないまま、次の授業が始まります。
だから、一人ずつ見てもらう形が要ります。手元のノートを見てもらえれば、止まっている場所が分かります。本人には「なんだかうまくいかない」としか感じられなかったものが、「ここで止まっている」に変わります。場所が分かれば、そこに手を打てます。
私は個別相談800人超、セッション6,000時間超の仕事をしてきました。それでも、相手がどこでつまずいているかは、話を聞いて、作ったものを見せてもらうまで分かりません。外から眺めて、先に言い当てられるものではありません。だからこそ、一人ずつ見る、ということに意味があります。
投稿には、「個別相談がついているものもありますが」とも書きました。塾や講座の中にも、一人ずつ話を聞いてもらえる場を用意しているものがあります。カリキュラムを渡すだけでは埋まらないところがあることを、作る側も分かっているのだと思います。
見てもらえる形の方が、つまずいたまま止まる時間は短くなりやすい。言えるのは、そこまでです。見てもらえば全部が解ける、とは言えません。けれど、止まっている場所が分からないまま進むのと、場所が分かってから手を打つのとでは、止まり方が変わります。
できないところを直接見てもらうことの意味は、なぜ、やり方を教えてもうまくいかないのか(記事050)でも書きました。その記事では、教える人の当たり前はやり方の中に入っておらず、できないところを直接見てもらって初めて埋まる、と書いています。ここでは繰り返しません。
人数が増えると、講師本人は見られなくなる——単価が安いのは、人数を詰め込むから

投稿には、個別相談があっても、人数が多くなると、講師本人ではない人が教えてくれることがある、という趣旨のことを書きました。
これは、誰かの良し悪しの話ではありません。人数の話です。一人の講師が見られる人数には、限りがあります。人数が増えるほど、一人に回る時間は減ります。それでも全員に相談の場を用意しようとすれば、講師本人ではない人が担当する形になるのは、自然な流れです。
投稿には、こうも書きました。「人数を詰め込むために単価は安く設定されていますが、人数が多くなるとサポートが薄くなるのは当然です。」
人数の多い塾や講座は、一人あたりの費用を抑えられます。多くの人が受けられるようにするには、筋の通ったやり方です。その分、一人に回るサポートは薄くなります。これも、どちらが良い悪いではなく、形の違いです。費用を抑えて多くの人に届ける形と、費用はかかっても一人ずつ見る形。どちらにも、それぞれの意味があります。
前の章の教室で言えば、後ろの席が増えるほど、先生が一人ひとりのノートを見て回る時間は短くなります。先生の代わりに、ノートを見て回る人を置くこともあるでしょう。それでも、席の数が増えれば、一つのノートにかけられる時間は減っていきます。
大事なのは、教わる側が、自分の選ぶ形を知っておくことです。人数の多い形を選ぶなら、つまずいたときに、誰がどこまで見てくれるのかを、先に知っておきます。知らずに入ると、つまずいたときに初めて、思っていた形と違ったことに気づきます。
教わる形を選ぶときに確かめることは、次の3つです。
- 自分の相談に答えるのは誰か
- つまずいたとき、どこを見てもらえるのか
- 見てもらえる回数と間隔
1つ目は、自分の相談に答えるのは誰か、です。講師本人なのか、講師本人ではない人なのか。どちらかが正しい、という話ではありません。自分が誰に見てもらうことになるのかを、知ったうえで選ぶ、ということです。
2つ目は、つまずいたとき、どこを見てもらえるのか、です。質問に答えてもらえるだけなのか。自分が作ったものを見て、どこで止まっているのかを一緒に探してもらえるのか。手元のノートまで見てもらえる形かどうかは、ここで分かります。
3つ目は、見てもらえる回数と間隔です。つまずいてから次に見てもらえるまでの間が長ければ、その間、止まった作業はそのまま残ります。どのくらいの間を空けて見てもらえるのかを、先に確かめておきます。
誰から教わるかを見分ける方法は、なぜ、何を学ぶかより「誰から学ぶか」なのか(記事014)で書きました。その記事では、契約の前にホームページやプロフィールを見て確かめられることを、チェックポイントとして並べています。ここでは繰り返しません。この章で書いたのは、その人が、自分のつまずきを直接見てくれる形になっているかどうか、という確かめ方です。
選ぶのを間違えると、払っただけで終わる——だから、お金はケチらない

投稿には、費用が高くても、一人ずつ見てもらえる形を選ぶ方がいい、という趣旨のことを書きました。そして、選ぶのを間違えると、お金を払っただけで結果が出ないことになる、とも書いています。
人数の多い形を選んで、つまずいた場所を誰にも見てもらえないまま進むと、カリキュラムは最後まで終わっても、自分の手元には、使える形になっていないものが残ります。受け取れた量は少ないまま、費用だけは払い終わっている。払っただけで終わる、というのは、この状態のことです。
だから、費用が高くても、見てもらえる形を選ぶ理由があります。払う額だけを比べると、人数の多い形の方が安く見えます。けれど、比べるのは額だけではありません。払ったあと、自分の手元にどれだけ使えるものが残るか。つまずいたとき、そこを見てもらえるかどうか。そこまで含めて比べます。
投稿の最後には、「このことをしっかり理解して、お金はあまりケチらないようにした方がいいですね。」と書きました。ケチらない、というのは、たくさん払えばいい、という意味ではありません。払うなら、つまずいたところを見てもらえる形に払う、という意味です。
順番にすると、次のようになります。
- 自分がどの作業でつまずきやすいかを先に知る
- つまずいたところを一人ずつ見てもらえる形を選ぶ
- その分の費用を、先に用意する
1つ目は、自分がどの作業でつまずきやすいかを、先に知ることです。文章なのか、画面を作ることなのか、動画なのか、人と話すことなのか。全部ができる人は少ないので、自分の苦手が分かっていれば、そこを見てもらえる形かどうかで選べます。
2つ目は、つまずいたところを一人ずつ見てもらえる形を選ぶことです。前の章で書いた3つを確かめて、自分の苦手な作業で止まったときに、そこを見てもらえるかどうかで決めます。
3つ目は、その分の費用を、先に用意することです。一人ずつ見てもらえる形は、人数の多い形より費用がかかることが多いものです。今払える額だけで選ぶと、見てもらえない形しか選べなくなります。先に用意しておけば、額ではなく形で選べます。
ビジネスに使うお金の用意の仕方は、なぜ、お金をかけずにビジネスをすると、うまくいかないのか(記事060)で書きました。その記事では、生活費とは別に、外れても困らない「溶かしてもいいお金」を先に作る、と書いています。ここでは繰り返しません。
見てもらえる形を選んでも、それだけでうまくいく、とは言えません。手を動かすのは、教わる本人です。言えるのは、つまずいたところを見てもらえる形の方が、つまずいたまま止まる時間は短くなりやすい、ということです。
最後に、一つだけ返しておきます。あなたがコーチとして、教える側に立つときも、同じことが起きます。一人のコーチが見られる人数には、限りがあります。人数を増やせば、一人に回る時間は減ります。そして、あなたのクライアントも、それぞれ違う得意と苦手を持っています。自分が教わる形を選ぶときに確かめたことは、自分が教える形を作るときにも、そのまま当てはまります。
よくある質問
人数の多い塾や講座は、受けない方がいいのですか。
受けてはいけない、ということではありません。人数の多い形は、費用を抑えて、必要なことをひととおり知ることができます。大事なのは、受ける前に、つまずいたときに誰がどこまで見てくれるのかを確かめておくことです。それを知ったうえで選ぶなら、どちらの形でも構いません。
すでに受けていて、思うような結果が出ていません。
まず、自分を責めないでください。全部を受け取れる人は少なく、どこかでつまずくのは当たり前のことです。そのうえで、どの作業で止まっているのかを、一つだけ書き出してみてください。「なんだかうまくいかない」を、「ここで止まっている」に変えます。場所が分かったら、そこを直接見てもらえる人を探します。
講師本人ではない人に教わるのは、だめなのですか。
だめではありません。人で決めるのではなく、自分のつまずきを直接見てくれるかどうかで決めます。講師本人でも、手元を見てもらえなければ、止まっている場所は分かりません。講師本人ではない人でも、自分が作ったものを見て、止まっている場所を一緒に探してくれるなら、それは一人ずつ見てもらえる形です。
自分がコーチとして教える側になったら、どう考えればいいですか。
見られる人数には限りがある、ということを、自分の商品の形にも当てはめてください。何人まで、どのくらいの間隔で、どこまで見られるのか。それを先に決めておくと、クライアントがつまずいたときに、手元まで見られる形を保てます。人数を増やしたくなったときも、まず、一人ずつ見る時間が残るかどうかを確かめます。
受け取れる量とは、教わった内容のうち、自分で使える形にできた分のことです。同じカリキュラムを受けても、受け取れる量は人によって違います。全部ができる人は少なく、誰もがどこかでつまずきます。どこでつまずいたかは本人には分かりにくく、人数が増えるほど、講師本人が一人ひとりの手元を見る時間は減ります。だから、教わるなら、つまずいたところを一人ずつ見てもらえる形を選び、その分の費用はケチらずに先に用意してください。選ぶのを間違えると、払っただけで終わります。私の考え方の全体像は、マインドコーチとしてのコーチングの考え方にまとめています。
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