副業コーチのサポート範囲はどう決める?「いつでも相談できます」を約束する前に

副業コーチのサポート範囲はどう決める?「いつでも相談できます」を約束する前に

会社の仕事が終わってから、お客様のメッセージに返事をする。休日にはセッションを行い、その後も相談が届けば対応する。コーチングを仕事として育てたいと思って始めたのに、気づけば休む時間まで使っている。

それでも「もっと支えなければ選んでもらえない」と考え、案内文には「いつでも相談できます」と書いてしまう。そんな状態になっていないでしょうか。

副業でコーチングを提供するとき、サポート範囲は、空いている時間だけで決めるものでも、お客様の希望をすべて受け入れて決めるものでもありません。お客様が目指す変化に必要な支援と、自分が継続して提供できる対応を重ねて決めるものです。

そのために、相談のテーマ、連絡方法、返答の目安、セッション外で行うことを、申込み前に伝えられる形にします。この記事では、本業と両立するコーチが、支援の質を守りながら約束を具体化する考え方をお伝えします。

目次

「いつでも送れる」と「いつでも返事が来る」は違う

月の下でスマートフォンからメッセージを送る人と、太陽の下でパソコンから返事を返す人、その間の時計の図

例えば、あなたが「いつでも相談できます」と書いたとします。あなたのつもりでは、夜中でもメッセージを送ってよい、返答は翌日の仕事が終わってから、という意味かもしれません。

しかし、お客様は「困ったときには、その場で相談に乗ってもらえる」と受け取る可能性があります。どちらかが悪いと決める前に、一つの言葉で違う約束を想像していないかを確認する必要があります。

送信できる時間と、こちらが確認する時間。相談できる内容と、その場で答えられる内容。文章で扱えることと、次のセッションで話すこと。これらを分けて説明すれば、相手も利用する場面を考えやすくなります。

「丁寧に対応します」という気持ちだけでは、返事を待つ側の見通しは立ちません。勤務中には確認できないのであれば、その条件の中で、いつ、どのように対応できるのかを具体的に伝えてください。

範囲を決めることは、お客様を遠ざけるためではありません。自分が約束したつもりのことと、相手が期待していたことを、できるだけ近づけるためです。

まず「何を支援する商品なのか」に戻る

現在地の旗と目的地の旗を結ぶ道の上に、支援で扱うテーマを表す3つの箱が並ぶ図

サポート内容を考えるとき、回数や返信の速さから決め始めると、サービスを足す方向にばかり進みがちです。先に整理したいのは、お客様が何に取り組むための支援なのかということです。

仕事の優先順位を整理したい人への支援と、独立に向けた行動計画を考えたい人への支援では、話すテーマも振り返る内容も違うはずです。同じコーチングでも、必要な関わり方まで同じとは限りません。

お客様の現状と目指す状態を書き、その間で一緒に扱うことを整理してください。考えを言葉にすることなのか、選択肢を比較することなのか、実際に行動した結果を振り返ることなのか。自分が何を提供するのかを具体的にします。

ここが曖昧なまま「何でも相談できます」とすると、当初の目的とは違う依頼まで、商品に含まれるように見えてしまいます。

例えば、発信を始めるための考えの整理は支援しても、投稿文の代筆や画像制作は引き受けない、という形は考えられます。反対に、それらを含む商品を作ることもできます。大切なのは、何を含めるかを自分で決め、相手に分かる言葉で伝えることです。

お客様が喜ぶことと、頼まれた作業をすべて引き受けることは同じではありません。目指す変化に向けて、どの支援が役に立つのかを考える。その視点から商品の中身を組み立てます。

セッション以外の時間も、提供時間に含める

時計の文字盤が4つに分かれ、セッション・準備と記録・メッセージ対応・日程調整のアイコンが入った図

本業と両立していると、「休日に二時間空いているから、一時間のセッションを二件できる」と考えるかもしれません。ただ、その二時間だけで仕事が完結するかは別の話です。

事前の回答を読む、セッションの準備をする、終了後に記録を残す、日程を調整する、相談に返事をする。表に出にくい作業も、自分の時間を使っています。

次の数字は、計算方法を説明するための仮の例です。一人への月の対応が、セッション二時間、準備と記録一時間、メッセージ対応一時間なら、合計は四時間になります。三人を支援するなら十二時間です。ここには集客や自分の学習の時間は含まれていません。

実際には相談量が増える月もあるでしょう。平均的な時間だけで予定を埋めず、変更や追加確認に対応する余裕も考えます。空いている時間のすべてを、最初から販売できる時間とみなさないことです。

これは効率だけを追い求める話ではありません。受けた約束を守れる人数を知るための確認です。お客様が増えた途端に返信が滞る状態では、自分も相手も落ち着いて取り組めなくなります。

まず一週間、実際の対応時間を記録してみてください。まだ提供前なら、準備から記録までを試して見積もります。希望する人数ではなく、今の形で支援できる人数を考える材料になります。

申込み前に伝えたい四つの約束

相談テーマ・連絡方法・返答の目安・セッション外の対応の4項目が並ぶシートと、その下で握手する2つの手の図

最初に決めたいのは、相談で扱うテーマです。「仕事について」だけでなく、今回の支援で一緒に取り組むことを示します。対象外の作業があれば、含まれていないことも伝えます。

二つ目は、連絡方法です。メールなのか、指定したメッセージサービスなのか。複数の窓口に連絡が分かれると確認漏れにつながることもあるため、自分が継続して確認できる方法を選びます。

三つ目は、返答の目安と対応しない時間です。「早めに返します」ではなく、通常どのくらいで返すのか、休日をどう扱うのかを示してください。すぐに結論を出せない相談には、まず受け取ったことと、その後の進め方を伝える方法もあります。

四つ目は、セッション外で行うことです。質問への返答、課題へのコメント、資料の確認など、何が含まれるのかを整理します。追加の面談や作業が必要になったときに、勝手に対応や請求を増やさず、先に相談することも大切です。

例えば、説明文のたたき台はこうなります。「セッションの間に取り組んだ課題の振り返りは、指定のメールでお送りいただけます。返信の目安と対応日は、開始前にご案内します。新しいテーマのご相談や追加の面談が必要な場合は、進め方を相談します」。

ただし、この例をそのまま載せて終わりにはしないでください。あなたの商品ではどの課題を扱い、何日程度で返せるのかを埋めて、申込みを決める前に確認できる説明へ仕上げます。

長い注意書きを作ることが目的ではありません。読んだ人が「自分はこう使えるのだな」と想像できることが大切です。

線を引くことに、なぜ抵抗があるのか

定規を当てて線を引こうとして手が止まっている人と、線の向こうで笑顔で立つ人の図

対応できる時間は分かっている。それでも範囲を書こうとすると、「冷たいと思われそう」「この値段なら全部やるべきでは」と手が止まることがあります。

ここで見直したいのは、支援への熱意ではなく、自分がよいコーチの条件をどう考えているかです。すべての依頼に応じる人がよいコーチなのか。目的に必要な支援を考え、約束を守る人がよいコーチなのか。その前提によって、商品の作り方は変わります。

もちろん、線を引けば、それまで期待していた対応とは違うと感じる人もいるでしょう。全員が納得して申し込むとは限りません。だからこそ、契約後に無理が出る前に、互いの希望を確認する意味があります。

また、相談の回数が多い人を、すぐに「依存している」と決めつける必要もありません。説明が曖昧だったのかもしれませんし、課題の進め方が伝わっていないのかもしれません。相手の性格を評価するより、何を期待し、どこで困っているのかを確かめる方が、対応を考えやすくなります。

私は、ビジネスマインドを見直す場面は、こうした日々の判断にもあると考えています。「断れない自分を直す」という自分への批判だけで終わらず、何を守るために、どんな約束をするのかを考えてみてください。

すでに引き受けすぎている場合は、途中で投げ出さない

荷物の箱を抱えすぎた人と、テーブルで箱を1つずつ並べ直して話し合う2人の図

これから募集する商品なら、先に範囲を整えられます。一方で、すでに「いつでも対応します」と伝えたお客様がいる場合は、今日から一方的に対応を減らせばよいわけではありません。

まず、これまで案内した内容と、実際に行ってきた対応を見返してください。自分が追加の厚意として行ったつもりでも、相手は通常のサービスだと思っている可能性があります。

負担が増えているなら、何が難しくなっているのかを整理し、今後も支援を続けるために相談したいと伝えます。対応日を整理する、話題をセッションにまとめるなどの案を出すときも、相手の事情や当初の約束を確認し、変更内容について合意を取ることが必要です。

困っている相手を黙って待たせたり、後から追加料金を告げたりするのではなく、変更が必要な理由と選べる対応を話し合う。新しい募集の設計と、現在のお客様との調整は分けて進めてください。

また、現在うまく支援できている部分まで、まとめてなくす必要はありません。役に立っている関わり方は残し、曖昧なまま広がっていた対応を整理します。

範囲を決めたら、価値と価格のつながりを確認する

左の皿に支援の中身のアイコン3つ、右の皿に値札のタグを載せた天秤の図

サポート範囲を決めると、時間の見積もりはしやすくなります。ただし、対応を減らせば利益が出る、時間単価を高くすれば売れる、という単純な話ではありません。

お客様から見て、目指す変化に必要な支援が残っているか。料金に何が含まれるのかを説明できるか。自分の提供能力に合っているか。この三つを確かめる必要があります。

例えば、振り返りの機会が必要な商品なのに、時間を節約するために振り返りをすべてなくしてしまえば、商品の目的と合わなくなるかもしれません。何を省くかの前に、何を残すべきかを考えてください。

反対に、お客様が自分で考えて実行する機会まで、こちらが代わりに引き受けているなら、関わり方を変える余地があります。全部やってあげることだけが、手厚い支援ではありません。

価格は、自分が安心できる金額をつけるだけでも、競合より多くの特典をつけるだけでも決まりません。支援の目的と中身、必要な費用、続けられる体制を整理し、お客様が選べる説明にすることが先です。

本業の収入があることは、無期限に無理を続ける理由ではありません。今の生活を守りながら育てるからこそ、将来も提供できる形を考えることが大切です。

募集文の一文を、今日書き直してみる

紙の1行を消しゴムで消し、ペンで書き直している手の図

まず、今の商品案内から「いつでも」「何でも」「徹底的に」といった言葉を探してください。使うこと自体が悪いのではありません。その言葉が何を約束しているのか、自分で説明できるかを確認します。

次に、お客様の目的、相談する内容、返答の目安、含まれない作業を、短い文章にしてください。書けない項目があれば、そこがまだ決まっていない部分です。

最後に、その条件でお客様を支え続けられるか、自分の予定と照らし合わせます。難しいなら、人数や対応方法、商品の中身を見直します。気合で埋める前に、設計で変えられるところを探すのです。

「もっと頑張れば提供できる」から、「この約束なら責任を持って提供できる」へ。サポート範囲を決めることは、その一歩になります。

この記事の内容を、あなたのビジネスに当てはめて実践したい方へ。メールで課題を出し、私が直接添削する無料講座をやっています。読むだけの講座ではないので、本気の方だけどうぞ。
コーチングを本気で仕事にするメルマガ講座(各回メールコンサル付き)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

株式会社マインドコーチ 代表取締役 安達慎一

集客やセールスが苦手な稼げないコーチの方向けに、コーチングビジネスの基本を教えています。起業家を育成しています。

目次